さあ、泥濘の日常は燃え尽きた。
魔術師たちによる生存競争。
運命の車輪は回る。
最も弱き者よ、
その命が育んだ、己の勝ちを示すために・・・・・・
1.awakening/progrmized heaven
空が焼けている。
家が熔けている。
人は潰れている。
路は途絶えている。
これが、戦いの源泉。
これこそが再起の原風景。
そこで「私」は、ただ一人生き延びた。
忘れるな。
地獄から「私」は生まれたのだ。
その意味を、―――――――――――。
どうか・・・忘れないでくれ・・・
・・・・・・そんな何かが欠けた夢を見た。
あぁ...目が覚めた、という事は私は死んだのだろうか?
ここは学校の保健室に見えて来る...。
誰かに運ばれたんだろうな。
全てはきっと夢だったんだ。
あの人形も、その人形に殺される私も、最後に聞こえた声も・・・・・・
全て夢だったんだ!!!良かった!!!
「
・・・・・・・は?
「傷は完治しているようで良かった。君は一度死んでしまったからね。蘇生はそんなに大した事は無いんだけど、身体は動く?もう痛くはない?」
え?え、ええ。
まあ一応痛みもないし、身体は動く...。
「それは良かった!それじゃあ朝食は如何する?」
朝食・・・・・・・の前に、お前は誰だ!?
何でベットの横に、突然現れたんだ!?
「僕?僕は君のサーヴァントだよマスター。君が生きる事を諦め、眠りについたときに僕がやって来た。サーヴァントだから霊体化出来るんだよ。こんな風にね。」
目の前で消えたり現れたりを数回繰り返すサーヴァントと名乗った
この真っ黒な男。
「ま、真っ黒は流石に酷いよマスター。服装が黒いだけで僕は黒くない!」
黒のロングコートを纏っている青年?らしきサーヴァント。
ロングコートだけでなく手袋や靴、そのほかの服装も全部黒。
真っ黒と言わずなんという?
「あ、案外逞しいんだね。僕のマスターは。」
ところで、さっきから気になっていたんだけど、
そのマスターとかサーヴァントって何?
流行りですか?
「うん全然違う。もしかしてマスター...聖杯戦争も知らない?」
もちあたぼうよ。
全く持って知らないです。
「ある意味凄いマスターを僕は救ったのか・・・。まあいいか。育てがいのある人材は好ましい。マスター。君は聖杯を聞いた事があるかい?」
聖杯ってあの杯の事だろうか?
アーサー王伝説にも出て来る奇跡を起こす聖遺物の事?
「まあ本物が実際にあったのかは知らないけど、ほとんどが偽物だったって聞くな。
でも偽物でも人の願いを叶える力を持っていたら、それは偽物だろうと、聖杯なんだよ。過去にね、魔術師達がそんな聖杯を巡って殺し合った。その名を聖杯戦争って言うんだ。」
成程・・・今回もそんな殺し合いが?
「いいや。この戦いは、聖杯戦争を模した戦いみたいだ。
聞いた事の無い単語だけれど、私はそうなのか?
でもどうして殺し合わなければならないんだ?
「それは必然だよマスター。勝者が居れば敗者が出来るのと同じ。戦争で負けた者は死しか待ってはいない。この聖杯戦争では勝者は進み、敗者は全てを失う。全ての戦いを勝ち抜き、最後の一人となった者だけが、聖杯を手にする・・・と言うものだよ。」
余り理解はしたくないけれど、大体は理解した。
どこでそんな戦争に巻き込まれたのかも不明だが、
参加してしまった、と言うか。
「まあ。聖杯戦争についてはそんなところかな。じゃあサーヴァントについては・・・・・・」
知っていると思いか?この黒サーヴァント。
知っていたらあんなに驚かなかったぞ?
「その節はすいませんでした。えと。サーヴァントはね、聖杯戦争でマスターを勝たせる
まあ使い魔の様なものだ。僕は違うんだけど、生前に名の馳せた英雄は死後も信仰され、英霊になる。その存在を聖杯の力でこの世に再現したのがサーヴァント。サーヴァントは基本的に戦士だ。マスターを守り、その力となる。」
それじゃあ・・・あなたもサーヴァントなの?
見た目は服装黒いだけの人間にしか見えないけれど・・・
「僕みたいなサーヴァントも居るって事だよ。サーヴァントは元となった地上の聖杯戦のルールに従って、7つの
お、多いな・・・。
「分からなくなったら何度でも聞いてくれて構わないよ。話の続きだけど、クラスは英霊にとっての軽量化だ。生前の力を全部搭載したらすぐに容量オーバーになるからね。クラスに似合った英霊の力を摘出して形にする。セイバーだったら剣を主体に戦うようにね。」
へぇ~・・・それじゃあお前は一体どのクラスに居るの?
見たところ全部当てはまりそうにないけれど・・・。
もしかしてセイバーとか?
「外れ。」
え?
じゃあアーチャー?それともキャスター?
「どれも違う。僕は随分と変わってるサーヴァントみたいでね、マスターを一度蘇生させた所為なのか知らないけど、
おいちょっと待て――——————なんだそのクラス?!
お前七つとか言ってなかったか?!
随分と違う・・・いや違い過ぎて驚くクラスなんだけど?!
「でもステータスは悪くないんだよ?それで許してよマスター。」
サモナー・・・性格はとても良い。
寧ろその性格に若干イラッと来るぐらい性格は良い。
だが・・・頼もしさよりも不安の方が勝っているのは悲しい事だ・・・。
サーヴァントのステータスが更新しました。
マスター:岸波白野
真明:???
クラス:サモナー
身長:不明/ 体重:不明 / スリーサイズ:不明 / 血液型:? / 誕生日:?/ 属性:秩序・?
パラメータ: 筋力:? / 耐久:? / 敏捷:? / 魔力:EX / 幸運:? / 宝具:不明
保有スキル:蘇生:EX /
蘇生:Ex
万物の理を覆す能力。
ランクEXともなれば蘇生ではなくそれは創造に等しい。