久々会ったクレアと話してるキョウ。すると、リィン達がやって来る。
クレア「お疲れ様です皆さん」
リィン「…どうも」
アリサ「此方の方は?」
キョウ「ああ、こいつは《鉄道憲兵隊》隊長だ」
クレア「初めまして、トールズ士官学院の皆さん。帝国軍・鉄道憲兵隊所属、クレア・リーヴェルト大尉です」
クレアがリィン達に名前を言う。
リィン「クレア大尉ですか」
クレア「はい。ですが、申し訳ありませんが調書を取りたいので、少々お付き合い願えませんか?」
リィン「分かりました」
そしてリィン達はケルディックに戻り、それぞれ調書を取られるのだった。終わった頃には、既に夕方になっていた。駅前に行くと、オットー元締めとクレアがいた。
オットー「いや、お前さん達には本当に世話になってしまったな。盗品も戻ってきたし、トラブルも一通り解決した。何とお礼を言ったらいいものやら」
今日の出来事を解決してくれたリィン達に、頭を下げてお礼を言うオットー。
リィン「いえ…お力になれて良かったです」
キョウ「元締め、気にするな。俺達が好きで首突っ込んだんだからさ」
アリサ「それに、鉄道憲兵隊の方々が動いてくれたのもありますし」
そう言いながら、全員がクレアを見る。
クレア「いえ、私達はあくまで最後のお手伝いをしただけです。皆さんが犯人を取り逃がしていたら、介入すらできなかったでしょう。その意味で、事件の解決は皆さんの功績と言えると思います」
エリオット「う、う~ん…ちょっと
ラウラ「…まあ、素直に受け取っておくとしよう」
オットー「…では大尉、後はお任せしてもいいですかな?」
クレア「はい。今後暫くの間、憲兵隊の人間を常駐させます。何かあれば即座に対応できるのでどうかご安心下さい」
オットー元締めにそう説明するクレア。
オットー「…しかし、領邦軍の面々も同じ帝国の軍人さん達じゃ。ワシらとしては、あまりいがみ合わぬようにお願いしたいものじゃが」
クレア「…配慮します」
オットー「そうですか。それでは、ワシはこの辺で。君達も、今日は本当にありがとう」
そしてオットー元締めは、大市へと戻っていった。
クレア「―――調書への協力、ありがとうございました。お時間を取らせてしまって申し訳ありません」
リィン「いえ…気にしないで下さい」
キョウ「だな。アンタがもう少し遅かったら、俺がキレてただろうしな」
その言葉に、クレアを含めた5人冷や汗を流した。
クレア「とは言え、余計な事をしたかもしれませんね。ああいったトラブルも含めての《特別実習》かもしれませんから」
リィン「えっ?」
「流石にそこまでは考えてないけどね」
すると駅からサラが出てきた。
エリオット「サ、サラ教官」
ラウラ「やれやれ…ようやくのお出ましか」
クレア「…サラさん、どうもお久し振りです」
サラ「ええ、半年ぶりくらいかしら。それにしても、まさかアンタがここに出張ってくるとはね~。ひょっとして、全部お見通しだったって事かしら?」
クレア「ふふ…それは買い被りですよ」
サラの言葉を、首を横に振って否定するクレア。
クレア「とある筋からの連絡を受けたのは確かですけれど」
サラ「ああ、おたくの兄弟筋ね。随分と抜かりなく立ち回ってらっしゃること」
クレア「あくまで、状況に対応するために動いているだけですから……それでは皆さん。私達はこれで失礼します」
そしてクレア達は、帝都に戻ろうとする。
キョウ「ちょっと待てクレア。どうせ帝都に車で戻るんだろ?悪いけど、ついでに俺も乗せてくれ」
その言葉に、サラやリィン達は驚いた。
サラ「な、何言ってんのよアンタ!」
キョウ「いや、俺も一度IGO本社に顔を出さないといけなからよ。これについて」
キョウが見せた紙を見て、リィン達は納得し苦笑いする。
サラ「だからって、なにもコイツと一緒に行く必要はないでしょ!それに、IGO本社は帝都から海側の方に行くのよ!わざわざ帝都に行かなくても」
キョウ「ああ、帝都の空港に既に手配してもらったんだよ。だから、どのみち帝都には行かなきゃなんないんだよ」
クレア「フフ、でしたらご一緒させて下さい」
嬉しそうにキョウの手を握るクレア。それを見てサラが言う。
サラ「あ、あら~。わざわざ手を握る必要はないんじゃない?」
クレア「いえ、キョウさんを私達の車がある場所までエスコートさせていただきませんと。あのIGOの関係者ですので」
サラ「だからって、手を繋ぐ必要はないでしょうが!!」
クレアに食って掛かるサラ。その光景を見て、リィンとエリオットは言う。
エリオット「何て言うか…修羅場みたいな感じだね」
リィン「ああ。2人ともキョウに気があるみたいだし」
エリオット「だよねぇ。じゃないと、ああまでキョウを挟んで言い合いはしないと思うし」
男2人は、そんな会話をしていた。一方女子2人はというと…
アリサ「……」
ラウラ「……」
サラとクレアに挟まれてるキョウを睨んでいた。
アリサ(なんでかしら。2人に挟まれてるキョウを見てると、モヤモヤするわ)
ラウラ(キョウ…少しだらしないのではないか?何故だ…キョウを見ると胸が苦しい)
お2人お2人で、今の気持ちについて考えているようだ。そして、サラとクレアの言い合い(一方的にサラが言ってるだけ)は、1時間に及んだのだった。それが終わり、キョウはクレアが運転する車で空港に向かい、そこに迎えに来てたIGO所有の艦で本社に向かった。
IGO本社
キョウ「久々だな、ここに戻ってきたのは」
「お疲れ様です、キサラギ会長!」
上層部の連中が、帰ってきたキョウを出迎える。
キョウ「ああ。悪いがこの請求書をバリアハートの公爵家に送ってくれ。この音声付きのデータと一緒に」
「畏まりました」
データと紙を受け取った社員は、急いで戻っていった。
キョウ「今日はこのままここで一泊する」
「畏まりました。それでは、お食事のご用意をさせていただきます」
キョウ「頼んだ」
そしてキョウは、自分に部屋でもある会長室に入っていったのだった。
報告
活動報告に、新たにアンケートを書きました。それを見て皆さんの意見をいただき、参考にしていいのがあれば話に組み込もうと思っています。詳しいことはそちらを見てください。