IS Striker   作:アーヴァレスト

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築き上げてきた未来が音を立てて崩れていく
それはこれまでの反動、破壊をしたからこそ再生が始まった
追い立てていた者が追い立てられる者になる

その裏には、最悪の敵がいて。どうしても倒さねばならない
自分ではなく、この世界に生きる者達と、己の仲間が


逃避行編
運命の破壊


「これは予測出来ていた事だよな、カズマ」

「あぁ・・・」

 

平和に仕事を終えたある日、意外な情報が寄せられた

WALRUSに対する国連の緊急決議が行われるのだ

 

「やれやれ、一介のPMCにそこまで躍起になるかね」

「なるだろうよ、現状最強戦力常時配備のPMCはウチだけだ」

 

そうなのかもしれない

でもそれにはきちんといた理由があるのだ

 

「俺達が築き上げてきたものが、崩れていっているな」

「破壊の次にあるのは創造だ、俺は破壊しか出来ない。後は任せるぞ」

「あぁ、でも・・・」

「死なんよ、守らねばならん者がいる限り」

 

今の俺には、最悪の敵がいる。どうしても倒さねばならない敵が

でもそれもかなわんだろう・・・ならば、残る者達に任せる

 

「久しぶりだな、追われる立場になるのは・・・」

「あぁ、だからこそ、巻き込んでしまうのは・・・」

「お前の部下であることは俺の誇りだ、それは今も変わらん。一人で逝く事など決して許さんぞ」

「・・・あぁ」

 

いつの間にかイセリアと由宇も聞いていたようで、俺を不安そうに見ていた

 

「カズマ・・・」

「イセリア、由宇。俺は死なない、君達がいる限りどんな事があろうとも」

 

切り札はこの世界に生きる者達なのだ、俺のような転生者ではない

 

「篠ノ之束、隠れてないで出てこい」

「決死の覚悟しているくせに、そんな事言うから・・・」

 

あぁ、そうだな・・・

今の俺は決死の覚悟だ、なにせ敵が敵なのだから・・・

 

「最悪の6人の復活・・・これは俺への命題か・・・あるいは」

「神による介入か・・・どのみち戦わざるを得んか」

「二元論、堕天奈落、悲想、修羅、永劫回帰、第六天波旬・・・どれもこれもこの世界のバランスを大きく崩すな・・・」

「賭けよう、一夏達に。それしか方法がないのも事実だ」

 

そのために俺はある決意をしていた。それが後にどれほどの影響を及ぼすのかも熟慮した上で

 

「じゃあ、覚悟は出来ているんだな?」

「あぁ・・・千冬に何も言わずに行くのは少しばかり悪いがな」

「聡明な彼女のことだ、なんとなくだが分かりはするだろう」

 

敵になると言ったらどれほど嫌そうな顔をするだろうか?

おそらく二度と見られないような表情になる事だろう

それが見れない事にも少しだけ残念な思いもあるが、もう決めて実行に移していることだ、今更帰るわけにもいかない

 

「学園にはどう話を通したんだ?」

「一時休学措置を取ってもらった、俺達がやろうとしている事を知っているのはほんのひと握りだ」

 

学園長の他は一人しか知らないことだ、それだけ極秘にする必要がある

彼らの覚悟と、その力を試すために

そして、俺にはしたくても出来ない事に挑んでもらうために

その露払い(・・・)程度はしてこよう、最後の一人、第六天波旬を名乗る敵を倒せる算段をしといてやる

 

「頼むぞ、一夏」

 

二年少々世話になった場所から一時の逃避のために出るというのは、後ろ髪を引かれる思いがこみ上げるものだった




逃避行編開始です。敵の名前がなんとも仰々しいものばかりです
最初に倒れる敵はどんな存在なのか、どこから来たのか、謎にして唐突に始まる逃避行の目的は何なのか徐々に明らかにしていきます。既に半分以上今話でヒントを出していますが



感想ください、作者がハイテンションで次話を書きます

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