魔王少女の女王は元ボッチ?   作:ジャガ丸くん

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インターンシップでなかなか執筆ができず申し訳ないです(´・_・`)

それでも少しずつでも書き進めていきますのでどうかお付き合いください(=゚ω゚)




今回はあまり人が登場しません。
それと今回は前に書いた伏線?の様なものの回収回です。
伏線(眷属と少女は彼に何を思うか……の時に作者は張ったつもり)
伏線にもなってなかったらすみませんm(__)m


では本編へどうぞ♪


やはり妹よりも姉の方が強いのは仕方ない?

ザッザッと土を踏みしめる音が周囲にこだまする中俺は1人、いつもの教会の廃墟に訪れていた。

 

《でもさすがシノンね……セラフォルーの飲むお茶に睡眠薬を平然と入れる点あの子もある意味問題児だわ》

 

1人歩く俺の腰にはいつもの剣とは違い装飾部分が朱色の刀が携われている。そこから発せられる声もまたいつもの何処か軽い声ではなく、そこはかとなく上品な雰囲気があった。

 

「まーな。しかし、なんか風呂から出たら小猫の奴の様子がおかしかったが何かあったのか?」

 

《さぁ?セラフォルーが何かしたんじゃないの?それよりももうじき着くわよ》

 

 

「ああ、わーってるよクルル」

 

そう言って俺は刀を撫でながら目的地を見据える。

 

時刻は2:00

こんな真夜中になにをしてるのかと言われれば、ただのはぐれ退治である。

いつもならばソーナやオカ研の奴らに任せるのだが、あいにくソーナはセラフォルー様が寝ながら抱きついているため風呂にも入れず今夜は就寝、グレモリーもサーゼクス様が来ているから暇ではないのだ。

 

 

《でも久しぶりね、ハチが私のことを使ってくれるなんて》

 

もうじき着くと気を引き締めさせたにも関わらず、ふとクルルは俺に囁いてくる。

 

「もうじき着くんだぞ?」

 

《ハチが私を使って怪我でも負うと思う?それに久しぶりなのはホントのことよ》

 

 

至極正論な返しをされた上その口調は何処か拗ねた子供のようだった。

 

「まぁ、そうだな。それにクルルのことはそう簡単に見せられないからな……まぁ、今度の会議の時にはみせることになりそうだが……」

 

拗ねるクルルを慰める様に刀を撫でる手の動きを早くしながら俺は呟く。

 

 

《それは私達を3大勢力に明かすってこと?》

 

「まぁ、そういうことだ。3大勢力で手を取り合おうとした時、阿朱羅丸が……鬼呪龍神皇が悪魔側にいるということを言わないわけにはいかないし、そうなればクルルのことも説明しておかないと後々3大勢力の間に亀裂が入りかねないだろ?」

 

 

《みんな驚くわね》

 

溜息を吐きながら面倒くさそうにする俺に対しクルルはフフと笑いながら囁いてくる。

 

全くもってその通りだ。

そもそも、阿朱羅丸のことに関しては悪魔側しか知らないし、クルルに至っては悪魔側ですら知っているのは1人……俺の眷属ですら知らないことだ。そもそもその1人も魔王とかそういう類の者ではなく偶々知っただけだ。

 

そんなことを話せば当然全員驚愕するだろう。

またそうなれば神器マニアのアザゼルが俺の神器がどういうものか詮索してくるだろうから隠し通すことは難しい。

 

何よりも……

俺の禁手に関して……いや俺の神器そのものについても話さなければならなくなるだろう。

 

そう考えると本当に憂鬱になってくる……

 

 

 

「阿朱羅丸のやつしっかりやってるかな」

 

憂鬱になった俺は遠い目をしながら空を見上げる。いわゆる現実逃避である。

 

《ハチ…………まぁ、しっかりやってると思うわ。最近ハチと阿朱羅丸の頑張りで彼女の実力、異常な速度で上がってるもの。それこそハチが言った様に油断してたら他の子達が抜かされるんじゃないかと思う程の勢いでね》

 

まぁ、当然じゃないかしら?

と最後に告げるとクルルはその刃を紅く滲ませ俺に本命の件を知らせてくる。

 

クルルの言葉にそれもそうかと思いながら彼女の知らせを受け俺は抜刀しゆっくりとその本命へと近づいていく。

 

 

その本命も……はぐれ悪魔も俺に気がついたのか草陰から勢いよく飛び出すと俺の首めがけて自身の鋭利な爪をたてようとしたが……

 

その爪が俺に届くことはなかった……

 

ゴスっと鈍い音がするとその悪魔は潰れた自身の手を抱えながら呻き、地面に屈み込んでしまう。

 

彼の手は俺の首に届く前に透明な壁にぶつかり自身の力とその壁の圧力により潰れてしまったのだ。

 

 

 

 

「相手が悪かったな……」

 

そう言って俺は掲げた刀を振り下ろす。

ただ、それだけではぐれ悪魔は消し飛び今日の仕事は終了した。

 

 

《はぁ、つまらないわね》

 

 

「まぁ、仕方ないだろ」

 

はぐれ悪魔にも言った通り、本当に相手が悪いのだから。

 

俺が手に持つこの刀は鬼呪龍神皇である阿朱羅丸の……アシェラ・ツェペシの実の双子の姉であるクルル・ツェペシであり、吸血鬼の始祖なのだ。その実力は阿朱羅丸と比べても遜色ない強さなのだから、そこらのはぐれ悪魔に対しては過剰戦力極まりない。

 

 

「ホント……セラやソーナ……シノン達にバレたら面倒くさいんだろうな……」

 

 

《会議の時本当に疲れることになりそうね。特になんで私がこの神器の中にいるのかとかね》

 

「全くだ……」

 

 

 

再び深い溜息を吐きながら俺はその場から離れていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んで、なんの用ですか?サーゼクス様」

 

 

 

翌朝襲いかかる眠気を押し退け、迫り来るセラフォルー様を仕事という名の力で退けた俺はシノンとユウに見送られ学校へと向かった。道中小猫が俺を見ては目を逸らし、見ては逸らしの繰り返しだったが気にしない。こういう時はそっとしておいたほうがいいというのが俺の持論である。隣にいるゼノヴィアはと言うとこちらも俺に勝るとも劣らない眠気と戦っている様だ。朝練→学校→夕方の鍛錬→夢の中での阿朱羅丸との鍛錬とスーパーハードコースの鍛錬をしているため、やはりどうしても疲労が残ってしまう様だ。心配して少し量を減らすか?と聞けば、自分はまだまだだから減らさなくていいと言ってくる点、こいつも確実に俺の眷属……もとい問題児である可能性が否定できなくなってくる。

 

本当にそのうち鍛錬が趣味とか言いださないか不安だ……

 

 

そんなことを考えながら歩いている俺たちの前に現れたのはみんなご存じサーゼクス様だった。うん、眠いからかテンションおかしくなってるな俺……

 

 

《いつものことだろ?》

 

ウルセェ阿朱羅丸。

つーかクルルはまた寝てるのか?

あいつ昨日拗ねてた割にいつも寝てるよな……阿朱羅丸以上に……

 

 

《クルルはグータラだからね。吸血鬼も子供達を造ったら後はテキトーな代役を造ってそいつに吸血鬼の国のことを任してたくらいだし》

 

そんなこと言って後でしばかれるぞ阿朱羅丸……

 

《大丈夫、大丈夫。僕と違ってこんな時間にクルルは起きて……くりゅせゃありゅうねせあ》

 

 

あ、阿朱羅丸さん?

 

 

《ハチ、ちょっとこの子借りてくわよ?》

 

 

サーッイエッサー

さらば鬼呪龍神皇……流石の阿朱羅丸もクルルには勝てなかったか………いや、実力は同じくらいのはずなんだがな………

 

 

 

「八幡くん?」

 

 

「ああ、すみませんサーゼクス様。少々寝不足でぼーっとしてました」

 

 

サーゼクス様の言葉でようやく現実に戻ってきた俺はこれ以上失礼のない様頭を仕事モードに切り替えた。

 

 

「大丈夫かい?あまり無理はしない様にね。それよりも僕は一応ここにはプライベートで来ているんだ。敬語はよしてくれ。今ここにいるのは魔王サーゼクス・ルシファーではなく八幡くんの友人のサーゼクスだよ」

 

そう言って俺を労いつつも敬語をやめる様促してくるサーゼクス様に対し、心の中で仕事でここの下見に来たのではなかったのかと軽く突っ込む俺は悪くないと思う。

現にサーゼクス様の隣にいるグレイフィアはサーゼクス様のことを睨んでるし……

 

 

「はぁ、わかったよサーゼクス。んで何の用だ?」

 

 

俺が言われた通りに口調を素に戻すとサーゼクスは満足げに笑い俺に話しかけてくる。

 

魔王にタメ口を聞いてる俺を隣の小猫とゼノヴィアは目を丸くして見ていたが……

 

 

「実はね、つい先ほどリアスに彼女の封印を解く様に言ってきたんだ」

 

「……マジ?」

 

「うん、マジだ」

 

 

サーゼクスの言葉に思わず返した俺の様子が気に入ったのか彼はご満悦の様子で返してくる。

 

 

「んで、俺に念の為に様子を見に行って必要ならあいつの枷になれと?」

 

 

「そんなことは言わないし、これは命令でもなんでもない。言ったろ?友人としてここに来ていると」

 

 

俺の皮肉めいた発言に苦笑いしながらも彼は続ける。

 

 

「私は友人として君に頼みたいんだよ。本来ならば彼女は君の眷属にするべきだった。しかし、当時はまだ君が駒を持っていなかったからね。とはいえ君の僧侶枠にもう空きはない。だから君に頼みたいんだよ。1人の友人として。彼女に力を貸してやってほしい」

 

 

そう言ってあろうことか彼は頭をさげる。

それを見たゼノヴィアと小猫は先ほど以上の驚きを見せる。

 

まぁ、プライベートとはいえ魔王が頭を下げたんだ、そりゃ驚くわな……

 

グレイフィアはサーゼクスを睨んでるかな?と思ったがそんなことはなくむしろ彼女の顔には疑問の色が浮かんでいた。

 

なんでだ?

 

《僧侶に空きがないってサーゼクスが言ったからじゃないかしら?》

 

あ、帰ってきたんですねクルルさん……

阿朱羅丸については触れないでおきます…はい。ってか確かにその通りだな。シノンはともかくもう1人の僧侶については俺の眷属とサーゼクスしか知らないから疑問に持たれて当然か。

 

というかなにこいつさらっと言ってやがる……

 

 

「わーったよ。どちらにせよ、あいつは短い間とはいえ俺が面倒を見てたんだ。今更もう1度見るくらいわけねぇよ」

 

サーゼクスに対する若干のイライラが溜まりながらも俺は了承する。

 

 

「そうか、受けてくれるか。ありがとね八幡くん」

 

そう言って彼は頭を上げると満足そうに頷く。

 

 

 

また面倒なことになるなと思いながら俺は溜息を吐く。ほんと溜息を吐いてばかりだ……

 

 

 

 

 

サーゼクス様は仕事があるらしくまた冥界に戻っていった。それを見届けた後俺たちは学校へと足を急がせる。

 

 

 

(始祖様)

 

 

そして急ぎ足で学校へと向かう最中ふと、俺にそんな声が聞こえた気がした。

 

 

放課後にあいつに会いに行くのか……

 

そう思うと面倒臭くもあり、楽しみでもあった。なんというか、妹の様に甘えてくるあいつのことは嫌いじゃないしな………

 

 

 

 

 

 




今回もそんなに量はなかったですね(^з^)-☆


はい、冗談です、すみませんm(__)m

できれば次回で一気に会合編を終わらせてその後閑話を入れたいと思っています。

でもたぶん後2.3話あって閑話になると思います(-。-;

それと活動報告にアンケートを乗っけたのでコメントなどしてもらえると幸いですm(__)m


ではでは。



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