GATE ドイツ軍 彼の地にて、斯く戦えり   作:イブ_ib

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特別編 ギレイズン・ザヌビス

門から異世界に侵攻を開始した我々は拠点を設け、そこから攻撃を開始していった

 

私の部隊も敵の闘技場とも砦とも思われる所に攻撃を行なっている部隊の後ろに突入部隊として待機していた

 

◆◇◆◇

 

 

「さて、前方の弩隊の攻撃の後に我々の攻撃が始まるわけだが、

上手く行くだろうか・・・」

 

「ほう、あのザヌビス家の長男たる貴公が弱気とは」

 

「・・・戦いに絶対は無いからな、

それに異世界だ、何が来てもおかしくは・・・」

 

パパパパパ!!!

 

「?、なんだこの音は」

 

「蛮族共も魔法を使って来ましたか、しかし我々には選りすぐりの魔道士がおります、蛮族など敵ではありません」

 

 

「そうか」

 

(この途轍もなく不安になるこの気持ち・・杞憂であると良いのだが・・・)

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

ボンッ!!

 

(また魔法か・・・)

 

ギレイズンがそう思った瞬間

 

 

ドドーーン!!!

 

すぐ近くにいた兵達が吹き飛んだ

 

「ここまで飛ばしてきただと?!

この威力を!!?」

 

ヤバイ!ギレイズンは直感した

 

少なくとも敵は我々と同等、いや

それ以上の戦力を持っているだろう

そう考えている間も敵の攻撃が緩まるどころか、さらに多く近くなってきている

 

目に付いたのは門へ向かっている負傷者達だった

 

「指揮官殿、我々はこの負傷兵を門まで護衛致したいのだが、宜しいか?」

 

「ああ頼む、彼らを守ってくれ」

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

しめた!

 

ギレイズンは内心ほくそ笑んでいた

この前うまくいけば帰れる

 

正直ギレイズンはこの帝国の侵略戦争に飽き飽きしていた、

もちろん自分の国の事は弟達に任せ

帝国軍の指揮官職に就いていたわけだから、それ相応の地位にはつきたかった訳だが

 

 

「それ!門まで目と鼻の先だ!急げ!」

 

ギレイズンは負傷者を引き連れ門まで戻る

 

(空は我々のワイバーン隊がいる、

ここまで来れば一先ずは・・・)

 

ふと空を見上げる

 

すると其処には見慣れぬワイバーンが飛翔していた

 

「まさか!奴らの!!」

 

うねりをあげ、ワイバーンがこっちを目掛け急降下を始める

 

ズバババババッッ!!!

 

メッサーシュミットの機関砲が火を吹き上げる

 

 

「うわぁぁ!!」

 

「ウガァ?!!」

 

目の前で負傷兵が薙ぎ倒されていった

 

「急げ!!負傷兵を先に!門へ急げ!!」

 

ギレイズンは急いで門へ飛び込んだ

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

ギレイズンは無事帰って来れた

 

しかしほかの兵士達は戦死及び捕虜になったにもかかわらず、生きて帰ってきた為冷ややかな視線にさらされることも少なくなかった

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

それから数日後

部下からこんな話を聞いた

 

「何?連合諸王国軍でアルヌスを奪還?」

 

幾ら何でもそりゃ無茶だ、20万30万いようとあの世界の軍隊に勝てるわけがない、それこそ死にに行ってこいと行っている様なものだ

それとも帝国はそれを承知で・・・

 

するとドアがノックされ二人の厳つい男が入ってきた

 

「・・・サラディロスとドズーセルか、どうしたんだいきなり」

 

「これから俺らのジオンゾ公国も連合諸王国軍としてアルヌスにいる異世界の蛮族とやらを倒しに行くんだ、せっかくだから兄貴にこのことを報告に来たんだ」

 

「・・・!! そうか、しかしドズーゼルよ敵は手強い!お前らが勝てる相手じゃないぞ!」

 

「兄上は心配性の様で、我々連合諸王国軍は30万人、相手は一万足らず、戦いは赤子の手を捻る様ですよ」

 

 

「・・・そうか、必ず生きて帰ってこい」

 

「おう!敵将の首を父上のお土産にすんだ!」

 

「そろそろ行くぞ、ドズーゼル」

 

「それじゃあな、ギレイズン兄貴!」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

二人は死んだ

 

帝国は異世界侵攻で受けた痛手

を隠し、反旗を翻すかもしれない

周辺諸国の力を異世界軍によって削いだのだ

 

その後俺は皇太子の側近の悪口を言いブロージャへ飛ばされた・・・

 

私は帝国を恨んでいるかと尋ねられれば恨んでないとははっきりと言えないだろう・・・

 

◆◇◆◇◆◇

 

・・・・・

 

 

・・・ブブブブブブブブ・・・

 

シューーー!!! ドドーーン!!!

 

今日もまたドイツの攻撃が行われた

 

どの様な物なのか分からないが

今日は偶然その兵器が飛んでる所を見る事が出来た、ワイバーンの様なものが後部から火を吹き、けたたましい鳴き声を上げ続けながら街へ落ちて行き、爆発を起こすという物であった

 

ドイツの武器は最早我々の常識からかけ離れている、このままでは遅かれ早かれブロージャは焦土と化すであろう・・・

 

 


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