欲望にはチュウジツに!   作:猫毛布

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息抜き(5500字


-追記
やっぱりMFで出版されたIS二巻のセシリーは最高ですな


憧れの職業・種馬

 どういう訳か知らないけれど、篠ノ之さんの視線がキツくなっていた授業時間も終わり、時は放課後へと変わった。

 本当に何もしていないんだけれど、俺は無意識でまた何かをしてしまったのだろうか。それとも授業中に山田先生のおっぱいを凝視していたのがいけなかったのだろうか……。確かにおっぱいという点では山田先生に負けないおっぱいをお持ちである篠ノ之さんであるが、如何せんその鋭い目付きがいけない。いいや、確かに篠ノ之さんは美少女だ。それは間違いない。そして巨乳だ。コレも間違いではない。

 ん? 俺は何を言いたいんだっけ。まあ、とにかくおっぱいは素敵って事だな。

 

「穂次さん」

「ん? どしたの? セシリアさん」

「この後時間はありまして? 第三アリーナで学年別トーナメントの特訓を」

「あー。オッケー。っても記録と偏見での見解しかできねーよ?」

「……今度は何をしましたの?」

「その俺が常に何か悪い事をしてる、って思うのはどうかと思うんスけど?」

「……そうですわね」

「ありゃ? 素直に受け入れられた」

「いくら救いようの無い変態で馬鹿な穂次さんでも常に悪いなんて事ありませんわ」

「あ、そういう攻めだったのか……泣きたい」

 

 俺がションボリしているとクスクスと微笑むセシリアさん。俺を弄って楽しむなんて……!! 素敵な趣味ですね! もっとやってもいいんですよ! 具体的には靴脱いで踏んでもいいんですよ! 踏んでください!

 それにしても、素晴らしい太ももだぁ。黒いストッキングも素晴らしい。もう、素晴らしい。挟まれたい。

 こうして隣で歩いているだけだけど、イイ匂いするし。ホント、完璧な美少女だよな、セシリアさん……。欠点らしい欠点が料理ぐらいなんて……ホント、カンペキダナー。

 

「どうしましたの? お腹を抑えて」

「いや、なんでもない。前に食べたセシリアさんのサンドイッチを思い出して――」

「よ、よろしければまた作ってさしあげますわよ?」

「――よろしくお願いします。イヤー! 嬉しいな!!」

「ふふふ、そうですかそうですか。フフフ」

 

 思い出してお腹が痛くなったなんて言えなくなってしまった。更には新しい苦行の予定まで決定してしまった。こんな輝かしく愛らしいセシリアさんの期待を裏切ることなんて出来るか? 否出来ない。少なくとも俺には出来ない。

 ころころ笑っているセシリアさんを見てヘラヘラとした笑いを張り付ける。冷や汗なんてかいてないんだからねッ!!

 

「あ」

「あ、ふーん」

「鈴音さんは何を感知したんですかね……」

「アンタらってそんな仲よかったんだぁー、ヘェー」

「ッ! そ、そんな、わたくしと穂次さんが仲がいい筈がありませんわ! 誰が、こんな変態!」

「……なあ、鈴音さん。俺って泣いていいの? よくわかんねーけど、スゲー不当な罵声を受けてる気がするんだけど」

「罵声の中身は真っ当だから素直に受けときなさい、変態」

「……なるほど。つまり、不当な扱いをされるなら真っ当にしろと、そういう事ですね!! セシリアさん! そこまで言うならおっぱいを、いや、太ももを撫でさせて、いいや!! 踏んでもいいんですよ!!」

「…………」

「急に視線が冷たくなったんですが……」

「まあ、妥当ね」

 

 血が頭に昇っていたのか顔に赤みを差しながら順調に俺を罵っていたセシリアさんが俺の一言で停止して、俺を見下してくる。照れてしまうじゃないか!!

 罵倒されてるのはいいんだけど、もっと、こう俺にご褒美的な何かがあってもいいと思うんだ。おっぱいを触れたり、おっぱいに挟まれたり、胸に抱きこんでもいいですよ!! あ、鈴音さんは別にいいから。安心してくれ、俺は貧乳にも優しいんだ。

 

「穂次、次に余計なこと考えたら――」

「い、イヤダナー、何も考えてませンヨー」

「潰すから」

「あ、ハイ」

 

 いったい何が潰されるかは分からなかったが、この目はマジである。というよりどうして俺の思考は読まれるんだ……頭の上にやっぱり吹き出しでも出てるのか? いいや、それならこの俺の溢れんばかりの愛が皆に伝わっていてもおかしくはない。皆は俺におっぱいを触らせてくれても何もおかしくないだろう。

 つまり、頭の上には吹き出しは出ていない。

 んじゃ、なんで読まれるんですかね……。

 

「それで、セシリアも学年別トーナメントに向けての特訓かしら?」

「ええ。元々優勝する気でしたがとある噂を聞いて――」

「? アンタもあの噂を聞いたの?」

「――優勝宣言した変態には勝つ為ですわ」

「……あぁ、うん。なるほど、わかったわ」

「あの、俺にもわかる様に話してくれませんかね? 少なくとも今朝に俺が宣言したのはわかるけど、セシリアさんがソレでやる気になる理由がさっぱりなんですが……」

「変態に負けたくないって普通じゃない?」

「あ、なるほど。スゲー納得いったわ」

 

 悲しいけど、二人共俺より強いじゃん。こんな小市民なんて警戒しなくてもいいだろ。少なくとも、鈴音さんとセシリアさんを相手にして勝てるなんて思えなんですが……。

 

「つーか、時間は有限だからさっさと特訓をハジメマショー」

「何? アンタまだISの使用許可下りてないの?」

「覗きの罪は重い……つーか、一昨日あたりにボーデヴィッヒさんと一夏を止める為にIS展開したのがバレて余計に罰則が増えた」

「……ああ、アレね」

「まあ、別に罰則が増えるのはいい。基本的には俺が悪いし、説教に託けて美人教師に怒られてるのも素晴らしいから別にいい」

「……」

「アンタ、そんな事を言っているからセシリアからの視線が強くなるのよ」

「だがしかし! どうして誰も俺におっぱいを触らせてくれないのだろうか!?」

「遺言はソレでよろしくて?」

 

 ニッコリと笑ってコチラにスターライトmkⅢを向けるセシリアさん。思わず両手を上げた俺は悪くない。いや、そもそもソレ以前で悪い発言があったのだろうけど。

 

「ヒッ……もう少しマトモな発言を――」

「――穂次さん!」

「へ? へぇあぁあああああ!?」

 

 セシリアさんに抱かれ、急に視界が動く。

 何!? 怖い!! スゲーこわ……ん? うぉぉおおおおお!! スゲー!! 柔らけー!! え!? 何コレ!? 夢か!? 遂にご褒美をいただけた訳か!! スゲー!! 美少女に抱き締められているってスゲー! イイ匂いもするし! ココが天国ってヤツか!! 死んでもいい、いや死にたくない!!

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ……」

 

 セシリアさんの言葉なんて関係ねぇ! 今はこのおっぱいと素晴らしい匂いと、滑らか過ぎる美しい髪を堪能する時だ!!

 なるべく気付かれないようにソレっぽい表情だけ作ってりゃいいだろ!! ハッハッハッ! 俺の演技力ってヤツを見せてやるよ!!

 

「……どういうつもり? いきなりぶっ放すなんてイイ度胸してるじゃない」

「中国の『甲龍』とイギリスの『ブルー・ティアーズ』か……データで見たときの方がまだ強そうではあったな」

「何? やるの? わざわざドイツくんだりからやってきてボコられたいなんて、随分なマゾっぷりね」

「あらあら鈴さん。コチラの方はどうも言語をお持ちで無いようですわ」

「はっ……。二人掛りでも量産機に負ける程度の力量しか持たぬものが専用機持ちとはな」

 

 あ、これは胃が痛くなるヤツだ。もういい! 俺はおっぱいを楽しむんだ!!

 ああ、素晴らしい、なんて柔らかいおっぱいなんだ!!

 

「……ふん、それにあの程度にも反応出来ない荷物もいるようだしな」

「え? おっぱいがなんだって?」

「…………」

「…………」

「…………」

「あれ? え? いやいや、聞いてたよ。ヤダナー。別にセシリアさんのおっぱいが素敵過ぎて耳に何も入ってこなかったとかないッスよ? ナイスおっぱい」

「…………」

「いや、すいません……あの、無視はやめてくれないッスかね?」

 

 セシリアさんが俺を離し、その上に背中を押して俺から離れた。スゲー、扱いが悲しい……。でもおっぱいをありがとう。ありがとう!!

 

「ふ、ふん……所詮は政府に選ばれた種馬だな」

「これは……褒められてるな!」

「穂次、挑発されてるのよ……」

「なんですと!? 種馬は憧れの存在ではないのかッ!?」

「……所詮は二番目か。知性に欠けるな」

「アッハッハッ。……安い挑発だなぁ、ラウラ・ボーデヴィッヒさん。君を教えた人の知性も知れているな」

「――なんだと?」

「おや、お気に障ったかな? それは失礼。けれど君がしている事全てはその教官殿に泥を塗っている事に気付かないのか? いや、失敬。ソレもわからない程度の知性だったな。アッハッハッ」

「貴様……」

「おっと、何も持たない民間人に攻撃か? それこそ教官殿は君に何を教えたんだか……まったく、君の教官は無能もいい所だな」

「それ以上、貴様が教官を語るな……!!」

「何を言う、君が俺に語らせているんだ、ラウラ・ボーデヴィッヒさん。君の行動一つ一つが全て教えた人の評価に繋がる。つまり、評価を落としているのは君自身だ」

「ッ……私が、教官の評価を――」

「そうだ。ああ、すまないね。君には幾分も難しい話だった。所詮、奇襲しか出来ない君には、ね」

「――っ」

「ココで攻撃を仕掛けようとする。ソレも馬鹿の様な行為だ。君自身が荷物と呼び、知性が欠けると言った俺の挑発に乗り、攻撃を仕掛ける。さて、知性が無いのはどちらだろうか、ラウラ・ボーデヴィッヒさん?」

「…………」

「ではこうしよう。今回の戦いに関しては俺の預かりとする。然るべき場所で、真正面から、奇襲もなく、不利も有利もなく、尽力し、決着をつけよう。お誂え向きに月末には学年別トーナメントも控えている事だ。って事でいいかな、お二人さん?」

「え、ええ……わたくしは、別に」

「あたしも問題は……」

「ボーデヴィッヒさんは当然問題なんてないだろ? それこそもう君は教官殿に泥を塗る訳にはいかない訳であるし」

「……ああ」

「ならばこの場は夏野穂次の預かりとする。対戦し、負けた者は勝者に謝る事!」

「なっ!? アタシたちは――」

「お二人さんもボーデヴィッヒさんを挑発してたでしょーが。ソコは褒められるべき所じゃねぇぞ?」

「それは……そうですが……」

「んじゃま、ボーデヴィッヒさんはこの場は矛を収めるって事で。対戦相手に情報を落としていくなら俺が相手するぞ?」

「……ふん」

 

 IS状態を解除してアリーナから出て行くボーデヴィッヒさん。いやー、怖かった。いつ撃たれるかヒヤヒヤした。 流石に亜音速なんて俺には反応できねーよ。

 

「ふぅ、怖かった怖かった。いやぁ争いが無くてみんなハッピー」

「アンタ、穂次よね?」

「え? こんなカッコいいヤツが他にもいるのか!?」

「あ、穂次ね」

「それより穂次さん、その……大丈夫ですか? 先ほどまでいつもと違う様でしたが……」

「惚れ直した? イヤー! 美少女に惚れられて困っちゃう!!」

「……」

「ヒッ……視線がキツイですよ! セシリアさん!」

「それで? なんで怒ってたのよ」

「え? 別に怒ってねぇけど?」

「いや、怒ってたでしょ。普段のアンタからは想像出来ないわよ」

「いやぁ、照れますなぁ。っても、本当に怒ってはねぇッスよ」

「ふーん、知性が無いって言われてキレた訳じゃないのね」

「え? 鈴音さん、俺に知性があるように見えてたんスか?」

「自分で言ってりゃァ世話ないわね……」

「それじゃあ、二番目と言われた事ですの?」

「別に俺がセカンドなのは変わんネーでしょ。むしろ面倒な事は一番目に任せれる二番目サイコーッス!

 つーか、別に俺がどうのこうの言われてるのは慣れてるからいいんだよ。変態だし、馬鹿だし、知性がなけりゃ、荷物な二番目だし。うん、事実しかねーな」

「……ああ、なるほど。ふーん」

「鈴さんはわかりましたの?」

「あーあー! えっと、そうそう。セシリアさん、助けてくれてありがとう! あとナイスおっぱいでした!!」

「鈴さん教えてくださらない?」

「無視はいやん。つーか、あんまり触れないで! たぶん鈴音さんが当たってると思うから、ヤメテ! 恥ずかしいからヤメテ!」

「別に自分はどうでもいいんじゃなかったんじゃないのー?」

「ひぃっ! 恥ずかしいからヤメテ!!」

「? どういう事ですの?」

「ああ、セシリアさんが馬鹿でよかったぁ」

「穂次さん?」

「ヒェッ……」

 

 カタカタ震えて両手を上げている俺は何も悪くない。スターライトmkⅢを構えているセシリアさんの後ろでクスクス笑っている鈴音さん。まあ鈴音さんは言わないだろう。変に義理堅いのはわかってるし……。今度姉御と言ってやろう。

 

「そこで銃を向けられている阿呆」

「ヒッ……織斑先生じゃないッスか」

「お前に少し用がある。オルコット、コイツを借りてもいいな」

「え、あ、ハイ」

「提案じゃなくて確定だったんですが……つーか、今日のお手伝いは全部終わったじゃないッスか。どうしたんスか?」

「いいや、先ほどの舌戦を聞いていてな。随分と好き勝手言ってくれたではないか」

「……いやいやいや、俺は織斑先生の事――あっ」

「ようやく気付いたか、阿呆。阿呆め」

「ちょ、ちょっと待って下さい。俺は悪くないッスよ。そう全部一夏ってヤツが悪いんだ!」

「黙れ三下。何、安心しろ。全部終わる頃には目が覚める」

「ちょっ、ソレって完全に俺の意識飛んでるじゃないッスかヤダー!!」

「では行くぞ」

「待った!! 待って! 織斑先生!!」

「どうした、阿呆。お前のせいで私の貴重な時間が浪費されていくぞ」

「スイマセン!! 連れて行かれるのはいいッスけど、なんで頭掴んでいくんスか!?」

「持ちやすかったからな」

「あ、なるほどー!! さっすが鬼ッスねダダダダダダダダダダダ!! 割れるから! ミシミシいってっから!!」

「割れろ」

「死刑宣告!?」

 

 その後のことは若干記憶にない。けれど俺が生きているという事は、どうやら頭を割られる事はなかったらしい。連れ去られるのを見ていたらしいシャルロットさんと一夏から妙に優しくされるが、二人は俺がどうなっていたかを頑なに言ってくれない。

 マジで記憶に無いことが幸いである。




>>篠ノ之さん の にらみつける ▼
箒「(コイツも一夏が狙いか!!)」
一夏「(穂次に負けないよう頑張るぞ!)」
穂次「やっぱりやまやのおっぱいが最高なんやなって」
真耶「穂次くん!!」

>>不当な扱いを真っ当に
 痴漢冤罪で捕まりそうになったら相手の乳を揉むのだ。冤罪じゃなくなるぞ!

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