軌跡の世界は、美食時代?   作:シャト6

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14話

久々会ったクレアと話してるキョウ。すると、リィン達がやって来る。

 

クレア「お疲れ様です皆さん」

 

リィン「…どうも」

 

アリサ「此方の方は?」

 

キョウ「ああ、こいつは《鉄道憲兵隊》隊長だ」

 

クレア「初めまして、トールズ士官学院の皆さん。帝国軍・鉄道憲兵隊所属、クレア・リーヴェルト大尉です」

 

クレアがリィン達に名前を言う。

 

リィン「クレア大尉ですか」

 

クレア「はい。ですが、申し訳ありませんが調書を取りたいので、少々お付き合い願えませんか?」

 

リィン「分かりました」

 

そしてリィン達はケルディックに戻り、それぞれ調書を取られるのだった。終わった頃には、既に夕方になっていた。駅前に行くと、オットー元締めとクレアがいた。

 

オットー「いや、お前さん達には本当に世話になってしまったな。盗品も戻ってきたし、トラブルも一通り解決した。何とお礼を言ったらいいものやら」

 

今日の出来事を解決してくれたリィン達に、頭を下げてお礼を言うオットー。

 

リィン「いえ…お力になれて良かったです」

 

キョウ「元締め、気にするな。俺達が好きで首突っ込んだんだからさ」

 

アリサ「それに、鉄道憲兵隊の方々が動いてくれたのもありますし」

 

そう言いながら、全員がクレアを見る。

 

クレア「いえ、私達はあくまで最後のお手伝いをしただけです。皆さんが犯人を取り逃がしていたら、介入すらできなかったでしょう。その意味で、事件の解決は皆さんの功績と言えると思います」

 

エリオット「う、う~ん…ちょっと面映(おもはゆ)いですけど」

 

ラウラ「…まあ、素直に受け取っておくとしよう」

 

オットー「…では大尉、後はお任せしてもいいですかな?」

 

クレア「はい。今後暫くの間、憲兵隊の人間を常駐させます。何かあれば即座に対応できるのでどうかご安心下さい」

 

オットー元締めにそう説明するクレア。

 

オットー「…しかし、領邦軍の面々も同じ帝国の軍人さん達じゃ。ワシらとしては、あまりいがみ合わぬようにお願いしたいものじゃが」

 

クレア「…配慮します」

 

オットー「そうですか。それでは、ワシはこの辺で。君達も、今日は本当にありがとう」

 

そしてオットー元締めは、大市へと戻っていった。

 

クレア「―――調書への協力、ありがとうございました。お時間を取らせてしまって申し訳ありません」

 

リィン「いえ…気にしないで下さい」

 

キョウ「だな。アンタがもう少し遅かったら、俺がキレてただろうしな」

 

その言葉に、クレアを含めた5人冷や汗を流した。

 

クレア「とは言え、余計な事をしたかもしれませんね。ああいったトラブルも含めての《特別実習》かもしれませんから」

 

リィン「えっ?」

 

「流石にそこまでは考えてないけどね」

 

すると駅からサラが出てきた。

 

エリオット「サ、サラ教官」

 

ラウラ「やれやれ…ようやくのお出ましか」

 

クレア「…サラさん、どうもお久し振りです」

 

サラ「ええ、半年ぶりくらいかしら。それにしても、まさかアンタがここに出張ってくるとはね~。ひょっとして、全部お見通しだったって事かしら?」

 

クレア「ふふ…それは買い被りですよ」

 

サラの言葉を、首を横に振って否定するクレア。

 

クレア「とある筋からの連絡を受けたのは確かですけれど」

 

サラ「ああ、おたくの兄弟筋ね。随分と抜かりなく立ち回ってらっしゃること」

 

クレア「あくまで、状況に対応するために動いているだけですから……それでは皆さん。私達はこれで失礼します」

 

そしてクレア達は、帝都に戻ろうとする。

 

キョウ「ちょっと待てクレア。どうせ帝都に車で戻るんだろ?悪いけど、ついでに俺も乗せてくれ」

 

その言葉に、サラやリィン達は驚いた。

 

サラ「な、何言ってんのよアンタ!」

 

キョウ「いや、俺も一度IGO本社に顔を出さないといけなからよ。これについて」

 

キョウが見せた紙を見て、リィン達は納得し苦笑いする。

 

サラ「だからって、なにもコイツと一緒に行く必要はないでしょ!それに、IGO本社は帝都から海側の方に行くのよ!わざわざ帝都に行かなくても」

 

キョウ「ああ、帝都の空港に既に手配してもらったんだよ。だから、どのみち帝都には行かなきゃなんないんだよ」

 

クレア「フフ、でしたらご一緒させて下さい」

 

嬉しそうにキョウの手を握るクレア。それを見てサラが言う。

 

サラ「あ、あら~。わざわざ手を握る必要はないんじゃない?」

 

クレア「いえ、キョウさんを私達の車がある場所までエスコートさせていただきませんと。あのIGOの関係者ですので」

 

サラ「だからって、手を繋ぐ必要はないでしょうが!!」

 

クレアに食って掛かるサラ。その光景を見て、リィンとエリオットは言う。

 

エリオット「何て言うか…修羅場みたいな感じだね」

 

リィン「ああ。2人ともキョウに気があるみたいだし」

 

エリオット「だよねぇ。じゃないと、ああまでキョウを挟んで言い合いはしないと思うし」

 

男2人は、そんな会話をしていた。一方女子2人はというと…

 

アリサ「……」

 

ラウラ「……」

 

サラとクレアに挟まれてるキョウを睨んでいた。

 

アリサ(なんでかしら。2人に挟まれてるキョウを見てると、モヤモヤするわ)

 

ラウラ(キョウ…少しだらしないのではないか?何故だ…キョウを見ると胸が苦しい)

 

お2人お2人で、今の気持ちについて考えているようだ。そして、サラとクレアの言い合い(一方的にサラが言ってるだけ)は、1時間に及んだのだった。それが終わり、キョウはクレアが運転する車で空港に向かい、そこに迎えに来てたIGO所有の艦で本社に向かった。

 

 

 

 

 

IGO本社

 

 

キョウ「久々だな、ここに戻ってきたのは」

 

「お疲れ様です、キサラギ会長!」

 

上層部の連中が、帰ってきたキョウを出迎える。

 

キョウ「ああ。悪いがこの請求書をバリアハートの公爵家に送ってくれ。この音声付きのデータと一緒に」

 

「畏まりました」

 

データと紙を受け取った社員は、急いで戻っていった。

 

キョウ「今日はこのままここで一泊する」

 

「畏まりました。それでは、お食事のご用意をさせていただきます」

 

キョウ「頼んだ」

 

そしてキョウは、自分に部屋でもある会長室に入っていったのだった。




報告

活動報告に、新たにアンケートを書きました。それを見て皆さんの意見をいただき、参考にしていいのがあれば話に組み込もうと思っています。詳しいことはそちらを見てください。

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