魔王少女の女王は元ボッチ?   作:ジャガ丸くん

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なんとか今月内に書き終えた(=゚ω゚)

さぁさぁ、今月3話目お楽しみにo(^_-)O


本編へどぞどぞ





吸血鬼達の会合そして……

 

「んで、どうしてこうなった?」

 

ギャスパー封印解除2日後の夜。

俺は制御の手伝いをすると言ったものの立て続けに急な案件があり、面倒が見れずそれを片付けてやってきた今日。

 

 

何故かギャスパーは部屋に引きこもっていた。

 

その部屋の前では俺に問いかけられてたグレモリー眷属達がバツの悪そうな顔をしながら俯いていた。しかし、いつまでも俯かれたままでは話が進まないため、俺はイッセーを名指しにして聞くことにする。

 

 

「おい、イッセー。黙ってないで答えろ。どうしてこうなった?」

 

名前を呼ばれたイッセーはビクンと身体を震わせた後事の経緯を話し始めた。

 

 

曰く、ギャスパーを鍛えて神器のコントロールをさせるため、みんなで特訓したらしいのだが、途中から悪ふざけが始まりギャスパーにニンニクを渡したり(由比ヶ浜)、追回したり(イッセー)したらしい。

 

更にはその最中、堕天使総督であるアザゼルが現れギャスパーの神器について制御のコツを教えたらしい。まぁ、アザゼルの本当の目的は俺や木場に会いたかったらしいが、俺は不在だし、木場も用事があったようでいなかったようだ。

 

 

ここまででも言いたいことはあるのだが、その後更なる問題があった。

 

 

 

1つ目はイッセーの仕事について行ったこと。

 

何故、よりにもよってイッセーについて行ったのかと俺は問いただしたい……

 

イッセーの顧客の多くは癖の多いやつで、なんでも今回の相手はあのコスプレ巨人だったらしいので尚更タチが悪い。

 

 

2つ目はその後に"もうこのメンツで特訓したくない"と言ったギャスパーに対して雪ノ下の毒舌が炸裂したのだ。

 

3年近く前の話だが、かつて彼女の毒舌を受けていた俺にはわかるがあいつの毒舌はギャスパーには相当こたえただろう。

 

 

そこにトドメを放つように由比ヶ浜が元気が出るようにとギャスパーに料理を作ってきたと言うからもはや呆れるしかない。

 

ギャスパーはその料理を見た後即座に部屋に引きこもってしまったようだし………

 

取り敢えずまず言うべきことは……

 

 

「なぁ、リアス・グレモリー。お前にとって眷属ってなんだ?」

 

「え?」

 

「今回のは完全にお前の監督不行届だ。別にお前が自分の眷属をどう思っていようとお前の勝手だがな。眷属同士でこんなことをやって、その関係がひび割れるのを防げないなら……眷属なんて持たないほうがいいぞ?」

 

グレモリーが疑問の声を上げるのを聞かずに言いたいことをすべて言い終える。

 

「……そうね……ごめんなさい」

 

グレモリーも俺の言葉が身に染みたのか本当に申し訳なさそうにこうべを垂れる。

 

 

「それにお前らもだ。仲がいいのはいいことだがその中にも礼儀は必要だし、なによりもギャスパーには数日前にあった奴らもいるんだろ?そうじゃなくてもほとんどの奴がギャスパーと親密ってわけでもない。それなのに無理矢理特訓ともいえない特訓をして、ギャスパーの意思を無視して追い回すような鍛錬をして、そんなんで本当に改善すると……強くなると思ったのか?」

 

 

グレモリーだけでなく、今度は彼女の眷属達に向かって発する。その言葉にギャスパーの特訓に付き合っていた面子は目をそらす。

 

今回のは明らかな悪ノリ。巫山戯である。

 

だが、彼らは知らない。

彼らのほとんどは大事なことに気づきもしない。小学生でも知ってるやつは知っていることに。だけど、わからない奴らにはいつまでたってもわからないこと。

 

 

「お前らがただの悪ノリや悪巫山戯だと思ってることでも、やられてる相手は苦痛を受けることもあんだよ。何でもかんでも自分の目線でしか見れないなら……ギャスパーの気持ちをわかってやれないなら……もうあいつの前に立つな」

 

 

合宿の特訓の時やコカビエルの時、助けてやった俺からは想像もできないほどの冷たい声を彼らに放ち俺はギャスパーのいる部屋を見つめる。

 

そんな俺の声色に驚いてか、或いは俺の視線に籠るものに何かを感じてか、彼らは各々別々の思うところがあるらしい。

 

グレモリーは心底後悔するように下唇を噛み締めている。

 

姫島先輩もグレモリーと思うことは同じなのか拳を握りしめていた。

 

木場は今回のことにあまり関わっていないが俺の瞳を見て何やら聞きたげな様子でいる。

 

アルジェントは今回その場にいたが、ただ笑うだけで特に何もしなかった自身を責めるように自分の二の腕をつねっていた。

 

イッセーや由比ヶ浜は悪巫山戯が過ぎたことを自覚しているのかギャスパーの部屋を見て謝りたそうにしている。

 

だが、その中で2人だけ他と違う奴がいた。

 

 

1人目は小猫。

彼女はもまた今回の特訓には不在だったらしい。やはりあの日以降少しおかしい彼女はその特訓に出ず、ここ数日家にすぐ帰り自室にいたらしい。そんな彼女は他とは違い、ただ俺の目を見ていた。

そして彼女の瞳はまるで俺を心配するかのように見ている。いや、事実しているのだろう。

今回の件はある種、俺の昔の黒歴史という名の古い傷を軽く抉るような……思い出させるようなものだ。

俺の過去を知っている小猫は俺がそういったことに敏感なことも知っている。

 

 

だからこそ心配しているのだろう。

 

そんな彼女の瞳の色を読みとる時、目があうと彼女はふいっとそらしてしまうのだから、未だに彼女の中であの件は片付いていないのだろう。まぁ、近い将来なんとかするつもりだが……

 

 

 

 

そしてもう1人は雪ノ下だった。

 

彼女は他の奴らには気づかれないように俺を睨んできている。その瞳は黒く、まるで呪い殺さんが勢いで荒んでいてかつての彼女からは想像もできないほどだ。

 

 

 

 

そんなグレモリー眷属を他所に俺は阿朱羅丸(刀)を顕現させその柄を強く握りしめる。

 

 

俺が突然刀を出したことに驚く彼女達を無視して俺はその刀を扉に向かい抜刀し、ギャスパーが閉じこもっている部屋のドアを切り裂いた。

 

 

『ええぇぇぇぇぇぇええええ⁉︎』

 

全員が俺の突然の行動に驚きながらいる中俺は納刀するとゆっくりとギャスパーの入っているダンボールに歩み寄っていく。

 

 

ダンボールに空いた穴から彼女の目が見え、俺の目と合う。するとビクンとダンボールが揺れ、恐る恐るといった様子でギャスパーが顔を出してくる。

 

 

そんな彼女をみて俺ははぁと深い溜息をつくとその歩みを止める。そして俺が歩みを止め右足を床にトンとつけた瞬間、俺とギャスパーを中心に黒い影が2人を覆っていく。後方でグレモリー達が驚いているのを感じながらも俺は続け、その影が俺とギャスパーを完全に包み込むと、俺とギャスパーの視界は黒一色の世界から一変し、真っ白な世界に変わる。そこはほぼ毎晩俺が見ている世界。

 

 

かつて、初めてここに来た時は1人の吸血鬼がいた。この場には今、2人の吸血鬼が住んでいる。

 

 

《やぁやぁ、来たみたいだねギャスパー》

 

《会うのは久しぶりね、ギャスパー》

 

その住人は、俺と共に来たギャスパーを歓迎していた。

 

「クルル様にアシェラ様⁉︎」

 

 

当のギャスパーは唐突に自身の前に現れた自身の祖先であり始祖である2人に驚き、慌ててダンボールから飛び出ると平伏しようとするが、それを阿朱羅丸の声が止める。

 

 

《あー、別にしなくていいよ。そういうのめんどいし。それと何回も言ったと思うけど、今の僕は阿朱羅丸ね》

 

 

「は、ははははははい、アシェラ様」

 

 

《んーーー、なんだかなぁ……》

 

《それは無理だと思うわよ?彼女達にとって私たちはある種神みたいな感じだし、その時の貴方はアシェラ・ツェペシだったんだから》

 

 

何度言っても直すことが叶わない自身の呼ばれ方に阿朱羅丸は首を傾けながら唸る横でクルルは唸る妹を見て、苦笑いしながら応える。

 

 

「って、ここはどこなんですかぁぁああ⁉︎」

 

 

阿朱羅丸とクルルが突然現れたことで周囲が変わっていることにようやく気がついたギャスパーは目の前の始祖2人を前に再度声を上げた。

 

 

「落ち着けギャスパー。ここは俺の精神世界だよ。」

 

そんなギャスパーに俺は宥めるように声をかける。

 

 

「精神世界……ですか?」

 

「ああ、さっき黒い影に俺たちは包まれただろ?現実の俺らの身体はそのままあの影に包まれたままだ。精神だけ、ギャスパーを俺の精神世界に連れてきた。ここはいわば、阿朱羅丸とクルルが住んでる家みたいなとこだよ」

 

「アシェラ様とクルル様の……」

 

 

俺が説明することでようやく納得したのか、ギャスパーは落ち着きを取り戻してきた。

 

 

 

《それにしても、面白い目にあってたねギャスパー。僕達もハチ経由で聞いてたよ、クククッ》

 

「わ、笑い事じゃないですぅー」

 

 

「それに相変わらずハチのことを始祖様って呼んでるし。ハチは始祖様よりもお兄ちゃんって呼んだ方がうれしがるよ?」

 

「え、えっとそれは……始祖様は鬼呪装備で始祖様達を宿していますし、なによりも始祖様の()()姿()はやっぱり、始祖様が1番しっくりくるので」

 

 

その証拠に阿朱羅丸のからかいにもブンブンと腕を振りながら抗議することもできるようにはなっている。

 

っておい、阿朱羅丸余計なことまで言わんでいい。ギャスパーも始祖様やめい。お兄ちゃんの方がいい。むしろ推奨するまである。

 

 

 

《まだニンニクの抗体ができてなかったのも驚いたけれど、どうして停止世界の邪眼まで制御できないことになってるの?》

 

 

 

そんなギャスパーに対し、俺たち3人が思っていたことを代表してクルルが問いかける。問いかけられたギャスパーはえーっと、と下を向きながら恥ずかしそうに答えた。

 

 

「そ、その。始祖様達御3方がいた時は別に問題なく使えたのですが……その、御3方がいないとどうしても不安になって……怖くなって……そうしたら他の人とも話すのもうまくできなくて……それでウジウジしてたら相手が苛立ったり、逆に興奮したりしてきて…………それで迫られたら知らないうちに発動しちゃいました」

 

 

『……………はぁ』

 

「さ、3人揃って溜息を吐かないでくださいよぉー」

 

 

制御できない理由を聞き思わずついてしまった溜息にギャスパーは再び抗議の姿勢をとる。

 

毎回思うけど腕をブンブン振りながらとるそのポーズ可愛いな、はやらせようぜ……

 

 

 

《まぁ、ハチの嗜好はともかく困ったことには変わりはないわね。私達がいれば問題なく使えるけれど、いないと不安定になるんじゃ正直、この先厳しいわよ》

 

 

《そうだねぇ。やっぱり厳しいよね。ハチの嗜好は置いといて》

 

 

「始祖様の嗜好はですか?」

 

 

「おい、お前らだからナチュラルに心読むな。あとギャスパー気にするな。」

 

「えっと……こうですか?」

 

 

やけに俺のsan値を削ってくる2人に今度は俺が抗議すると、ふとギャスパーが俺を叩いてきた。でも全然痛くない。いわゆるポカポカパンチだ。

 

 

《ギャスパー……その辺にしといた方がいいよ。ハチが再起不能になる》

 

《まったく。私と阿朱羅丸。世界でも屈指の力を持つ2人を使えるのに、私の造った種族にやられるのはどうかと思うわよ?》

 

「で、でもでも、これ意外と楽しいですよ‼︎」

 

 

ホントにやめて2人とも。

俺のHPが尽きる。

そしてギャスパー。

 

オメガグッジョブ。

 

 

 

「い、いい加減話を戻そうぜ……ギャスパーがこのままだと危険だろ?」

 

 

ギャスパーにポカポカをやめさせ、2人にもこれ以上san値を削ってこないように言い、俺は話を戻す。すると、途端にギャスパーの元気が目に見えてなくなっていった、

 

 

「うぅ……やっぱり僕なんかじゃダメなんでしょうか……一族からも嫌われて……やっぱり僕なんかじゃ……」

 

 

そうして急降下していくギャスパーだったが、それを見た俺たちは3人で目を合わせ、そして実行する。

 

 

ギャスパーの神器をコントロールさせる為に。

 

そしてなによりも、彼女の為に。

 

彼女が力に振り回されるのは自信がないから。

だからこそ、自信をつけさせる。そして………

 

 

 

 

 

 

 

()()を、今ここでギャスパーに協力させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギャスパー……貴方それは私達に対する侮辱かしら?」

 

「え?」

 

 

クルルから聞こえる声に思わずギャスパーは身を震わせる。明らかにクルルが怒っているように見えるからだ。まぁ演技だが……

 

 

「ふぇぇ、そんなことないです。始祖様達を侮辱なんて……」

 

「でもさー、ギャスパー言ったよね?自分なんてって」

 

 

「は、はい……」

 

 

今度は阿朱羅丸から言われギャスパーはひどく怯えながら応えた。

 

 

 

『それが僕(私)達を侮辱してるんだよ(のよ)‼︎』

 

 

「……え?」

 

 

帰ってきた思いもよらない答えにギャスパーは目を見開いた。

 

 

《忘れたの?昔私達が言った言葉を?》

 

《忘れたのかい?僕達が君のことをどう思ってるか?》

 

 

2人の言葉を聞き、ギャスパーはハッと先ほどよりも更に目を見開く。

 

 

それはかつて、俺たちとギャスパーの特訓をしていた時に言った言葉だった。

 

 

《もしも、忘れているなら今ここでもう一度言うよ》

 

 

《だから、今度こそ忘れずに覚えておきなさい》

 

 

そう言って2人はその身に宿る力を解放しながらギャスパーへと声だかに宣言する。

 

 

その姿はまさに伝承通りの存在。

この世界の2強。

無限の龍神や赤龍神帝に勝るとも劣らない強さを持つ神の如き吸血鬼の姿。

 

 

《ギャスパー・ヴラディ。貴方は吸血の始祖である私クルル・ツェペシと》

 

 

《吸血の女王である鬼呪龍神皇阿朱羅丸》

 

 

『この両名が認めたこの世界で唯一の吸血鬼であると‼︎』

 

 

「っ⁉︎」

 

 

自身の誇りと共に宣言されたその言葉は俺たちと離れてから、臆病になり、縮こまっていたギャスパーの胸に確かに届いた。

 

その証拠にギャスパーは今にも泣きそうな顔をしながらも強くその拳を握っている。

 

 

《2度と忘れるな、僕達が君を認めていることを……そして》

 

《私達は貴方の罪を既に許しているということを》

 

 

そして今度こそギャスパーはその瞳から涙を流す。

 

 

 

彼女の罪。

 

それはかつて彼女が多くの親族を殺してしまったことだ。

 

これはクルルが吸血の始祖であるが故に知っていたこと。吸血鬼という種族を作り出した彼女は、何処で吸血鬼の血を継ぐものが生まれ、何をしているのか知ることができる。

この力でクルルは知り、俺と阿朱羅丸はそれを聞いたのだ。

 

それはギャスパーが生まれたときのこと。生まれたときの彼女は人の形をしていない黒く蠢く不気味な物体でしかなく、その禍々しいオーラに包まれた形容しがたい存在であった。それを見た彼女の母親は自分の胎内に宿っていたモノの異形さに精神に異常をきたし、数時間後にギャスパーが通常の赤ん坊の姿に変化したときにはショック死していたという。出産に立ち会った産婆を含めた従者たちも数日以内に次々と変死し、彼女の父親は生まれたばかりのギャスパーが周囲の者に無意識に力を使い呪殺したのだろうと今もなお推測している。

 

しかしその正体は、まだギャスパーが母親の胎内にいるときに魔神バロールの断片化された意識の一部が宿って生まれた存在であり、ギャスパーが「停止世界の邪眼」を持って生まれたのも、バロールの力に神器が引き寄せられたものなのである。

一部のためかその神性は失われているもののその力は強大である。それこそヴィザやユウすら凌ぐほどの……

 

 

そんな存在を内包している彼女はその存在を知らない。知っているのは自身が親族を殺したということだけだ。

 

 

そんな彼女はかつて阿朱羅丸とクルルを前に頭を地面につけながら謝罪をしてきた。

 

自分は同族を殺してしまったと。

自分は忌まれる存在であると。

 

 

しかし、そんな彼女の悲鳴にも似た告発を2人はまるで子供のいたずらを許すように簡単に許した。

 

自分は吸血鬼を造った後他の者に吸血鬼を束ねる事を任せているから関係ないと。

 

そもそも自分は吸血鬼の始祖の妹なだけで、吸血鬼達に崇められているのがよくわからないと。

 

 

でも、2人はその後に続けた。

 

それでも自分達が許すことで、ギャスパーの負担が、罪が軽くなるのなら、自分達は許そうと。

 

そう言って2人はギャスパーを許した。

その時も彼女は泣いていた。

 

それなのに忘れてしまっていたのは、俺たちがいなくなり不安になった他にもう1つ理由があるだろう。

 

それこそがギャスパーの中にいるもの。

かつて魔神バロールであった存在。

それがギャスパーと混ざり合うことで、記憶もまた曖昧なものになっている。

 

だからそれを今ここで完全に目覚めさせる。

そして協力させるのだ。

 

 

 

「まぁ、そういうことだギャスパー。俺も阿朱羅丸もクルルも。お前のことを認めてるし、信頼もしてる。だからあんまり自分を卑下するな」

 

 

「始祖様…………」

 

そう言って俺はギャスパーに歩み寄り頭の上に手を置くと優しく撫でる。

それに合わせて阿朱羅丸とクルルも俺たちを()()()()()()()()()()()

 

 

「とはいえ、それだけで自信をつけるのは難しいからな、だからお前に真実を教えるよ」

 

「真実……ですか?」

 

「ああ」

 

 

首をかしげながら彼女の涙を拭きながら俺は応える。そして、彼女に問う。

 

 

「お前はそれを知ったらショックを受けるかもしれない。余計自分が怖くなるかもしれない。それでも聞く勇気はあるか?」

 

頭に乗せた手を、涙を拭いた手を彼女の肩に置きながら俺は聞く。そうして問われたギャスパーは口を開けては何かを言おうとし、そして閉じる。

 

それが数回繰り返され、意を決したように彼女は言葉を発する。

 

 

「僕は……怖いです。できるなら知りたくない。できるならそんな怖い目にあいたくないです………」

 

 

震えながら発せられるその声は弱々しいものだった……しかし……

 

 

「それでも……クルル様が……アシェラ様が……そして……始祖様が僕のことを認めてくれた。御3方が僕のことを信頼してくれるなら……それに応えたい。だから……」

 

 

そう言って彼女は俺の瞳を見て決意する。

 

 

「僕は知りたいです。知った上で受け入れたい」

 

 

そういう彼女の震えはすでに止まっていた。

 

そんな彼女の決意に俺も応えるべく。

 

彼女の中に鬼呪を流し込みそして中の存在を無理矢理起こす。

 

 

そして………………

 

 

 





次回、ギャスパー・バロール登場。

そして話は加速していきます(=゚ω゚)


感想お待ちしてます(=゚ω゚)ワクワク
あと、バロール・ギャスパーを出そうとした時とある難問にぶちあたったのでそれについて活動報告に記載しているのでわかる方がいれば教えてもらえると幸いですm(__)m


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