とある視聴覚室
そこにはあるプロジェクトの要人達や政府の偉いさんが集められていた
とある研究員が話し始める
「えー皆さん本日はお集まりいただき誠にありがたく思います、本日紹介しますはこの戦争の相手を一撃で叩きのめすまさに決戦兵器と呼ぶにふさわしいものであります。
まっ、取り敢えずこのスライドをご覧ください」
幕にスライドが映された
そこには広大なロシアの森に立ち昇る巨大なキノコ雲であった
「この決戦兵器 新型爆弾と申しましょうか、ついこの前に魔女の力により発見されたエクセニウム、このエクセニウムというのは火薬にもガソリンの代わりにもなりうる魅力を秘めたものであります、そのエクセニウムを爆縮レンズといいます特殊な方法によりこの様な強力な爆弾が作れるのです、しかもこの爆弾は現在研究が進んでいるウランを用いた爆弾よりも小型にでき、現在研究が進んでいるミサイル兵器にも搭載可能です、そしてエクセニウムはほぼドイツ国内から無尽蔵に確保出来ます、そして!これが最大の利点!
ウランなどを使うと放射能による影響が懸念されますがこのエクセニウムは起爆後の人体の影響は無に等しいのです!」
これを見て宣伝省のゲッベルスは
「これは素晴らしい!この兵器さえあればイギリスさらにはアメリカも敵ではない!ベルクマン君!君はこのエクセニウム研究に率先して取り組んだそうじゃないか!総統閣下にもよく言っておく!」
「はっ誠に光栄であります」
ゲッベルスが満足そうに出て言ったが、同じ場にいたウラン・クラブの面々は不満と不安に満ちた顔をしていた
「如何下しました? 何かご不満がありそうな顔ですが?」
「これを使用したとして必ず戦争に
勝てるという見込みはあるのか?
使用してかつ負けてしまえば
悪魔に魂を売った極悪非道の国家として未来永劫語り継がれるぞ!」
「それはあなた方が研究している兵器にも言える事でしょう?」
「それはそうだが・・・まさかこの様なものをこんなに早く作り出してしまうとは・・・」
ウラン・クラブの面々は苦悩な面持ちであった
◆◇◆◇◆◇◆◇
「・・・リッケルト、お前はエイルシュタットに行って白い魔女の事を探りに行くんだってな」
「・・えぇ、ディートリッヒさん、向こうで何があるかわかりません、もしかしたらこれで会うのが最後になるかもしれません・・・」
「そう・・・」
すると通信兵が来て封筒を渡して来た
「・・? なんだ? ・・・なっ!!?」
「どうしました? 」
「これ見てよ」
そう言われてディートリッヒから渡された紙には
(ディートリッヒ単独での護衛のもとレレイと一緒にエイルシュタットへ向かい、白き魔女の情報を探れ)
と書いてあった
「なんだってまた、こんな・・・」
「それは私自ら頼んだ、この世界の魔法使いに興味がある」
そう言いながらレレイが出て来た
◇◆◇◆◇◆◇
とある町の一角
そこには乗用車に乗ったスーツ姿のディートリッヒと、帽子をかぶり普通の洋服に着替えたレレイの姿があった
「それではこれがリヒテンシュタイン国籍のパスポートです、」
「お手数かけます」
「いいえ、 それではディートリッヒ殿、お気をつけて」
特務の人に見送られながらディートリッヒはエイルシュタットへ向かった
(リッケルトはもう、エイルシュタットに入ったかな)
そんなことを考えているうちにエイルシュタット国境検問所まで来た
「パスポート拝見いたします」
「はい」
自分とレレイのパスポートをエイルシュタット兵に見せる
「・・・はい、はい、問題ありませんね、ようこそエイルシュタットへ」
「ご苦労様です」
そう言って警備兵が軽く敬礼したので癖で「Heil Hitler」と言いかけてしまった
「ハイr・・・!!」
「・・どうしました?」
「いっ!いやエイルシュタットにハイれたなぁーと思いまして!」
「そうですか、この旅が良い思いでになりますように」
「は、はぁどうも」
なんとか検問を通ることが出来た・・・
「ディートリッヒ 今のは結構危なかった」
「いや、ほんと申し訳ない・・・」