魔法少女リリカルなのはStrikerS ENEMY Side 作:トータス
取敢えず、書けた、出来た。
だからそのまま・・・こうなったのではないか、こうなるのではないかと・・・
ハジメテノ、遊園地?
今日は遊園地とか言う所に行く筈だった!
でも、急な任務が入ったとかで・・・中止!
ヴィヴィオ姉は友達の所へ遊びに行っちゃった!
イーモン、イーモン!
姉(ネェ)達の所に遊びに行くから!
そんなこんなで、海上隔離施設へ・・・
・・・ ・・・
海上隔離施設
一寸、デュオに元気が無い様に見てとったウェンディ。
早速その事を聞いて見る事に・・・
「ん? どうしたッスか?」
【・・・遊園地ッテ何?】
「え!? ゆ、ゆうえんち?
ゆうえんち・・・さて、何だろ?」
任務と戦闘と自分達の事以外は、特に関心も無く共有していない為、その手の事については疎かった。
「んー、私は知らないから、チンク姉に聞いて見よう!」
そんなこんなで、ここに居て一番活動期間が長く、頼りになるだろう姉の元へ。
・・・ ・・・
「ああ、遊園地か、確か・・・」
記憶の端から引っ張り出すかのように、思い出そうとするチンク。
「大人がヘトヘトになり、子供が絶叫する所だったかな?」 =間違ってはいない?
うろ覚えな上、チラッと遠目に目にした時の状況を並べて見たらしい。
「えー? それじゃ分かんないッス!
もっと具体的に!」
「そうは言ってもだな・・・
行った事が無いモノには・・・」
ジーッと、デュオから期待を込めた目で見られ、更なる記憶を掘り返す事に・・・
「確か、レールが有ってその上を高速で走るモノがあったな。
他にも、数十メートルから落下する装置だったか?」
「フンフン、他には?」
それらをメモして行くウェンディ。
「あー、ゆっくりと回転する巨大な歯車があったかな?
遠心力で回る椅子が・・・」
「他には?」
「ん? 他か、後は・・・ああ、モグラ叩きとか言うモノが有ったか。
地面からピョコピョコ出て来るモノを叩くのだったか?
・・・そこまでかな?」
「うーん、兎に角。遊ぶ所だってのは判ったッス!
後はこれを実行出来れば・・・!
・・・えへへー!
良い事思い付いたッス!
ノーヴェ! 一寸こっちへ!」
「ん? 何だよそんな大声出して」
一寸離れた所で、こちらの様子を伺っていたノーヴェは、何事かとこっちへ来た。
「デュオに遊園地なるモノを体験させてあげるッス!
その為には、ノーヴェの力が必要ッス!」
そう力説するウェンディ。
「あ? あ、ああ」
事態が呑み込めないが、取敢えず生返事を返すノーヴェ。
「で、何をすればいいんだ?」
「えっと、ジェットエッジは・・・流石に無理ッスね・・・何か代わりになるモノは・・・」
「だから、何を?」
「うーん、・・・台車なら?
でも、安全性が・・・イヤイヤ、ここは姉として私が身を張るべきッス!」 =本心は自分も楽しみたい?
「だから! 何をすればいいんだよ!」
「台車ッス! 台車を手に入れるッス!」
そんなこんなで、急遽台車を借り受けた?
「えへへー! コレを使ってノーヴェのエア・ライナーを走るッス!」
「は? コレを?」
「私がデュオを抱えて台車に乗るから、それを押して走って欲しいッス!
全力で!」
「・・・今一、ワケがワカンネェんだけど」
「いーから、先ずは試してみるべきッス!」
そんなこんなで、台車の上に胡坐をかいたウェンディの上に座らされ、抱えられた。
そのまま、全力で走り出す事に!
作られたレールの上を、縦横無尽に全力で走り回るノーヴェ!
「うひゃー! 思ったより怖いッス!」
【キャー! ギャー! ・・・ワーイ!】
デュオも、最初の内は楽しんでいたが、思わぬ角度で曲がったり、落ちたり、昇ったり・・・
途中、怖くもなったが、段々と慣れて来た?
「それソレそれー! まだまだ行けるぞー!」
その事に気が付き、悪乗りするノーヴェ。
「ちょ、一寸、タンマー!」
流石に、長い時間乗り続けるのは疲れたのか、ウェンディの方が音を上げた・・・
「あん? まだまだ行けるぞ? ソレー!」
「や! 流石に手が・・・あ!」
丁度、上下が逆さまになり、手が外れたと同時に、落ちた。
「うわわ!」
「え!? ウェンディ!?」
【!?】
そのまま走り続けるノーヴェを後目に、落ちるウェンディとデュオだったが、直にロープで捉えられた。
「た、助かったッス。ディード、サンキューッス!」
「うん、大丈夫? じゃぁ、今度は私が代わるから・・・」
「は?」
そんな事を言い出すとは思いもしなかったが、更に・・・
「・・・ボクも」
オットーも傍に控えている。
「アタシもー!」
セインも現れた!
「あ、セイン姉には別の事をお願いしたいんだけど・・・」
「え、何々!? 何でも言って!」
「えっと、デュオを抱えて自由落下!」
「は!? ・・・ああ! そう言う事!
判ったよ!」
次は上空からの自由落下を経験する事に?
途中、バンジージャンプ・モドキにも・・・
「な、何をしているんだ!」
流石にそれは不味いと、チンクから一喝された!
「えー? 大丈夫だよ? 離さないから」
と、セインが応えると、
「ま、まぁ、そうだろうが、万が一という事もある。
まずは私が検証してからだ! 良いな!」
そうチンクは宣言をした。 =実は、自分もやってみたい?
「「「はい」」」「「はぁい!」」
そんな風に気軽に返事を返すと、一人だけジーっと見てるだけの相手が・・・
【ディエ姉モ、スル?】
「え? ウウン、私は見てるだけで良いから、楽しんでおいで?」
そう促すが、
【・・・ディエ姉、一緒! アソボ!】
「・・・良いよ、私は・・・」
そう断ろうとするディエチ。
「えー? ディエチも一緒に楽しむッス!」
ウェンディは更に誘いを掛ける。
「ソーソー、これからは色々と楽しまないと!」
大いに楽しんでいる風情のセイン。
「ああ、これ、結構楽しいぜ!」
ノーヴェは既に面白さに目覚めた?
「さ、先ずは試してみてからでも」「遅くはないかな?」
ディードとオットーも勧めて来た。
【ジャ、ディエ姉! ヤッテ!】
と、デュオが背中を押し、台車へ座らせ、その上に腰掛けた!
「え!?」
「じゃぁ、行くぞぉー!」
【オー!】
一気に走り出すノーヴェ!
それに何とかしがみ付くディエチ! デュオをシッカリと抱えても居る!
更にディエチにしがみ付くデュオ!
【キャー!】
「キョワワ、ウェア!」
つい、奇声を発してしまった・・・
スナイパーとして、発達したバランス感覚を持つディエチには、その揺れは致命的だった?
酔ってしまった様だ・・・
・・・ ・・・
横たわるディエチに対し、
「わ、悪かった!」
ノーヴェが謝っている。
【ディエ姉、大丈夫?】
「うん、大丈夫。
一寸酔っただけだから。
落ちたり昇ったりするのは良いんだけど、あそこまで揺れちゃうと・・・流石にね」
そんなこんなで、年齢制限が掛るであろうモノを、早くも体験したデュオであった・・・
・・・ ・・・
その後、ゲンヤが現れ、一緒に帰りましたとさ・・・
・・・ ・・・
後日、改めて遊園地へ!
ライトニング分隊の任務として! =強引にこじつけた!
平日に付き、ヴィヴィオ姉は学校へ・・・なのはママはズル休みを認めず・・・
「さぁ、遊園地に着いたよ! 遊ぼうね!」
そうフェイトが促すが、
【ワー?】
そんなにテンションが上がらないデュオ。
その事を疑問に思うキャロとエリオ。
「? どうしたのかな?」
「えっと、遊園地だよ?」
【・・・アレガ?】
指差す先は、ジェットコースター。
「えっと、何か、違った?」
【・・・オソイ】
「へ? ど、どうしたのかな?」
【モット早カッタ! ノー姉!】
「「「???」」」
一寸意味が掴めなかった様子のライトニング。
【セイ姉ノ方ガモット、コワイノ!】
デュオは、更に落下系の乗りモノを指差す!
「えっと、デュオ。
アレはまだデュオには乗れないから、もっと別のに乗ろうね!」
何となく、スカリエッティの所に居た事で、それ以上のモノを体験しているのだと勘違いするフェイト。
可愛い系? のメリーゴーランドや、ティーカップなどの乗り物へ誘導し、大いに楽しませた。楽しんだ!
・・・ ・・・
ふと、係員が慌てた様子で周囲を走り始めた事に、フェイトは気が付いた。
「何か、有ったのかしら?」
「え? あ・・・」
「何でしょう?」
エリオとキャロも、その不穏な雰囲気に気が付いた。
「何かが、起きているのかしら?
エリオとキャロは、デュオを見ていて貰える?
私が一寸、確認して来るから・・・お願いね?」
「「はい!」」
その事を何となく察したのか、
【何々? 何カアッタノ?】
「あ、デュオ。何か有ったかもしれないから、一緒に居ようね」
「うん、大丈夫だよ」
【オー?】
・・・ ・・・
途中、職員を捕まえ、
「管理局・執務官のフェイト・T・ハラオウンです。
お話しを伺っても?」
「! あ、ああ! 丁度良かった!
先ほど、この園内に爆発物を仕掛けたと情報が・・・」
・・・ ・・・
取敢えず、お昼になっていたので、テーブルのあるベンチでお弁当を拡げていた三人。
「・・・フェイトさん、遅いね」
「うん、何か長引いてるのかな?」
【オナカスイター】
その様子を見て、エリオから、
「うーん、取敢えず、先に食べてようか?」
「そうだね、何か有ったら連絡も入るだろうし。
さぁ、召し上がれ」
【イタダキマース!】
両手にサンドイッチを持ち、交互にかぶり付くデュオ。
キャロは、その口の端から零れるものを拭う。
その様子を見ながら、何となく楽しそうにポットからお茶を入れるエリオ。
兄姉が幼い弟の面倒を見ている様に、周囲の人は微笑ましく見守っている。
だが、そんな様子を邪な面持ちで見る者も・・・
・・・ ・・・
「・・・犯人からの、要求は?」
「誰も避難させるなと・・・黙って見ていろ、とだけ」
「それだけでは、如何にも防げない」
「! 新たなメッセージが、来ました! ・・・これは!」
「何と言ってきましたか?」
「そ、それが・・・フェイト執務官がその場を離れたら、爆発させると・・・」
「! 私を、知っている? それと、この場が監視されて?
・・・! だとすると、エリオ達が!」
・・・ ・・・
「ほらほら、そんなに零して・・・」
デュオの頬にお弁当が付いているのに気が付き、そっと取って、自然に食べてしまうキャロ。
その様子に、一寸見惚れてしまったエリオ。
【? ! アリガトー!】
「うぅん、気にしなくても良いよ」
して貰って、何となく気が付いた。
【ア! エリオ兄! ツイテル!】
「あ、ホント」
「え!? ど、何処に?」
口の何処かについていると思い、エリオは口元を拭って見るが、特に何も見当たらない。
「ああ、一寸ジッとしてて。エリオ君」
「う、うん!」
ジッとしているエリオの顔に、キャロの手が近付く。
ドキドキするのが治まらず、顔が熱くなるのが判る。
その手が、直ぐ傍に・・・その匂いが、微かに感じられた時、その手は上に伸びた。
「・・・へ?」
「あ、獲れた!」
【見セテー!】
そのキャロの指先には、テントウ虫が止まっていた。
「あ、テントウ虫?」
「うん、エリオ君の髪の毛に止まってたんだよ」
【キレー!】
「そ、そっか。はははぁ・・・」
何となく、期待してしまったエリオであった。
【ア! 忘レ物?】
隣に座っていた大人が荷物を置いて、席を立とうとした。
そのまま足早にその場を離れようとする。
「あの、すみません! 忘れ物ですよ!」
そう、エリオが声を掛けるが、声を掛けられた途端に、更に足早に!
「・・・エリオ君、何だか怪しいかも」
「う、うん! デュオを連れてここを離れようか?」
「一応、結界を張れる様にしておいた方が良いのかも・・・」
そんな事を話していると、爆弾発言が・・・
【エリオ兄、キャロ姉! バクダーン! 見ッケタ!】
「「デュオ!?」」
振り返ると、その客が置いて行ったであろう荷物を覗き込むデュオ。
更に、手を突っ込み弄っていた!
【エット、アット・・・トメタ!】
その発言と共に、ブチブチッと・・・何かを引き千切り、幾つかの色の付いたコードが掲げられた。
「ギャー!」「キャー!」「わー!」「ひー!」
阿鼻叫喚の坩堝と化した。
「デュ、デュオ?」
「と、止まったの?」
【止メタラ、ダメ?】
小首を傾げながら、尋ねるデュオ。
何やら弄っては駄目だったようで・・・
【・・・直スー!】
「ダ、ダメ! 直したら!」
「そ、そのままで良いから!」
【エェー?】
心底残念そう?
その後、犯人は直に捕まり、他にも爆発物が発見された。
地上本部から処理班が派遣され、その処理方法を聞き、それを確認された所・・・
あと少しで爆発したであろうと・・・
多少の混乱は避けられなかったが、ほぼ軽症で事足りた。
クー姉とチー姉直伝の爆弾処理方法だとか・・・
複雑な爆弾の構造と、爆発するだろうモノに関しては、徹底的に仕込まれた。
自分達のモノ以外のモノは全て、解体処理出来る位には?
パズル感覚で教え込まれた?
・・・ ・・・
思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
まぁ、六課のメンバーが揃っていれば、遊園地もどきが出来そうだと考えていた筈が・・・
何故か、この流れに・・・
ナンデ?
考えていたのとちょっくら、と言うかかなり違った・・・