魔法少女リリカルなのはStrikerS ENEMY Side   作:トータス

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とても子供っぽいです。
予想出来る方は有る意味、凄いかも?

季節外れではあるモノの、出来たのならばこれも有りかと。

子供のあ・の・ね? から着想。


ハジメテノ、クリスマス・プレゼント!

   デュオのとっても欲しいモノ?

 

 クリスマスを目前に、あるモノを獲得すべく奮闘する者達?

 

・・・   ・・・   ・・・

 

ヴィータside

 

「何だ! その気の抜けた様は! もっとシャキッとしろ! 堕とされたいのか!」

 

 いつにも増して声を荒げて叩き上げ、鍛え上げようと奮起するヴィータ。

 

「な、なぁ。何があったんだ?」

「さ、さぁ。クリスマスが近いからかな?」

「おい! 聞いたか!?」

「何が?」「何を?」

「ヴィータ教官、今年のクリスマスは何があろうと休みを取ったって!」

「へぇー」

「イヤ、普通だろ?」

「イヤイヤ、普通じゃないだろ。しかも、あのヴィータ教官がだぞ? 顔を真っ赤にしながらランジェリーショップから出て来たってんだから!」

「「・・・誰だ!?」」

「「俺だ!!」」

「「イヤイヤ、俺こそが!!」」

「・・・ほほぅ、誰がどうしただって?」

「「「「え?」」」」

 

 その声に恐る恐る振り返ると、ヴィータが別の意味で顔を真っ赤にしながら鬼教官に化けた。

 

・・・   ・・・   ・・・

 

フェイトside

 

「・・・うん、コレも行ってみようか」

 

 フェイトはティアナから提出された書類を熟読した上で、即座に判断を下した。

 

「ですが、まだ確証が・・・」

「うーん、私ももう少しだと思うんですが・・・」

 

 言い淀むティアナとその意見に賛同するシャーリー。

 

 その案件は、細かな証拠は大体掴み、ほぼ解決寸前ではあるが、決定的な証拠を掴みあぐね、泳がさざるを得ない。

 

「この件に関しては、私もそう考えるけど、大丈夫」

「ですが・・・」

 

 だが、それで言い(つの)っても判断が覆る事は無かった。

 

「ティアナちゃん、ティアナちゃん。フェイトさん、一寸焦ってるみたいだけど・・・」

「何か、そんな感じですね」

「何かあったのかな?」

「うーん、心当たりは無いんだけど・・・」

「なんだか、顔が赤いし、時々笑み崩れてたりする事と関係があるのかな?」

「・・・クリスマスも近いですし、何かあるのかもしれませんね」

「となると、異性の香り? ん~、となるとぉ、デュオ君にパパをプレゼント?」

「え!? フェイトさんに限って、そ、そんな!」

 

 

 後にこの判断は好機を掴み、決定的な場を掴む事にも繋がった。

 

 後に、この鬼気迫る仕事振りから、仕事の鬼との評判に?

 

・・・   ・・・   ・・・

 

シグナムside

 

 一点を指し示し「・・・続け!」と一言。

それに応える様に「「「オッス!」」」と短く返す者達。

 

 それだけで、ミッドチルダに根を張る犯罪組織は根こそぎ一掃された。

 

・・・   ・・・   ・・・

 

シャマルside

 

 シャマルは年末忙しくなる前にと、前倒しで大掃除を始めた。

 

「ふぅ、これで大体片付いたわね」

 

 シャマルが後ろを振り返ると、空になったベッドと、綺麗に片づけられた病室がそこにはあった。

 

 何があったかというと?

 掃除を開始し始めた途端に、続々と退院申請をし始める大勢の軽症患者達。

 何がどうした事か、著しい回復力を見せる重症患者達。

 決して、逃げ出した訳ではなく、自主的に退院しても問題無いのだと主張していたり?

 決して、身の危険、生命の危機を感じてレミングスの鼠の如く、逃げ出したのではない?

 

 狙ったわけでも、意図したわけでもないが、結果的には良好だった?

 

・・・   ・・・   ・・・

 

なのはside

 

「・・・ふふふっ」

 

 何かを思い出したのか、とても上機嫌で気も(そぞ)ろな高町教導教官。=注意散漫になっている

お花畑に居る様な幸せな笑顔を浮かべているが・・・

 

「し、死ぬ!」

「お、落ちるな! お前が落ちたら、次は俺達の番なんだぞ!」

「だ、誰か!」

「救護班を!」

「ふ、防げ! 次がく・・る・・・ぞ」

 

 なのはがふふっと笑顔を浮かべる度に、アクセル・シューターが無数に乱舞し、教導を受けに来た者達は撃墜されて行く。

 撃墜され、地に落ちたとしても安心している暇は無い。

笑顔が浮かぶ度、追い撃ちとばかりに無数に襲来する魔力弾。

 何時尽きるとも分からず、ただただ、逃げ惑う者達。

 そして、アクセル・シューターの有効範囲から逃げ切ったと思ったその時、超遠距離仕様の集束(終息)砲が止めとばかりに・・・刈り取って行く。

 

 なのはは花咲く様な笑顔のまま、最後までご機嫌で教導を終えたのであった。

後に語られたのは、地獄を見た、と一言。

 

 あの教導に比べたら、現場でなんぞ死ぬ筈が無い、と殉職率が大幅に減ったとか。

 

・・・   ・・・   ・・・

 

 時は遡り、保釈面談審査前。

 デュオはようやく様々な検査を潜り抜け、日常生活には支障が無いまでに異能を制御する事が可能となり、退院する事が出来た頃。

 

 

ミッドチルダの高町・ハラオウン家 

 

「あ、そうだ、ヴィヴィオ」

 

 なのははキッチンで片付けモノをしながら何気なくといった風を装い、隣で手伝いをしているヴィヴィオに声を掛けた。

 

「なぁに? なのはママ」

「ヴィヴィオは今、何が欲しいのかな?」

「え? なのはママ、どうしたの?」

 

 ヴィヴィオは唐突だったからか、少し手が止まったが皿を割るといった事も無く手伝いをしながら会話を続けている。

 

「もうじきクリスマスが近くなってきたから、サンタさんがプレゼントを選び始めるころかなって」

 

 学校にも通い出し、色々な行事(イベント)にも興味を示して調べているヴィヴィオ。

当然、クリスマスもサンタクロースも調べていたり。

 

「えー! そうなの!? だったら、なにがいいかな~」

 

 そんな事を言いながら、アレが良いか、いやいやソレも捨てがたいかな~と悩んでいる。

 

 その聞こえそうで聞こえない呟きを傍で拾っているレイジング・ハート。

その結果は、なのはの手元で優先順位を付けられ、リスト化されて行っている。

 

「デュオ。デュオは何が欲しいのかな~?」

 

 それとなくその様子を伺っていたフェイトも、膝の上に座っているデュオに尋ねている。

制御できると言っても、まだまだ無茶はさせられないからと、捕まえていたり。

 

【フェートママー。サンタサンッテ、ナァニ~?】

 

 グリッと上を向いて見上げ様とするも、柔らかなモノに阻まれてずり落ちそうになったが、フェイトに横向きに抱え直された。

 

「え? そっか、そこからだね。ええっと、赤い服を着てて、大きな袋を担いだお髭のお爺さんが良い子の元にプレゼントを持って来てくれるんだよ。デュオは何か欲しいモノは有るのかな~?」

【ン~ット、エット・・・! アッタ~!

ンットネ、デュオネ! 『    』ガホシーノ!】

「「え!?」」

「あ、私もソレが欲しい~!」

 

 なのはとフェイトが驚き戸惑う中、ヴィヴィオもそれが欲しいと思った代物とは?

 

・・・   ・・・   ・・・

 

八神家

 

【・・・・・・って事なんだけど、如何しよっか】

 

 ヴィヴィオとデュオが就寝後、なのはとフェイトは事と次第を八神家にも相談する事にした。

 

「「「え!?」」」

 

 余りにも意外な応えに、シグナム、シャマル、ヴィータは戸惑いつつも、顔を真っ赤にしながらアウアウと戸惑っている。

 

「ははぁ、ソレは・・・中々難儀やねー」

「わぁー! 素敵です~!」

「・・・ふーん。そっかー」

 

ハヤテはニマニマとした笑みを浮かべながら、脳裏ではその為の計画を練り上げ、リィンは両手を組んで目をキラキラさせながらその演算を助ける為にユニゾンまで敢行し、アギトはアギトで興味なさげだが、シッカリと聞き耳を立てている。

ザフィーラは、ほぅ、といった風情で感心していたり。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 その後、嘆願書を(したた)め、サンタクロース(ラルゴ・キール)の元へ。

 

「ほっほっほ! 面白そうじゃな!」

「あらあら、まぁまぁ、とっても素敵ね!」

「ほぅ、それは良い事だな。応援させて貰うとしよう」

 

 

・・・   ・・・   ・・・

 

 

 クリスマスの朝。

ヴィヴィオの枕元には、欲しかったプレゼントが置かれ、デュオの元には・・・?

 

 早起きをしたリィンは、窓辺に様々な雪の結晶の模様を描き続け。

 即席と思われる暖炉・・・に見える、段ボール仕立ての暖炉モドキの中で赤々としたアギトが寝ながら部屋を暖め。

 ハヤテは勝手知ったるキッチンで皆の代わりに朝食を。

 ザフィーラはずり落ちた毛布を掛け直したり。

 

 なのは、フェイト、シグナム、シャマル、ヴィータは、疲労困憊といった様子でリビングに布団を敷いて、子供達=ヴィヴィオ、デュオ、キャロと一緒に仲良く眠っていたとさ。

 

 

 デュオが何を欲しがったのかって?

 

【ママト一緒ノ時間ガ欲シー!】

 

 なのは、フェイト、シグナム、シャマル、ヴィータは、仕事仕事で一緒の時間が少なくなっていた事を痛感させられたのであった。

 

「「「「「プレゼントは、ワ・タ・シ♡」」」」」

 

 もちろん、玩具も貰っているけど、何よりもママはアナタと一緒の時間が何より大事! といった具合に遊んで貰ったり、構って貰ったり!

 

 クリスマスは丸一日、ヴィヴィオとデュオが疲れきって寝てしまうまで一緒に過ごしましたとさ。

 

 

 なのは達が何で疲労困憊なのかって?

留置場から脱走してでもプレゼントを用意しようとする某科学者をとっ捕まえる為である。

 

 ちなみにエリオは夜、眠れなかったとかで、ほてりを冷ましに眼を真っ赤にしながら外へ早朝マラソン?

 

・・・   ・・・   ・・・

 

番外・ユーノside?

 

 クリスマスを目前に控えた無限書庫で、ユーノはいつもとは違った様子でなのはの前に立った。

 

「な、なのは、今年のクリスマスの予定は?」

「うん! 今年はお休みを貰ったの!」

 

 とてもウキウキした様子のなのは。

 

「へ、へぇ~、珍しいね」

 

 一寸予定とは違ったが、後ろ手に持ったシャンパン(ノンアルコール)とシャンパングラス×2は無駄にはしないぞ、と心に決めたユーノ。

 

「えへへぇ、プレゼントはワ・タ・シ♡ だからね~♡」

「え!?」

 

 ついに、十年越しの夢がここに!?

 

「デュオがね、クリスマスプレゼントに何が良い? って聞いたら、私達と一緒にいる時間って♡ ヴィヴィオもそっちが良いなぁって♡」

 

 と思っていたのも束の間、現実を突き付けられたユーノであった。

 

「そ、そうだったんだ・・・良かったね。なのは」

「うん! それで、ユーノ君は何の用だったの?」

「え? あー、その」

 

 そっと、壜を掴んでいる手()()を差し出す。

 

「子供でも飲めるシャンパンで良いのが手にはいったから、どうかなって」

「うわぁ! ありがとう! きっと二人も喜ぶと思うよ!」

 

 その笑顔に、ホント子供には敵わないなぁと思いつつ、クリスマスは涙酒になるのかなぁ・・・と落ち込んでいる。

 

「じゃあ、ユーノ君もこの時間に来てくれるよね」

「!? う、うん! 必ず行くよ!」

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

クリスマス前夜(イブ)

 

「うぅう~」

「泣くな、ユーノ」

「まぁまぁ、聖なる夜に涙は似合いませんよ」

 

 嘆くケダモノを宥めている着グルミーズ。

 

「・・・そう言うクロノはどうして外に?」

「この恰好を見れば分かるだろ」

「さぁー、如何してだい?」

「・・・サンタが家の中に居たらおかしいって、外に」

「はっはっは! それで時間を潰しにか!」

 

 片手で顔を覆う様に笑っているヴェロッサはトナカイの格好をしている。

 

「ヴェロッサ、お前は?」

「・・・犬ぞりです」

「サンタさんは?」

「・・・シャッハ」

 

 とそんな風に答えていると。

 

『・・・ロッサァー! 何処に行きましたか! 出てきなさぁーい!』

 

 と、クリスマス仕様なバリアジャケット=パレオサンタなシスター・シャッハがヴェロッサを捜していたり?

 

「「ここにいますよー!」」

「な!」

 

 声を揃えて外のシャッハに呼び掛けた二人。慌てふためくヴェロッサだった。

 

「呼んでますよ、ヴェロッサさん」

「ココにいましたか、ロッサ。院で私達を待ってる子供達が居るんです。行きますよ」

 

 そう言ってドナドナと引き連れて行かれたヴェロッサ。

 

「サボるな、仕事だ。さて、そろそろオレも帰って良いかな」

 

 クロノも後に続いて家路に付く事に。

 

 

 何故、ユーノが泣いていたかって?

 クリスマスプレゼントのぬいぐるみに紛れてフェレットモードでお泊まりするつもりだったユーノ・・・クリスマスパーティーが終わったら、フェイト、シグナム、シャマル、ヴィータ、ハヤテに「O・Ya・Su・Mi」とばかりに外に・・・摘まみだされた後だったから?

 

 

 その後?

 

「アレ? ユーノ君は?」

 

 なのははウトウトし始めた二人の歯磨きをしていた為、その場に居合わせなかった。

 

「ん~? 帰った」

「お仕事が残ってるからって」

「明日も早いからって」

「まぁ、無理してたみたいやったし、引き留めるんはなぁ?」

「うむ、赤い顔をしている様だったしな」

 

 そう言われ「う~ん、そっか」と納得した様子のなのはであった。

 

 エリオ?

真っ赤な顔をしながらアウアウとうろたえていた。




クリスマス休暇を獲得すべく奮闘するなのは達!

如何でしょうか?
大人向けなプレゼント。

 プレゼントは、ワ・タ・シ♡

でも、実は小さな子供向きのプレゼントでもあるのかなと。
好かれていないと通用しない・・・かもしれない?

親が働いてばかりで、子供が寂しい思いをしているのでは?
ならば、こんなプレゼントも素敵で良いのでははないだろうかなと。

お金で買える幸せもあるが、お金には替えられない一時こそが、子供にとって何よりの幸せでもあるかと。


そうであれば、余りの寂しさから不幸であると悲観し、自ら命を断つといった、防げる不幸もあったのではないのかなとの思いから。

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