〜〜ブロージャ〜〜
ギレイズン・ザヌビスは自分の屋敷で何をするでも無く椅子に座っていた
つい先日、ブロージャ総指揮官の任を解かれ何もすることが無くなってしまったのである
(・・・ゾルザルの野郎、あんな事した癖にのこのこやって来て今度は俺に任せろだ・・・? 冗談も大概にしろ・・・)
□■□■□■□話は数ヶ月前に遡る
帝都陥落より前
ーー帝都
皇帝府
そこではゾルザルとその取巻きが今後の作戦について話し合っていた
その中のヘルムが意見する
その内容は怪物を集め、アルヌス周辺に放ち村々を襲わせ焦土にしようというものだった、他にも帝国兵が民間人の格好をして、ドイツ軍を油断させて後ろから弓を引くという便衣兵のような事も考えていた
その時一緒にその場にいたピニャ殿下は怒り出した
「恥を知れヘルム!そんな事して帝国の名誉はどうなる!
貴様それでも帝国軍人か!!」
「ならば正々堂々戦って負けますか?ピニャ殿下
名誉や誇りなど死んでしまえば意味が無い、くだらぬ事です
負けてしまっては意味が無いではないですか」
「ヘルム殿、いっその事兵に敵の装いをさせて街を襲うというのは?」
「その手もありますな、私とカラタス殿はベルリンで敵の姿をしかと見ている」
「それだ!汚名は全て敵に着せよ、さすれば敵は疑心暗鬼に駆られ
民はドイツを敵視するだろう、
ドイツは帝国と民の二つを敵に回すのだ」
「実に滑稽です、陛下」
ギレイズンはそう言った
「・・・貴様、今なんて言った」
「所詮、帝国兵でも結局はこんな頭ばかりのモノだらけだったということだから滑稽だと言っているのです、私もベルリン戦没帰りですが
とてもそんな幼稚な作戦じゃ叶う相手ではありませんし、商人から聞いた話ドイツ軍は相当数の民を弾圧、牢獄送りにしている様子、今更ドイツに反抗しようとする者などおりますまいて」
「・・・なんだ貴様は皇帝に楯突こうというのか」
「私は皇帝陛下が滑稽とは言っておりません、この3人が滑稽だと申しておるのです、それでは失礼します」
そう言うとギレイズンは皇帝院から出ていった
後日ブロージャの総指揮官を務めるようにとの手紙が来たのだ
ブロージャは確かに堅固な要塞だ、しかし場所は帝都の北東
アルヌスとは正反対のところにあり、実質左遷のようなものだったのだ
しかしドイツ軍が帝都を占領し、ゾルザル一味が撤退を余儀なくされ
1番近く、戦いを継続するために最適だったのがブロージャだったという訳だ
□■□■□■
「・・・さて、これからどうするか」
ギレイズンは椅子に座りながら考えていた
次回 感染病アカフルエンザ