とある荒野ーー
そこに1人の女性が立っていた
「アルヌス・・・あそこに灰色の人がーーー」
ドイツ軍がアルヌスに基地を構えて、イタリカの戦いを境に周辺は平穏になった、
その間にピニャの要請で難民施設の近くで語学研修が始まった
研修員は薔薇騎士団のメンバーに従者、ドイツからはSS隊士官 国防軍士官など、他にも内地の官僚など、講師は老師カトーとその弟子と現地語を理解している隊員である、
龍の鱗が収入源となったため、難民への援助が早々に打ち切られた、
他にも街まで距離があり面倒だという事で難民施設へ酒保の様な売店を設けた、
場所は変わって帝都ーーー
帝都に来た外交官アルフレッド・ヨードルはピニャと共に元老院議員との水面下交渉を開始した
「あぁ糸杉の香りが心地よい・・・」
気づくと羊皮紙にヨダレが垂れていた
「ピニャ殿下、寝室でおやすみにお休みにならなかったのですか?
帝都に戻ってからこうも多忙だとお体に触りますよ、」
・・・・・・しばらくして
「遅い・・・」腕時計を見ながらヨードルは呟く
「おはようヨードル殿相変わらずお早い」
「おはようございますピニャ殿下、相変わらず美しい」
(あんたが遅いんだよ)
「キケロ卿で午餐、晩餐はデュシー家、胃袋がいくつあっても足りんわ」
(異世界ではどんな食べ物が出てくるのか・・・楽しみだ・・・
うん、この粥のような食べ物・・いいぞぉ・・・)
などと井之頭五郎のような事をヨードルは考えていた
キケロ卿午餐ーーー
(なるほど・・これは胃にくるな・・・だけどさすが貴族の料理・・旨い・・・)
「ヨードル殿彼がキケロ卿だ、」
「キケロ・ラー・マルトゥス帝国開闢以来の名門の流れをくむマルトゥス家の一族だ、彼は元老院では顔の利く重鎮、主戦派の中でも話せる御仁だ。」
「キケロ卿
こちら大ドイツ国外交特使ヨードル殿だ、」
「初めまして」
「ドイツ・・・はて、失礼ながら初めて聞く名だ、どのような国かね?」
「そうですね、自然豊かな土地があり、素晴らしいリーダーを持つとてもいい国です、」
「ほぅ」(素晴らしいリーダー・・・こやつは帝国を挑発しているのか?)
「我が国の産物を持ってきました、ご笑納ください」
キケロ卿の前に出されたのは、数々のマイセンにガラス細工、
キケロ卿にとって初めて見るものばかりである。
「これは・・・」
でかいガラスの花刺しを持ちながらそれを見つめていた
「いや失礼した、あの透き通る壺と言い、これほどの逸品を作れるドイツとはどこにあるのかな?」
「我が国は門の向こうにございます、残念ながら現在帝国とは戦争中でありますが」
ーーーー
「ピニャ殿下どういうおつもりか!!!これは売国に等しい行為ですぞ!!ヨードル殿もこのままで済むと思わんことだ!
数ヶ月もすれば再編された新生帝国軍10万が再び門を越え貴国を攻め滅ぼしてくれようぞ!」
(うるせぇなぁ出来るわけねぇのに・・・・)
「その時は殿下もご覚悟を!」
「キケロ卿どうかこれをーーー」
!!?
「これは出征した甥の名ではないか!なぜ貴殿が!まさか生きているのか!」
「ピニャ殿下に仲介の労をになって頂く代わりに、殿下からご要望のあった数名の捕虜を無条件で返還さしあげます」
(殿下の交渉次第で捕虜の返還条件が左右される
交渉を邪魔すれば甥の運命も)
「妾は今宵デュシー家令嬢誕生パーティに良き知らせを持って出席するのだが卿もいかがかな?」
「デュシー候のご令嬢とは面識ごさいませんがーーー」
(まさかデュシー家の者にも捕虜が・・・・
ここで断れば甥の帰還は絶望的になる・・・)
「是非ともその良き知らせが届く場に私もご相席させていただきます。ーーー殿下」
この前中古屋に行ったら査定前のSONYジャッカル300が置いてあった、いくらになるんだろう・・・欲しい