評価の欄の言葉でカチーッンとくる言葉を受けて勢いで書き上げた。ムシャクシャしたが反省はしない(u_u)
ということで本日もまた投稿。
それと謝る点を2点。
1つはグレモリー邸まで行かなかった(u_u)
あと知識はアニメと他の方のSSのみなんでここから少しずつ原作とずれてくるかもなんでご了承を。
2つ目は前話にて最後に出て来た眷属の口調に誤りがあったため微妙に修正しました。
このキャラ出すこと決めてたけれど、口調があってるかやや不安もあるため、口調が違う、などあればご指摘お願いします。随時直すので(u_u)
ではではどうぞ。
「ん……おにいちゃん………久しぶり」
ユウと同じで口数や感情の少ない義妹はそう言ってチャームポイントであるニ本のアホ毛をピクピクと高速で動かしている。
それはまるではやく撫でてと催促しているかのようであった。
そんな彼女の頭を静かに撫でる。
すると彼女の頬が髪や瞳と同じく紅色に染まっていく。
会うのはリタと同じく久方ぶり。
こうして彼女の頭を撫でるのも久方ぶりなのである。それ故にか、普段からあまりそう呼ぶなと言ってるのだが、気が緩んだ彼女は軽い爆弾を落とした。
「ん……ご主人様の手……気持ちいい」
『ご主人様!?』
先ほどまで固まっていた彼女の事を知らないメンツが彼女の発言に大きく食いついてきた。
「……恋」
「ん?」
そんな恋に対して注意しようとするが当の本人は漏れ出てしまった愛称に気がついていないのかこちらを見上げてくる。
どうしたの?と表情が言っている。
口数も感情も少ない彼女だが、わりと長い付き合いであるということと、彼女以外でもユウのように似たような者がいるためか表情から言いたいことや感情が読めてしまう。
先ほどの一撃を繰り出したとは思えないほどの無垢な笑顔……
それはギャスパーの時と似た
保護欲を大いに刺激するものだった
守りたいこの笑顔
恋を咎めるなんてできない
「はぁ……恋。あんまり知らない人がいるところで八幡のことをそう呼ぶのはやめなさいっていつも言ってるでしょ」
そんな俺の心情を察してか、俺の代わりにシノンが注意を促した。
「……?」
「ご主人様って声に出てたわよ」
「……あ」
どうやら本当に言葉に出していたことに気がついていなかったらしく俺やシノン達を交互に見つめている。
マジ可愛い……
「………」
そうしてしまいにはどうしていいか分からずこちらをずっと見つめてくる。
今までも何度か注意されているせいかその眼はオロオロとしており、どうしよう、と俺に訴えかけてきていた。
「うん……今度から気をつけよう。うん。次から気をつければ大丈夫だぞ恋」
そう言って彼女の頭を先ほどよりも強く撫でる。瞬間、彼女の顔に笑顔の花が薄っすらとだが咲いた。
うん。やっぱり咎めるなんてできない
「はぁ……あんたは……」
「やっぱり最大のライバルは恋かな……」
「ズルイ……」
「あんの……バカが…」
「ジーーー」
「八幡くん……」
なんかうちの女性陣とソーナが何か言ってるが気にしない。久々の恋成分である。
義妹を愛している俺からすればマッカンと同じくらい必要不可欠な成分なのだ。
ならば、周囲の目など気にするものか。
「彼女はだれなんだ?」
そんな中シノンに担がれているゼノヴィアがようやく先の爆弾発言から戻ってきたのか疑問の声をあげた。
「ああ、こいつは【ガァァアアア】なんだ、まだ動けたのか」
そんな彼女の問いに答えようとした時背後から雄叫びが上がる。
振り返ってみれば、傷だらけになりながらも先程とは異なり、先程帰ったタンニーンと同じくらいの大きさに膨れ上がっていくはぐれ悪魔の姿があった。
しかし、その身体中には先の攻撃でついたであろう無数の傷が刻まれており、正直ノックアウト寸前である。
【ゴォォオオガァァアアア!!!】
もはや意識がないのか、或いは暴走状態にあるのか、もはや人語を話さずこちらへと一直線に向かってくる。
その事態に先ほどまで固まっていたソーナ達も迎え撃とうと迎撃態勢に入る
しかし……
【ガ!?】
その行為は無駄に終わる。
【ガ、ガ、ガ!!!?????】
先ほどまで俺に撫でられていた恋によって。
彼女は先ほどまで地面に差していた戟をいつの間にか片手に持ち掲げていた。
ズシャァァン
そして彼女がその戟をもう一度地面にさすと同時にはぐれ悪魔は地へと崩れ落ちていった。
その表情は彼女が時折見せる不機嫌さを物語っていた。自意識過剰と言われるかもしれないが、確かに彼女の顔はこう言っていたのだ。
久々の時間を邪魔するな……と
そんな一瞬の出来事にソーナ達は再び固まってしまう。中でも騎士である木場や巡は目を見開いていた。まぁ、恋の斬撃が騎士の能力を持ってしても一切見えなかったらそうなる。しかし、そんなことで驚いていては彼女とはやっていけない。
恋の実力は俺の
表向きの2強のヴィザとユウ。
本当の意味で最強の有希。
その3人よりも劣るが汎用性に優れるシノンと異常な速度で成長を続けるユウキ。
そんな猛者達がいれば実力が中堅であるというのはなんらおかしいことではない。
しかし、問題を挙げるとするならば実力的には上記の者達の方が上にもかかわらず模擬戦では恋が無敗を誇っているということだ。
阿朱羅丸曰く。
恋はだれよりもやりにくい相手だそうだ。
実際、魔力量も、戦闘技能も、才能も殲滅力もリタや阿朱羅丸によって数値化すれば、恋は中堅である。しかし、彼女は負けないのである。
それが、何故なのか詳しい理由はわからない。だが、1つ言えるのは……
悪魔になったとしても、彼女は英雄の子孫であるということだ。無論彼女自身も眷属になってから修行はするようになっている。
だが、それを差し引いたとしても、彼女の無敗の理由はそこにある気がしてならないのだ。
まぁ、最も………
仕事を終えたからか、こちらを見ながら褒めて褒めてと言わんばかりに、再度アホ毛を高速で動かしている彼女をみれば、そんな些細なことは気にならなくなるのだが……
久々の再会と仕事終わりというのも相まってか、いつも以上にアホ毛を動かす恋に犬耳と尻尾が見えた気がしました まる
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「えっと……ゼノヴィア・クァルタだ。これからよろしく頼むよ」
ところ代わり車内。
あの後、先の戦闘により
まぁ、猫だしな………
戸惑う彼女らをよそに小猫をもふり続けた恋は満足したのか俺に近づいてきたと思えば背中に張り付き動かなくなる。
断固として彼女達と挨拶をする気は無いようだ。
やれやれと嘆息を吐きながらも挨拶は恋の気が向いたらと言い列車に戻ることとなったのだ。
その時小猫が完全にフニャけた顔をしていたのは問題ないはずだ……たぶん。
とまぁ、列車に戻ったわけだが、恋は絶賛ゼノヴィアを観察中である。
ゼノヴィアは戸惑いながらも挨拶をするが、それをスルーし尚も観察を続けている。
次第にオロオロし始めるゼノヴィアだがこればかりは助けられない。
ある種これはうちでの試練のようなものである。まぁ、先ほどまで不安を抱えていたゼノヴィアにはきついような事を言うことになるが………
しかしこれはほぼ全員が味わってきている。
恋は中々人に心を開かない。
と言うよりは人をなかなか信頼しないと言った方がいいだろう。
その警戒心の強さはプロぼっちである俺ですら驚くほどである。
故に俺の眷属は総じて一度は必ず恋との間に壁を生じさせる。信頼を得れるまで、彼女は決して相手に心を開いたりしないのだ。
とはいえ、一度信頼を置いた相手は家族同然に扱い、普段の寡黙な様子からは想像ができないほどの純真無垢で思いやりのある心優しい彼女の姿を見せてくる。
さらに言えば好意を持った相手にはそれこそ忠犬の如き深く一途な慕情を向けてくる。
ソースは俺とシノン。
俺かシノンが自宅にいれば必ずと言っていいほどどちらかの後ろをついて回っている。
とまぁ、そう言うことなのでゼノヴィアには頑張れと心の中でエールを送りながらも眠りについた。
そう、眠りについたのだが…………
「早くね?」
「ええ、早いわね」
グレモリー領に、シトリー領に行く前に汚れた身体を洗うため温泉のある駅で降りることとなったようで眠りから起こされた俺は目の前の光景に目を見開いた。
というか一瞬で目が覚めた。
「あ……れ、恋そこは………」
「…………」
そりゃ眼が覚めるだろう。
あの恋がゼノヴィアを撫でているのだ。
それも身体中。
しかも何故か犬耳と犬尻尾をゼノヴィアがつけて。おい、それどうした。というか尻尾はどうなってるんだ……
ってかどうしてこうなった……
聞けば俺が寝て30分ほど経ってからだろうか、恋は突如動き出しゼノヴィアの頭を撫で始めたという。
そうして撫で始めてから10分。
戸惑うゼノヴィアを他所に撫で続ける恋の口から犬……というワードが出てきたと思ったらゼノヴィアの頭だけではなく至る所を撫で始めたという。
次第に顔を赤く染め始めるゼノヴィアを見たフリードが恋に犬耳と特性犬尻尾の札を恋に渡せば即座にそれをゼノヴィアへと使いもふり続けたという。
その様をフリードは激写し始め、恋もまたそれに呼応するかのようにそのもふりスキルを全開にゼノヴィアをもふっていった。
そして現在にいたる。
「犬っぽかったのか?」
「犬っぽかったみたいね」
『意外なところで気に入られるものだね』
『それもまた才能じゃない?』
俺とシノンの言葉に阿朱羅丸とクルルが反応する。本当に意外な才能である。
というか、眷属内で最短記録じゃねぇか?
とりあえず恋、その辺にしとけ。後フリードカメラ没収な…………
その後、解放されたゼノヴィアはとんでも無く艶かしい状態になっていた為、シノンやユウキ達に支えられながら下車をしていった。
結論。
比企谷恋のもふりの技術は義兄譲りである
追記
満足したのか恋の顔は満たされ、何処か誇らしげだった。
八幡 side out
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シノン side in
「はぁ……今日は……中々得られない体験が多いな……」
チャプンと湯に浸かったゼノヴィアはダラ〜っと身体を伸ばし疲れを流していた。
タンニーンとの戦闘よりも恋による疲れが大きい気がするのは彼女だけで無く私達も感じていることだ。
ほら、眼閉じなさい。
「ん……」
そんな彼女の様子を視界に入れながら目の前にいるゼノヴィアを疲弊させた人物……恋に向けてお湯をかけて行く。それと同時に燃え盛る焔の様に紅い彼女の髪に着いた泡が流れ落ちていきその髪本来の輝きが戻って行く。
2、3度洗い流せばすべての泡が流れ落ちる。それに合わせて手櫛で彼女の髪に着いた水分をとっていけば、ピュンと彼女のアホ毛が力を取り戻したかのように跳ね上がった。
(まだ濡れてるのに飛び出すってどんだけ強い髪の毛なのよ……)
彼女の髪を洗う度に思うことを頭によぎらせながら終わったわよと呟き立ち上がる。
その言葉を聞いた彼女もまた立ち上がれば私の後を追ってきて、共に湯の中へと身体を沈めていった。
「はぁ………ほとんど動いてないのに今日は疲れたわね」
まだ昼の時刻にもかかわらず1日働き通した様な疲れを私自身も感じながら深く息を吐いた。
「シノン…….つかれた?」
そんな私の様子を見てか恋はこちらを覗いてくる。その顔には分かりにくいがこちらを心配している色がうかがえた。
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう」
そういって微笑みかければ彼女は無言で目をそらし、やがてその瞳を閉じ湯に身を任せ始めた。
相変わらずの寡黙さである。
私達のことを信頼しているのはわかっている。それでも八幡と比べればその差は歴然だ。本当に彼女は彼によく懐いている。確かに他の眷属と比べれば自分にも懐いている方だが八幡とは比べるまでもない。
そんな彼女がある意味八幡に1番近いのだ。正直あの近さは羨ましい。
そんなことを思いながら目を周囲へと移せばグレモリー眷属やシトリー眷属が和気藹々と語り合っていた。その中にはユウキやクロメもいる。
話し合いの中でじゃれあい始め互いの身体を弄りあっているがスルーしよう。
リタはその中にはおらず少し離れたところで小猫と2人で温泉に浸かりながら幸せそうに足を伸ばしていた。
ほにゃーと緩むその顔は珍しい。
小猫もまた同様である。
そんな光景を見ていれば知らず識らずのうちに私は笑っていた。
楽しいと心の底から感じていた。
すぐそばには妹の様な……ペットの様な少女がいて、周りには大切な仲間がいる。やりがいのある仕事があって、帰る場所があり、家族がいる。そして何よりも大切な人がいる。
いつも最後には私が呆れながら止める役になりつつも彼女らとの、彼らとの馬鹿騒ぎはその実、私は大好きなのだ。
私は1人ではないと実感できた。
かつて震えていたこの手の震えはもう無い。
1人恐怖に苛まれていたあの時が嘘の様に、今この瞬間が満たされていた。
この瞬間がずっと続いて欲しい。
本心からそう思える。
あの時私を助けてくれた彼がいたからこそ今こうした瞬間があると思うと自身の中にある思いが溢れ始め次第に顔が熱くなっていく。
それは決して湯に浸かっているのが原因ではない。
そんな私の耳に彼の声が聞こえてきた。
ピク、とその声に反応し湯の中を移動し始める。私が移動するのに気がついたのか恋もまた着いてきた。
着いた場所は温泉の端。
ただ、この温泉は変わった作りで出来ており、二階が女子風呂、一階が男風呂といった様で、ここから八幡たちの声が遮蔽物なしで聞こえてくる。
「おにいちゃん?」
恋も聞こえてきたその声に反応し耳を澄ませる。なんだか盗み聞きしている様で申し訳ないが申し訳なさよりも好奇心が勝ったのだ。
『はぁ、このままここで寝れねぇかな』
相変わらずジジくさいことを彼は言っていた。そんな彼に対して男湯に浸かる面々はやれやれと言った風に声をかける。
『にぃ、それやったら、のぼせる』
『お前さん……本当に高2か?』
『うるせーぞ駄元帥。てめぇらに巻き込まれたせいで疲れてるんだ』
『いや、むしろ後半は僕たちが巻き込まれてたよね』
『それよりも八幡!てめぇやっぱりハーレム築いてるじゃねぇか!』
『癪だが兵藤に同感だ!てめぇ会長だけにとどまらずあんな美人に囲まれて!』
『だから何度も言ってんだろ、あいつらは家族だっての』
『いやいや、ハチよ。そうは言うがよ実際のところどうなんだ?』
『あ?』
『そうっすよ旦那。あんだけ美人な眷属がいるんだ。何かしら思うところはあるでしょ?』
そんな話をしている中で阿伏兎とフリードが唐突に話を切り替えていった。
『思うところねぇ……』
『おお、そうだなここは風呂場。ちょうどいい機会だ。裸の付き合いってことでいっちょさらけ出してくれよ』
『んでだよ』
『そんな顔すんな。ほら先ずはイッセーからだ』
『俺っすか!?』
それは非常に気になるものだ。
兵藤くんはどうでもいいけれど。
八幡が私達のことをどう思っているのか。
なかなか聞けない素の部分が聞けるかもしれない。そう思い聴覚へと意識を集中させようとして私は気がついた。
「「「「「「「「「……」」」」」」」」」
いつの間にか私や恋以外の女子も集まっていることに。と言うかソーナあんたどんだけ必死なのよ……そんなに真剣な顔して。
そこから始まった男達の語り合い。
兵藤についてはスルーさせてもらう。
と言うかアザゼル。
あんたは女子の胸をなんだと思ってるのよ……ボタンとか……氷漬けにするわよ……
『んじゃ、次はてめぇだな八幡』
『俺は話すなんて言ってねぇぞ』
『いいじゃねぇかハチ』
『そうっすよ旦那』
『にぃ』
〈〈いいんじゃないのハチ?〉〉
『なんでお前らまで出てくるんだよ阿朱羅丸、クルル』
はぁ、と八幡がため息を吐くのが聞こえた。
どうやら諦めた様だ。
そのため息を聞いてたソーナや私達は先ほど以上に感覚を研ぎ澄ませた。
『そうだなぁ……といってもあいつらは本当に家族だからな』
『それだけじゃねぇだろぅ。ほれ先ずはリタあたりはどうなんだ?かなり長い付き合いだろう?ちなみに家族ってこと以外でな』
『なんでやけに積極的なんだよ阿伏兎……リタか……リタはそうだな……一言で言えば変人だな』
『………』
彼の言葉に男湯で、そして女湯でも静寂が訪れる。
私達の近くではふるふると震える少女がいた。あいつ……とかいって歯を食いしばっている。
八幡あんたデリカシーがないわよ……
『へ、変人って?』
『三度の飯より研究。娯楽より研究。研究を最優先に動く変人だろ』
『お、おい、ハチよぉ『だけど』んん?』
『あいつには感謝してる。昔からなんだかんだ言いながら俺を支えてくれた。眷属になってくれって言った時なんて嫌味を言いながらも眷属になることに一切の抵抗無くなってくれた。俺が困っているときはなんだかんだ言いながらいつもさりげなく手助けしてくれた。俺がわからない時はいつだってあいつが教えてくれたんだ。』
『………』
『だからあいつは俺にとって大切な家族だ。あいつが辛い時は俺が支えてやる。今までずっと支えてきてくれたんだ。あいつが崩れそうになったらすぐに助けてやるさ』
「……馬鹿八幡…….」/////
先の怒りはどこに言ったのだろうか。
リタは顔を先ほどとは違う意味で赤くし湯船へと沈んでゆく。
『んん、そうか……ならユウキはどうだ?』
『ユウキは……小悪魔か?』
『小悪魔ぁ?』
『ああ、なんつーか、たまにあざとさを感じる。まぁ、そこがあいつの可愛いとこでもあると思うんだが』
「か、かかか、可愛い//////」
2人目撃沈である。
リタを追ってユウキも湯船へと沈んでいった。
『なら、恋は?』
『天使だ』
『は?』
『だから天使だ。それにギャスパーもだな。あの2人は天使、異論は認めない』
『いやいやいや、どういうことだよ!?あいつらは悪魔だろうか!??』
『うるせぇ、恋とギャスパーだぞ!?あの可愛さはもう種族なんて超えてるわ!というかあいつらに比べたら他の天使達なんてちゃんちゃら可笑しいわ!!!』
相変わらずね……
「……///」
「あわわわわわ////」
恋は相変わらず無言だけど顔赤くなってるわね。ギャスパーは耐えきれず沈んでいったけれど……
『んで、クロメとかはどうなんだ?』
『あいつは将来美人になると思うぞ?髪も綺麗だし。お菓子を食べてる姿も可愛いが、普段仕事モードの時なんかはキリッとしてるしな。仕事が早くて助かってるし。なんていうか……娘?みたいな感じだと思う。最近肩を揉んでくれるしな』
おとうさん………
娘みたいって………
「将来……美人……えへへへ」
まぁ、クロメがいいならいいけど……
『小猫ちゃんなんてどうなんだ?』
『うーん。恋達とは違った感じの妹?か。一緒に甘いもの巡りする仲だが……まぁ、一緒にいて和む相手ではあるな。なんつーか本当に子猫みたいで可愛いし』
「…一緒にいると和む……可愛い…/////」
連続撃沈が止まらないわね。
『旦那、ゼノヴィアやソーナはどうなんですかい?』
『あの2人か?そうだな。ソーナは幼馴染だな。昔は可愛くて、今は綺麗になって、ああ、セラフォルー様について唯一共感できる理解者でもあるな…………ゼノヴィアは新しい家族だ。さっきの戦いでもあいつは新しい技を出してた。こんなに早く成長するとは思ってなかったよ。ただ、ユウキ達以上に迫ってくるのは勘弁してほしい』
『どうしてだよ?美人に迫られるのは役得だろ?』
『美人だから問題なんだろ…….どれだけ理性が揺さぶられてると思ってんだ……』
へぇ…….揺さぶられてたの
今度私もやってみようかしら
「ハチくん……/////」
「び、美人か//////」
はぁ、ほぼほぼ全員撃沈ね。
でも、こうしてみるとみんな幾ら何でも簡単に落ちすぎじゃないかしら。
好きなのはわかるけど……
でも、もうちょっと表情を隠すとかあるんじゃ
『んじゃラストか?シノンはどうなんだ?』
ビクン
その言葉に私の体が反応してしまう。
『シノンか……』
その声は先ほどまでとどこか違っていた。
『おいおいどうしたよ?ここまで来て隠すのはなしだろ?』
『いや、まぁ……そうだな……母親みたいな感じ……なのか?』
はは……おや………?
『ははおやぁ!?』
『ああ、俺は実の両親なんてほぼいないも同然の様に生きてきた。だから時々思うんだ。優しくしてくれるシノンが。心配して時折俺に対して怒ってくるあいつを見てると思っちまうんだ。母親ってのこういう感じなのかな……って』
「『………』」
『だから、なんつーか。わかんねぇんだよ。俺自身も。あいつのことは家族だし、大切に思ってる。あいつも弱いとこがあって俺はそれを守りたいと思ってる。それでも、あいつの優しさに触れると時折甘えたくなっちまうんだよ……』
そういう八幡の声色は先ほどとは違い羞恥を含んでいるものだった。
そしてそれを聞いた瞬間、理解した瞬間、急激に熱が私を襲う。
「っぁあ///////」
そうして勢いよく私は湯船へと沈んで言った。
「ふぅぅぅううううう」
この熱は私の氷を使ってもしばらく冷めることはないだろう。
その後アザゼルにより私たちが聞いていたことが八幡にバレ、彼の忘れろーーーという声が女風呂にまで木霊した。
シノン side out
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八幡 side in
「ぉぉぉぉおおおおお」
「にぃ、元気出す」
「おにいちゃん……」
風呂から上がった俺は絶賛頭を抱えて悶えていた。どうしてあんなことを言ってしまったのだろうか。疲れてて気が緩んでしまったのか、普段なら言わないであろうあんなことを言ってしまった上に本人達に聞こえていたなんてなんて拷問だ………
そんな悶えている俺を慰める様に義弟と義妹が俺の背をさすって来てくれる。
弟と妹の優しさが心にしみる。
でもその優しさが今は痛い………
少し離れたところではうちの女性陣や小猫、ソーナが顔を赤く染めながらこちらを見ている。昔の俺ならあんなことを言った俺に対して怒っているんだと割り切れたが、今の俺にそんなことはできない。というかそんな風に言ったらそれこそコキュートスに落ちた方がマシなんじゃないかというくらいの地獄にあうだろう。
だからこそ、余計に悶えたくなってしまう。
「ふぅ……ほら、悶えてないで早く行くわよ。もうすぐ列車の発車時刻になるんだからみんなももう行っちゃうわよ」
そう言ってシノンがこちらへと寄ってくる。
顔を再びあげれば他の奴らは確かに駅へと歩き始めていた。
「お、おう……」
先ほどのことがあるのでどうしてもぎこちない返事になってしまった。
「ふ……ふふふ」
「な、なんだよ」
俺の返事がおかしかったのか笑い出すシノンに羞恥を感じながら問いかける。
「別になんでもないわよ」
「……」
その返事に少しムッとなりながらも立ち上がり歩き出す。その俺の後ろをユウと恋が付いて来た。
「ねぇ、八幡」
ふと前を歩く彼女が俺に背を向けたまま声をかけてくる。
「なんだよ……」
「私、やっぱりあんたのことが好きよ。どうしようもなくね」
「っ//////」
突然の言葉に思わず顔が赤くなって行く。
それを実感できた。
「あんたが私たちのこと大切にしてくれるのは知ってる。だから私は別に誰か1人を選んでくれなくていいと思ってるの。正妻とかも含めてね。だって……」
そう言って彼女は振り向いてくる。
その顔を紅くさせながら。
満面の笑顔とともに。
「悪魔なんだし、1人に絞る必要なんてないじゃない」
そしてその笑みは本当に悪魔らしかった。
その笑顔に先ほど以上に体温が上がって行く。まるで再び風呂に入っているかの様に身体が熱くなっていった。
「まぁ、そういうことよ。気長に待つわ。あんたの覚悟が決まるまでね」
そういうと彼女は早足でかけて行った。
その時見えた髪から覗く耳が紅くなっているのに俺は気づく。
とんだ、仕返しもあったもんだとぽりぽりと頬をかきながら俺もまた歩みを進めた。
「おにいちゃん……」
「にぃ……」
その様子を見ていた弟(戦車)と妹(英雄の子孫)が拗ねて駅まで俺の腕をつねり続けて来たのが地味なトラウマであるのは余談である。
どうでしたか?
書いてて個人的に思ったのはあまりにも視点を移さない方がいいかなー?とか個人的には思ったんですが、見てくれる方が読みにくければ次回あたりからできる限り視点を固定していきます。
今回は若干シノン回な感じでしたかね?
ではでは感想お待ちしております(u_u)
次回こそグレモリー邸にいく………