翡翠宮ーーーー
アリーセは翌日翡翠宮に来る補給の馬車にアロイツ中尉とツェーザルと一緒に乗り込み帝都から脱出することとなった
「それでは中尉、この事宜しくお願いします」
「うむ、帝国は直に我軍の鉄鎚を受けるだろう」
ディートリッヒ達に見届けられながら馬車は夜明け前にアルヌスへと向かった
途中イタリカできちんと自動車に乗り換えて、アルヌスの司令部に
拉致被害者の事を話した
アルヌスーーー
「ただいまアロイツ中尉が戻りました!」
「無事に帰還できて何よりだ、そして彼女がさっきイタリカからの通信で聞いた・・・」
「はい、彼女が数ヶ月前からベルリンで行方不明になっていた
アリーセ・ベンダです」
〜~中尉説明中〜〜
「なんということだ・・・今すぐにも総統閣下に連絡しなくては!」
総統官邸ーーー
「総統、特地からの緊急のお電話です」
「どれ?電話をよこしてくれ」
「もしもし?総統だ」
〜〜司令官説明中〜〜
ガチャ
総統は受話器を置くと、細かく震えていた
「蛮族如きが奴隷など・・・
なぁゲッベルス敵のゾルザルとかいう奴は、我が国を焼き払ってくれると言ってたつまりは我が国に危害を与えようとしている、まぁ実際もうしているが・・・そういう時はどうする?」
「やられる前に先にやってしまえばいいと思います」
「ゲーリング、精鋭の爆撃機部隊を用意出来るか?」
「はっ!コンドル部隊にいた者達を今すぐに特地へと向かわせます」
「なるほどコンドル部隊か、よろしい攻撃目標は・・・悪所を全体的に爆撃してくれ」
「わかりました」
そう言うとゲーリングはナチス式敬礼をしてから執務室から出ていった
「それとすぐに国民にこの事を伝える準備をしてくれ!」
総統官邸が騒がしくなった
数時間後ーーー
特地の門から、分解されたHe111E型が5機運ばれて来た
(よく写真で見るHe111の機首は砲弾型だが、初期の方は一式陸攻のように2段になっているのである、He111E型は2段機首の奴である)
「おうおう!凄い飛行機だなぁ!」
「こんなやつを帝国相手に使うなんて少し勿体ねぇんじゃねぇのか?」
組み立てられている爆撃機を見ながらドイツ兵達は喋っていた
翌日昼ーーー
「攻撃目標は帝都南東にある悪所!この攻撃は帝国へ圧倒的な力を見せつけることによる警告である!」
「皆!帝国は我々に対して何も出来やしない!落ち着いて行け!」
「ゲルニカよりも楽勝だな!」
「どうせならスツーカの奴らも来てくれれば良かったんだがな」
こうして帝都に向かって5機のHe111E型爆撃機が飛び立った