GATE ドイツ軍 彼の地にて、斯く戦えり   作:イブ_ib

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いざ進め!無慈悲な報復ぞ!


37話 転換点

「我らに雪辱の機会を!」

「殿下!」

「この命殿下にお預けいたします!」

 

(これだ!この視線こそ皇太子たる自分に向けられるべきもの・・・

なのになのに・・・・」

嫉妬に燃えているゾルザルを横目に

(ゾルザルの周りの奴らまた戦争しようとか思ってんのかな

馬鹿だなぁ)

ヨードルは料理を食べていた

 

 

厨房ーーー

ゲーレンは無事侵入する事に成功する

「これに皇帝陛下の飲み物を注いで持ってけよ!」

料理長と思わしき人物がそう言いながら豪華なコップを取り出しお盆の上に置いた

 

(これか・・・・)

何気なくコップに近づきゲーレンは水で溶かしたヒ素を

手袋をして内側に塗りつけた

 

そして怪しまれないように厨房から出ていった

 

その数秒後

 

「これね・・・」

そういいながら一人の女がワインを注ぎながら

謎の液体を混ぜた

 

これによりテューレ側とドイツ側両方の毒が混ざったものが出来たのである

 

会場ーーー

 

「大臣、ホントに大丈夫ナンでしょうね・・・」ヒソヒソ

「心配するな・・・皇帝が倒れたら馬車に待機させている衛生兵が解毒剤をすぐに持ってくる事になっている・・・」ヒソヒソ

「あ・・・遂に乾杯ですよ」

目の前ではまさに皇帝モルトが乾杯の音頭をとっていた

 

「皆の者!今日の良き日に、乾杯!!」

 

念の為ヨードルはワインに銀の棒を入れてかき混ぜてみるがなんともなかったので、普通にごくごくと飲んだ

 

「ガハァッッッ!」

予定通りモルトが倒れた

「父上!?!」

「キャアアアアアア!!!!!」

「父上!しっかりしてください!!父上!父上!!!!!!」

ピニャが倒れたモルトを揺さぶっていると

ドイツ軍の衛生兵が駆けつけてきた

「はいそこ退いて退いて!」

「なんだ!貴様らは!皇帝に触るな!」

ざわついた人々を落ち着かせながら

ヨードルは衛生兵に話しかけようとした

「おい・・・もう大丈夫だろ?」

顔を見ると衛生兵の顔が青ざめていた

「・・・・死んでる・・・」

「はぁ?!?」

「死んでるんです・・・息をしていない・・・」

震えながらそう言うと衛生兵はテーブルに置いてあったヨードルのワインを飲もうとした

「飲んどる場合かーッ」

そう叫びながらワイングラスを叩き落とした

「父上!?嘘ですよね?嘘と言ってください!!」

ピニャは泣き叫びながら衛兵に運ばれるモルトの亡骸について行った

ゾルザルはどうすれば良いかわからずオロオロしていた

 

「大臣これはいったい・・・」ヒソヒソ

 

「ゲーレンに持たせたのはヒ素だと聞いたが」ヒソヒソ

 

「これは困ったことに・・・」ヒソヒソ

「そんな事はわかっとる!・・」ヒソヒソ

 

「取り敢えず私達は帰らせてもらう!」

そう言うとアルフレークは帰る支度を始めた

 

使節団は混乱の中慌てるように翡翠宮へと帰って行った

 




急な坂道を下ってたら砂利で滑って掌と膝を擦りむいてしまいました
毒の話は何を言いたいのかというと
それぞれの毒は死に至らしめるほどの毒では無かったが
二つの毒が混ざってしまい即効性の強い毒が出来てしまったという訳

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