「・・・知らない天井だ」
あるアニメの台詞を言ってみた。最も、天井どころか空すらないけど・・・
「起きたみたいですね」
「!?」
突然声をかけられて、慌ててその方を見る。すると、そこには天使の羽が生えた女性が立っていた。
(すっげ~美人!)
「…ありがとうございます///」
顔を赤くしながら、お礼を言う天使。
「あれ?俺声に出したっけ?」
「いえ、貴方の心の声は聞こえますので」
「マジですか・・・」
物凄い事を言われた。
「ところで・・・ここは何処ですか?」
取り敢えず男は、気になってる事を聞く。
「ここは、天と地の境目です。死んだ人間が極稀にここに来ます」
「死んだ人間って・・・俺死んだんだ」
驚くべき事実を聞かされて、ショックを受ける。
「ですが、ここに来た人間は新たに別の世界に転生させています」
「別の世界へ転生ですか?」
「はい。ですが、既に転生している者がいる場所には転生出来ません」
となると、何処に行けるのか・・・
「それじゃあ、行先は貴方にお任せします」
そう言われて、女性は驚いていた。
「本当にいいのですか?」
「別にいいですよ」
「・・・分かりました。でしたら貴方には、特別な特典を3つ授けます」
「3つもですか?」
その言葉に、今度は男の方が驚いた。
「はい。本来なら、行きたい世界を選んでいただいて、その後に1つ特典を授けています。ですが、貴方は転生する世界を私に一任されます。その代わりに特典を増やさせていただきました」
「なるほど・・・」
そう言われて、どんな特典を貰うか考え始める。暫く考えて、ようやく決まる。
「決まりました」
「でしたら、仰って下さい」
「一つ目は《トリコ》の能力。それと転生先に、トリコの食材を出してほしいです」
3つの特典を女性に伝える。
「分かりました。トリコは全キャラの能力でよろしいですか?」
「お願いします」
「でしたら、トリコの世界のグルメ食材はこちらでオマケに授けます」
その言葉に、驚きを隠せなかった。
「いいんですか?」
「はい。トリコの能力を選ばれたなら、グルメ細胞を進化させないといけませんので」
「ありがとうございます」
「二つ目と三つ目はどうしますか?」
「どうしようかな…」
ぶっちゃけ、ほとんどはトリコの技で乗り切れそうだと思う男であった。。
「…保留ってできますか?」
「保留ですか?」
流石に、今すぐには思いつかない。なので、保留にさせてほしい。
「…分かりました。もし思いつきましたら、向こうの世界での連絡手段で連絡出来るようにしておきますので」
「分かりました」
「それでは、新しい世界へ転生させていただきます」
そう言うと、足元に魔法陣が出現する。
「それと注意事項ですが、トリコの食材等を入れるので、当然ニトロも存在します。それと、貴方の力が強力過ぎますので、ノッキングマスター次郎に施されているノッキングをしておきます」
「分かりました」
「一応ノッキングは、自分で解除できますが、全て解除した状態になれば、はっきり言いまして八王ですら太刀打ちできません」
「…はっ?」
女神の言葉に、男はスットンキョウな声を出す。
「簡単に言えば、貴方が本気の状態で地面にパンチすれば、簡単に崩壊します。敵も、ワンパンで倒せます」
「ワンパンって…完全にワンパンマンのサイタマじゃん。やだよ俺、ハゲるのは」
「それについては、此方でデメリットがないようにしておきます。ですが、貴方を信じていますので、力の使い方には充分気を付けてください」
「了解。まぁ、人間界だけなら、ノッキングしたままでも充分通用するし、大丈夫でしょ。グルメ界に入っても、一部解除程度で済むと思いますし。流石に修行はしておかないとね」
そんな話をしていると、男の体がどんどん消えていく。
「時間ですね。それでは、新しい人生を楽しんでください。神のご加護がありますように」
そして男は、その空間から消えたのであった。