「平和か・・・・・耳心地の良い言葉だ・・・だが
勝って与える平和は美味で負けて施される平和は実に苦い、
儂は今日まで勝って与える平和しか知らなかったが・・・
ドイツ軍に帝都が蹂躙されん前に講和交渉が必要だろう、
ヨードル殿、ドイツはどのような条件を出すおつもりで?」
「我が国が求める講話条約はーー
1、帝国は戦争責任を認め謝罪し責任者を処罰すること
2、帝国は賠償金として3億スワニを支払うこと、
賠償額相応の地下資源でも可
3、帝国軍は現勢力の半分を減らし、アルヌスを中心とする半径150リ
ーグをドイツ国に割譲する
またその外径20リーグを非武装地帯とする
4.通商条約の締結
「・・・・」
「3億スワニ?!??」
「無茶な!世界中の金を引っかき集めてもそんな額にはならんぞ!!」
「それに帝国軍を半分になんてのも無茶だ!!」
それを聞くとピニャは足が震えだした
(妾は化物を連れてきてしまったのか?)
「ヨードル殿それは・・
帝国への死刑宣告と変わらないではないか、
そんな手間をかけずともさっさと妾達を殺せばよかろ?」
「3億スワニは流石にインパクトあり過ぎましたか、単純に我が国の相場に当てはめただけなんですがね、大体このぐらいで我が国家予算数年分になるんですよ、」
「3億スワニもの額がたった一国 、数年分の年間予算と同じだと?!」
「ドイツとはそれほどの大国なのか」
「えーー待ってください皆さんーー」
ーーーーヨードル説明中ーーーーー
「・・・要するに賠償額については応交渉という事か?」
「そうです」
(負けた国なぞ属国化や君主を追放、死刑にして民は奴隷にするのが当たり前だが・・・)
(賠償金のことは何とかなったからよしとしよう)
そんな一連の流れをディートリッヒは眺めていたわけだが、
そんな時後ろから偵察兵がやって来て
ヒソヒソ「こちらに騎馬の集団八騎がやって来ます」
「わかった、急いでトラックを手配してくれ安全なところまで講話派を移動させる」
「了解」
「ピニャ殿下!議員の皆さんを離脱させます、遊園会はこのまま続行で、いいですね?」
「わかった」
向こうからオペルブリッツが数台走ってくる
「さぁさぁ早く乗ってください!」
「皆様方を南東門近くまで安全にお送りします、しっかりつかまってください、」
などとしているうちに遊園会場ではバカゾルザルがやって来て大した事がないと分かると、少し料理を持っていって帰った
帝都ーーー翡翠宮
そこではヨードルと第三偵察部隊の面々が他の部隊と交換しながら警護に当たっていた、
ある日、弓矢を避けるために連れてきていたミューティーが
顔を真っ青にしていた
「おい?どうしたんだミューティー、顔が物凄く真っ青だぞ・・・」
次回27話 揺れる帝都