魔法少女リリカルなのはStrikerS ENEMY Side   作:トータス

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有っても無くても構わない様なお話ですが・・・

こうなったかなと、思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・
あくまで、想像上の出来事です。
書けたからには、出してみようかと・・・

実際に現物を目にしたモノも一つ・・・


Mimic!? Side
保釈審査・面談


保釈審査・面談

 

 

 そこには、伝説の三提督が揃っていた。

 

「さて、引き取り手や後見人がここまで豪華だと、凄い事だね」

「ふむ、引き取り手は、執務官のフェイト・テスタロッサ・ハラオウンか・・・

その後見人として、教導教官の高町 なのは、機動六課部隊長の八神 ハヤテ」

「リンディや、グレアムの名もあるな」

「さてさて、それだけの相手を魅了しつつ、これだけの事をしたんだ。

どれほどの相手だろうね」

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 そうそうたる面々に囲まれているデュオ。

退院を前に、面談する事が急遽決まった。

 

「良い? 変なことしたらダメだよ」

 

 クキュ?

首を傾げつつ、その変な事とはどんな事が該当するのか考えて見るが、答えは出ない。

 

「聞かれた事にはハッキリと応えるの」

 

 コクコク!

 

「取敢えず、そんなに怖い人達じゃないからね!」

「そうだぞ。気の良いジーちゃんバーちゃんだからな」

「失礼が無い様にな」

「そうや、イタズラしたらアカンよ!」

「ハヤテェ、流石にそれは無いんじゃないか?」

「そう断言、出来るか?」

「・・・ゴメン、出来ねぇ」

「兎も角、正直に応えれば変な事には成らない筈だからね!」

 

 そう言って送り出された・・・

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

「デュオ・ジェイル・スカリエッティ。入りなさい」

 

 厳かで、威厳のある声が扉からした。

言われたとおり、扉を開け様とするが・・・手が届かない。

 

 仕方なく、ドアノブに跳び付いて見た!

ドアノブには手が届いたが、今度は足が付かない・・・

壁を蹴って、開ける事は出来た。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

「・・・如何したのかしら?」

「はて、何か有ったかな?」

「さてはて、如何したか?」

 

 一向に入って来る気配が無い事をいぶかしむ提督達。

ドアノブの位置が高過ぎるとか、その辺は考えが及ばなかった。

 

 審議をする場な為に、様々な所がローテクに設定されており、自動ドアにされていない事が原因。

盗聴・盗撮の予防の意味合いもある。

 

 そっと外から中を伺う小さな人影。

 

「あらあら、こっちへいらっしゃい」

 

 トテテテテトテト・・・じー、じー、じー!

 

 途中で歩みを止め、何やら見ている。

 

「如何した? 何か、怖いのかい?」

「ふむ、初めて見る人だから警戒しているのかな?」

「ほら、怖くないわよ」

 

 トタタトタトタトトタトタト・・・

 

 三人の机の前まで来て、立ち止まった。

 

「あらあら、可愛らしい子ね」

「ふむ。坊や、お名前は?」

【デュオ・ジェイル・スカリエッティ】

「・・・良い子じゃないか。

では、これから君の身柄をどうするか、話し合う事になっているんだが・・・

何か質問は?」

 

 じー、じー、じー!

 

【オジーチャンノオヒゲ、本物?】

「あらあら。ラルゴ、御指名よ」

「む? う、うむ! そ、それは・・・」

 

 じー、じー、じー!

期待に満ちた目に見つめられ、何と応えるべきか迷っている。

 

【ラルゴ、判っているだろうが、ここは子供の夢を壊すべきでは無いぞ】

【そうよ、ここで子供を泣かせては、後々まで言われてしまうわよ?

怖いお爺さんだったって】

【ええい! そんな事は言われんでも!

そうじゃ、本物じゃよ。

どうじゃ、触ってみるかい?」

 

 コクコク!

 

 えっちらおっちら机をよじ登り、膝に腰掛け髭に触る。

 

【・・・ファファ!】

「あらあら、気に入られたみたいね」

「はっはっは! そうじゃろそうじゃろ!」

「ふむ、悪い子ではない様だな」

 

 それを微笑ましく見るミゼット議長。

ご満悦なラルゴ元帥。

硬い表情だが、見るべき所を見ているレオーネ相談役。

 

【オジーチャンハ、サンタサンナノ?】

「む? そうじゃなぁ・・・そうとも言えるかのう」

「あらあら、すっかり好々爺ね」

「ラルゴ、骨抜きにされてどうする。

今は審議の場だぞ」

「何じゃ、レオーネ。

相手にされんと寂しいのか?」

 

 それに触発され、つい声を荒げてしまうレオーネ。

 

「な! 何を言う!」

「ふぉっふぉっふぉ! 悔しかったら、自分の所へも来て貰え。

お前の顔は険しいから、寄って貰えんかもしれんがなぁ」

「くっ! 言うに事欠いて・・・ならば。

ほら、こっちにもおいで、美味しいお菓子を上げよう」

 

 そう言ってお菓子をちらつかせ、呼んで見る。

 

【チョーダイ!】

 

 駆け寄るデュオに、お菓子を渡しつつ、頭を撫でるレオーネ。

 

「はっはっはっ! お前の魅力はそこまでの様だな」

「ぐぬぬ! なにおう! モノで釣るとは! お前はそれでも法務顧問か!」

「何を言う、この世は常に飴と鞭に決まっている」

「良し、ならば、お爺ちゃんとジャンケンをしようか。

じゃーん、けーん」

 

 そう言って、こちらに注意を引き、徐に口元へと手をやり、

 

「ぽん!」

 

 と、同時に、入れ歯を目の前に出して見せ、直に口へと戻して見せた!

 

【!? !? !!!】

 

 直に、ラルゴの元へと駆け寄るデュオ!

 

「な! 汚いぞ!」=衛生的に? それとも、手段が?

「あらあら!」

「ふぁふぁふぁ!」

 

 口をもごもごさせながら、得意げな顔をしているラルゴ。

その口に手をやり、どうやったのかを一生懸命に弄るデュオ。

 

「まぁまぁ、余りそんな事をしては駄目よ」

 

 そう言って、引き剥がされ、膝の上に載せられ、おしぼりで手を拭かれた。

 

「大人気が無いわよ二人とも」

「「だが!」」

「ふふふ、でも、もう意見は纏まったみたいね」

「む?」

「まぁ・・・問題は無いな。スカリエッティの奴も、全て自分が指示・誘導したと証言しておるし。

それを覆すには、余りにも証拠が足りなさすぎる」

 

 

《全て私が指示し、実行させた!

だから、責は私が全て引き受ける!

あの子には、何の咎も及ばない様にしてくれ!》

 

 スカリエッティはそう言い切り、一貫してそれを貫いた。

その後の事や、取引として使えるだろう事を並べ立ててでも、そうさせようとしていた。

 

 

「ああ、庇っている事は明白だが、あそこまでされたらな」

「じゃあ、決まりね」

「だが、大分時間が余ってしまったな。

短時間で決めては何だ、もう暫くこの爺婆と遊ぼうか」

【ワーイ! アソブノー!】

 

 そんなこんなで、審議は終わったものの、扉が開いたのは大分後だった・・・

 

 その審議の内容は、厳重に封印され、極秘書類として保管される事に・・・

時空管理局の面子に掛けても、表沙汰に出来ない?

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

 それまで、ヤキモキしっぱなしの面々・・・

 

「やっぱり、私も付いて行くべきだったかしら・・・」

「フェイトちゃん。流石にそれは駄目だよ」

「信じて待つしかないんよ。ここで我慢せな、後々に響くで」

「・・・それにしても、長いな」

「ああ、長引く事は有ると思うが、それにしても・・・」

「信じましょう。あの子を・・・」

 

 実はとっくに審議は終わり、中で遊んでいるとは思いもしていない・・・

 

「あ!」

 

 そっと、扉が開き。

書記官が出て来た。

 

「あの・・・」

「審議は無事終了しました・・・ブフッ!」

 

 何やら思い出したのか、咽ている。

 

「し、失礼! 中々・・・時間が掛ってしまい。

途中で寝てしまったので、お引き取りを」

「あ、はい!」

「えっと・・・」

「取敢えず、デュオを連れて行かんと」

 

 中を伺うと、何やら腰を抑えている武装隊栄誉元帥。

肩を廻しつつ、草臥れた様子の法務顧問相談役。

微笑みながら、デュオを抱いている本局統幕議長。

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

思い浮かぶがままに、思い描けるがままに・・・

 

 

   ・・・   ・・・

 

 

審査・面談後

 

「デュオ、何をしたのか、教えてくれるかな?」

 

 真剣な表情で、フェイトは尋ねた。

 

「うん、そうだね。どんな事を聞かれたのか、なのはママにも教えてくれる?」

「あー、これは・・・一寸菓子折りの一つでも持って行くべきやったか・・・」

「主、それでは収賄に当たってしまいます」

「うぉぉお、何が有ったんだよ・・・」

「ど、どうしましょう!?」

 

 中の様子が判らなかっただけに、結果が危ぶまれる。

 

【ンットネ、ジャンケンシテ、オ口ガポーン!】

 

 しばし沈黙が流れ、意味が判らなくなった。

 

「えっと、誰のお口が?」

 

 取敢えずは、混乱しつつも更に聞いて見るフェイト。

 

【オ髭ノジーチャン!】

「ラルゴ元帥やな、なんつう事をー!」

「他には?」

【オ馬サントー、高イ高イヒコーキ!】

「「「「「「・・・」」」」」」

 

 もう何をして来たのか、聞くのが怖くなったらしい。

 

【アトネ、アトネ、オバーチャンガ、面白イ顔シテクレタ!】

「ミ、ミゼットバーチャン! 何をしたんだ!?」

【クワァーッテ!】

 

 何があったのか、知らないままにしようと決めたとか・・・

 

 

 この後、正式に養子縁組が執り行なわれた・・・

デュオ・S《スカリエッティ》・ハラオウンと・・・




 ジャンケン入れ歯は、実際に行われた事がある。
今は亡き、私の祖父の必殺技だった・・・
生涯で一度だけ、繰り出された必殺技である。

 ジャンケンを覚え立ての私にのみ、繰り出された。
見たのもやってくれたのも、私にだけだった様なのだが、未だにハッキリと思いだせるほど、鮮明に焼き付けられた。
 私には到底真似できるモノでは無く、する事が出来るかすら不明な必殺技である!

 想像して欲しい、グーでもパーでもチョキでも無く、入れ歯が出て来たら、何を考えたらいいのかを・・・
勝ったかどうかすら吹き飛んだ!
驚いた時点で、こちらの負けな気もするが・・・


次回 美々雄君とイチゴちゃん? 登場?


出来れば、ENEMY Sideについて、一言お願いしたいのですが・・・
面白かったか、これはこれで有りだと考えるのかなど・・・

更新速度に関わります。

否定的だと、凹みます。
好意的だと、変わりません。

浮かぶモノは、浮かぶがままに・・・
沈む時は、沈むがままに・・・

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