本当に遅れました。申し訳ございません。
毎日投稿をちゃんと時間を守って出来てる人はスゲーですわ……。
息抜き(7500字
目が覚めるとソコは保健室だった。最近お世話になりすぎている様な気がしないでもない。というより、
痛い。全身痛い。ISの絶対防御は効果が薄いのだろうか……いや、うん、ないな。
体を起こして気絶していた分で動かせなかった筋肉を動かしていく。腕を高く上げた所で左肩に鈍い痛みを感じて止まる。
「イテテテテ」
「阿呆が。あまり動くな」
「っても全身打撲程度でしょ。問題ねーですよー」
鋭い目をして俺を窘めた織斑先生にヘラリと笑って言葉を返す。左肩が痛むのは変な体勢で盾を使っていたからだろう。うーん、色々足りないなぁ。
「夏野。
「いやぁ、アハハ……数秒程度だったので、つい」
「……お前を責めるヤツは居らんさ。ただし、許可無く閉じることは今後禁じる」
「ういッス。んで、事の顛末って何かあります?」
「所属不明機は白式の一撃によって粉々に粉砕。政府側はこれ以上の情報を求めているが……」
「あー、まあ、粉々になってるんなら仕方ないでしょー。政府も無茶なことを言うモンですねぇ」
「明日の朝にはアリーナの復旧活動もする。ソコで見つかるかも知れんが……あまり期待は出来んな」
「あー、そうッスねー」
互いに肩を落として溜め息を吐き出す。お互いの状況を確認した所でようやく一息吐けた程度のモノだ。
「……なるべく早く治せよ、夏野」
「心配してくれてるんスね。いやぁ織斑先生に心配されるなんて男冥利に尽きるッスねぇ」
「お前が居らんと仕事を任せるヤツが居ないからな」
「ふぇぇ……生徒にさせる仕事じゃないッスよぉ」
「ふん。それと、お前は適度にヘラヘラ笑っていろ。それが夏野穂次だろう?」
「……そうッスね! いやぁ、変に落ち込んでたんスかね! お気楽極楽極々普通、それが俺でしたね! アッハッハッハッ!」
「そのまま極楽にでも行ってろ」
「乗せるだけ乗せてその反応はどうかと思うんですが……」
笑いを零してみれば随分と冷たい反応が返ってきた。どうしろってんだ!
口を尖らせたところで誰もキスをしてくれないんだから、ガックリと肩を落とすことで不機嫌を表していく。当然、織斑先生はそんな俺を見て「可哀想! 仕方ない慰めてやろう!」と感じる筈だ。いやー! おっぱいがきっと当たるんだろうな! 出来れば山田先生にお願いしたい。なんか織斑先生のソレは硬そうだし……。
「怪我人に手を出す気はない」
「……ナチュラルに思考を読まないでもらえますかね」
「治ったら覚えていろ」
「ヒッ……怪我の治らない方法を調べなきゃ」
怪我が治る前に次の怪我の予約が取れてしまった。保健室の住人になりそう……いや、次に目が覚めることがあったならそこはきっと来世になってるだろう。夏野穂次はクールに去るぜ……!
「ふん……その調子で後から来るヤツらにも心配させない様にしていろ」
「了解ッス! むしろ俺を心配してる人とかいるんですかね……」
「サンドバックが無くなれば誰を殴ればいいかわからないだろう?」
「例えとして出すのが可笑しくないッスか?」
「……巻き藁が無ければ試し切りもできんだろう」
「なるほど。つまり、俺は意外に大事にされてたんですね! ワカリマス(白目!」
サンドバックか巻き藁……きっと他に例えを聞いたら瓦とか端材とか、そういうのが出てくるんだろうな! 流石俺! 必要とされてるな(錯乱。
どこか遠くを見ながら乾いた笑いを浮かべている俺を見て満足したのか、織斑先生は少しだけ口元を歪めてからいつもの様にキリッとした表情に戻り保健室を出て行った。
んじゃ、俺も出て行くかな。
と布団を出て両足で地面を踏む。冷やっこいタイルが足に冷たい。
「って、まだISスーツのままじゃん……。フッ、また俺の貞操が守られてしまったか」
泣きそう。
いや、ともかくとしてスリッパを履いて、パタパタとゆったり鳴らしながら保健室の出入り口に立つ。自動扉というのはやっぱり楽だな。
開いた扉の先に、俺は金色の髪を見た。その奥に一夏の顔も見た。その隣には篠ノ之さんも見えた。
「ッテェ!」
「――――っ! ど、どうしてソコに居ますの!?」
「そりゃ出る為に決まってるでしょうが! まさかオルコットさんの頭突きが俺のアゴにキまるなんて思っても見なかったけどな!」
「ISで気絶して、ようやく起きたと聞いて急いで来ましたのに、その反応はどういうことですの!?」
「いやいや! これだけは言わしてもらいますよ! いつもは俺の冗談ですましてるけど、コレだけは言わしてもらいます! 今回に限ってはオルコットさんの前方不注意が原因でしょうが!」
俺はアゴを抑えて、オルコットさんは頭を抑えて涙目で俺に牙を剥いている。俺の反論に悔しそうな顔をして、それこそ「ぐぬぬ」とでも言いたそうな顔をしていたオルコットさん。可愛い。
「ま、まあ確かにわたくしの不注意が原因ですが……! それでも気絶したアナタがどうして出入り口に立ってますの!?」
「そりゃぁ起きたからに決まってんでしょ。気絶してる方が都合がよかったんですかね……なるほど、わかったぞ。オルコットさん。気絶している俺にキッスをしようとしたんですね!」
「死ね、変態」
「ありがとうございます!」
「あー、穂次。後ろで保健の先生が凄い睨んでんだけど?」
「大丈夫だ問題ない。俺はいつも睨まれてる!」
「問題しかないな。死んだ方がいいんじゃないか?」
「ヒッ……篠ノ之さんの当たりがキツイんですが……俺って何かしたっけ?」
今回に限ってはまだ何も言ってないから攻められる何かは無い筈なのだけれど、先ほどまでの発言を洗っても何も無い。
「うーん、俺って篠ノ之さんに対しては別に変な発言してなかったと思うんだけど……」
「穂次の事だから何かしたんだろ」
「否定できないのが悔しい……でも感じちゃう!」
「…………」
「せめて反応ぷりぃず。というか出て行かないと本当に折檻くらうから寮に戻ろうぜ」
きっと織斑先生にも負けないぐらいに鬼の様な形相だろう保健の先生は決して見ない。まあ、鬼本体には流石に負けるだろう。
両肩を竦めて歩き出してようやく気付いた。
「凰さん! 居たんですね!」
「ぶっ潰すわよ?」
「ひっ……ドコが潰れるんですかね……俺、気になります!」
「そりゃぁ、衝撃砲で頭からズガンッ、よ」
「ズガンッ、っすか……流石に死にそうかな」
「むしろ確実に死ぬぞ、ソレ」
「織斑先生の一撃よりも軽そうだから、もしかしたらと思って」
「おいおい、穂次。流石に千冬姉だってISの一撃、それも特殊兵装の一撃には及ばないだろ」
「お、そうだな……そうだよな?」
「不安になるからやめてくれ」
「アンタら、また千冬さんに怒られるわよ?」
「その時は一夏を囮に逃げるから、俺は大丈夫だな!」
「安心しろ穂次、どうせ捕まる」
「デッスヨネー……」
俺と一夏の目がドコか遠くを見つめる。見つめた先には何もないのだけれど、出来るならば織斑先生からの折檻という未来だけは見たくなかった。
それにしても、俺を睨みつける篠ノ之さんの視線が痛い。本当に俺は何もした覚えはないんだけどなぁ。
「ねぇ、篠ノ之さん。俺って何かしたか?」
「……ウルサイ、変態め」
「変態って言われると、喜んじゃうゾ☆」
「死んでもいいですわよ?」
「遠距離攻撃とは流石専売特許ですね! てか、本当に何かしたっけ? 少なくとも助けた覚えぐらいしかないんだけど? ソレで怒られるって……ナニソレコワイ」
「……」
「うーん……あ、わかったゾ☆ 俺が篠ノ之さんの白のパン――「ふんっ」ヅッ!」
「穂次が竹刀で殴られてるって凄い新鮮だな。それも悶絶してる」
「いや、一夏。何冷静に判断してるのよ……明らかに変な音してたわよ……」
鼻筋に斜めに何か衝撃が走って言葉が止まった。痛すぎて声が出ない。鼻を押さえた手を見てみれば血は見えない。という事は鼻血が出る程ではないという事か。
「オルコットさん! 俺の綺麗な顔が歪んでない!?」
「元々歪んでましたわよ?」
「慰謝料は誰に請求したらいいんですかね……」
「神様あたりが妥当じゃない?」
「凰さんまでキツイでござる」
「大丈夫か? 穂次」
「お前はどうでもいい。俺に優しくすんな」
「ひでぇ……。つーか、箒。流石に謝れよ?」
「……ふんっ。コイツがいらない事を言わなければよかっただけの話だ」
「まあ、そうッスね! 俺は満足してるからいいんだゾ☆!」
「……あ、穂次ってマゾなのね」
「そうやって納得される様に言われると傷つくって初めて知ったわ……ん? というか名前?」
「ん? あー、何? もしかして名前を呼ばれるの嫌だったとか?」
「いや、そうじゃねぇけど」
「それとも名前を呼ぶのに段階踏んで、なんて女の子みたいなことを言うの?」
「いやいや、滅相も無い。 俺も名前で呼んだ方がいいかなー、って」
「アンタに名前で呼ばれるなんてゴメンよ。というかちゃんと段階踏みなさい。これでも女の子よ」
「ひっ……さっきまでのサバサバした対応はどこに行ったんだ」
女の子って分からなさすぎぃ。女心と秋の空なんて言うから仕方ないのだろうか。
いや、それでも凰さん程の美少女から名前で呼ばれることは非常に嬉しい。コレは確かに嬉しい。むしろ名前を呼んでくれる程度には親交を深めたと言ってもいいだろう。つまりソレはきっと未来的に見れば「ダーリン(はぁと」と呼ばれるに違いない!
「ないから」
「あ、そうっすよね。知ってますよーアッハッハッハッ……。 ん? 俺の頭の上とかに吹き出しでも出てるの?」
「アンタの顔見てるとなんとなく考えてることわかるわよ。あと、名前でもいいわよ。というか、アンタに凰さん、とか言われるてるとなんか変な感じするし」
「鈴ちゃん!」
「あー、うん。わかった。コレはアレだ。馬鹿にされてる感じね」
「ヒエッ……名前を呼んだら殺気を当てられてるんですが……」
「次にそんな愛称で呼んでみなさい。プチッといくから」
「一夏。鈴音さんが怖いんですが……」
「お前が大体悪い」
「どうせお前には優しいだろうよ!」
「そうでもないぞ?」
「…………あ、そうだな!」
「なんだよ、今の間は……」
「な、夏野さん、わたくしも名前で呼んでもよろしくてよ?」
「ありがとうございます! セシリア様!」
「…………」
「そんな険しい顔しないで。美人な顔が台無しだゾ! というか、別に俺も名前で構わないぞ」
「そ、そうですか……ほ、ほ、」
「オーッホッホッホッ!」
「穂次さん? 次に馬鹿にしたらぶち込みますわよ?」
「う、ウィ、マム……」
一体何が、ドコにぶち込まれるんですかね……ニッコリ笑ってるのに、明るく聞こえないんですがソレハ。
ともあれ、いくらノンビリ歩いているかと言っても寮の前へと着くのは容易くて。そして俺は気付いたのだ。いいや、気付いてしまった。
「ヤバイ……」
「どうした? 穂次。常識でも落としてきたか?」
「いや、それは元々ないんだけど」
「無いのかよ」
「俺、ISスーツのままじゃん……着替えとかアリーナに置きっぱなしだよ」
「あー、明日でいいんじゃない? もう寮の目の前だし」
「今まで気付いてない事も問題だと思いますが……」
「夏野だから仕方ないだろう」
「そうですわね」
「そこの美少女二人! 聞こえてるぞ!」
「俺も着いて行こうか?」
「ヒェッ……」
「いや、なんで怯えたんだよ」
「いや、まあオヤクソクってヤツだよ」
「何の約束なんだよ……」
「ま、それはイイとして。俺一人でいいよ。それこそ寮の前だからな」
「ふーん……そっか。んじゃ、お前の部屋に後でまた行くわ」
「まーた、お前はそんな事言う……鈴音さんとか篠ノ之さんとかセシリアさんの視線も強くなるし」
「一夏、アンタやっぱり……」
「なあ鈴。お前も俺をどうしたいんだ?」
「ほら色々噂もあるし……」
「穂次、あとで言うことあるからスグ帰ってこいよ?」
「俺が原因って決め付けるのはどうなんですかね……」
やけにいい笑顔の一夏が俺を見送る。俺に決め付けるのはどうかと思う。いや、俺が原因だから問題ないのか?
ともあれ、織斑式説教が確定した訳である。解せぬ……。
「ただいまー……」
「おかえり、穂次」
「ようやく帰ってきましたのね」
「ちょっと遅いんじゃない?」
「勝手に頂いているぞ」
「……色々言いたい事があるけど、うんイイヤ! アッハッハッハッ……はぁ」
アリーナから戻ってきた俺を部屋で迎えたのは織斑一夏と愉快な美少女達の皆様である。
一夏はまあいい。コイツは来るって言ってたから問題はない。いや、まあ他の事では問題が多数だけど。
セシリアさんと鈴音さん、そして篠ノ之ォ! お前らはなんで居るんだよ! つーか! 篠ノ之さんはどうして俺がこっそり買ってた煎餅とお茶を勝手に飲み食いしてるんですかね! 許可とろうよ!
「あー、スマン。俺が出した」
「テメェか一夏ァ! ん、一夏か。じゃあいいか」
「いいんですの?」
「いいのいいの。 つーか、一夏には元々勝手にしていいって言ってたし。これでも心は広い方なんだゼ!」
「あ、戸棚の奥に大切そうに仕舞ってたヤツだったんだけどよかったんだな」
「おのれ……許さんぞ一夏ァ……」
「心狭いじゃない」
鈴音さんが苦笑しながらちゃんと締めてくれた。俺と一夏だけの会話だと広がるだけ広がって閉じることはないので非常に納まりがいい。互いに互いがボケっぱなし、というのも面白いけれど、やっぱりツッコミが必要だな!
「つーか、一応男の部屋なんだけど……寮とは言っても慎みとか持とうぜ」
「……あ、穂次って男だったわね」
「他に何に見えてたんですかね……」
「……ヘタレ?」
「スゲェ不当な評価を得た気がする……」
「それでは穂次さんも帰って来た事ですし、キリキリ吐いてもらいますわよ?」
「え? 何? 俺がデータ取りと称してセシリアさんのISスーツを舐るように見てたことがバレたの?」
「それは後で後悔してもらいますわ」
「墓穴掘ったなぁ……他に吐く情報とかあったっけな……」
「穂次さんのISに関してですわ!」
「あー、そっちかー。なるほどね! いや、知ってたよ! ハハハッ……よかったぁ」
「他も後で吐いてもらうからな?」
「ヒッ……篠ノ之さんも怖すぎぃ……」
「というか、何? 穂次ってIS使える事を黙ってたの?」
「調整中だったんだよー」
「ふーん。じゃあ仕方ないんじゃない?」
「あの調子を見る限り、その調整中というのも嘘なのでしょう?」
「あー……うーん。まあそうなんだけど」
どうしたもんかなぁ。と頬を指で掻く。どうやらセシリアさんは逃がしてくれそうにも無いし、鈴音さんは何やら興味がありそうに俺を見てるし、篠ノ之さんはお茶飲んで寛いでるし、一夏はそのお茶淹れてるし。あ、一夏、俺もおかわり。
「さあ! 言ってもらいますわよ!」
「禁則事項ですッ☆」
「嘘おっしゃい!」
「コレはホントだよぉ……。コレでも政府側から色々口止めされてるんだぜ? 村雨だってココでお披露目するつもりじゃなかったし」
「むぅ……」
「不満顔のセシリアさん可愛い。 ま、一夏達の特訓に参加出来なかった事は謝るよ。ごめんなさい」
「……そうやって素直に謝られますとコッチが悪い気がしますわ」
「いやいや、そんな。元々は俺が面倒臭いとか、おっと」
「穂次さん!」
「ハッハッ、セシリアさん。コレでも怪我人だから、流石に勘弁してください」
「怪我人にしては元気そうね」
「心の怪我を負ってしまってな……」
「じゃあ肉体は元気ね。問題なし!」
「そこに気付くとは……やはり鈴音さんは天才かッ!」
「やめて、照れるわ」
「ドヤ顔してるのもイイッスね!」
「穂次さん! 話は終わってませんわよ!」
「あ、ハイ。 つーか、なんでそんなに怒ってんのさ」
「怒ってなんかいませんわ!」
「いや、怒ってんじゃん……ハッ!? なるほど、わかったぞ!」
「穂次、ソレを言ったら流石に本気で引くわよ?」
「あ、うん。黙ってる」
本当にどうして鈴音さんは俺の発言を読むんですかね……精神感応の特殊能力でも有していのか?
ともあれ、どうやらアノ日でもないらしいのに怒ってるセシリアさんの前に正座する。
「なんか穂次が凄い自然な動作で説教聞く体勢になってるんだけど」
「千冬さんの調教の賜物ね」
「いや、あの人は先に手が、いや、なんでもないです」
「穂次が学習してる……ですって!?」
「クククッ、俺が同じ間違いを二度も繰り返すと思っているのか……!」
「穂次さん!」
「あ、スイマセン。真面目に聞きます」
「やっぱ学習してないじゃない」
「というか、セシリアは穂次が倒れて一番心配してたんだから甘んじて受けとけ」
「一夏さん! 何か言いまして!?」
「何にも言ってないゾー。 凄い穂次の気持ちが分かった気がした」
「なるほど、セシリアさん。すまなかった」
「わ、分かればいいのです……」
「まさか君がソコまで俺を想ってくれていたなんて……!」
「…………」
「人を見る目じゃありませんよ! セシリアさん!」
「家畜は黙っていただけますか?」
「あ、スイマセン……」
ヤバイ。コレはヤバイヤツだ。ゾクゾクしてきたぞ! このまま頭を地面につければ踏んでもらえるだろうか? つーか、股間的に正座しているのも問題だから頭を下げるんだけどね!
「それで、なんですの? あのIS」
「あー、村雨のこと? カッコいいだろぉ!」
「武装面がちょっとなぁ」
「刀だけの男に言われたでござるよ」
「最後のあの一撃も盾があったのですから、ソレで防げばよかったのですわ……」
「あー、うん。ゴメンゴメン。出来ない理由もあったんだけどさー、うん、あの時はアレが限界だったのさ」
「ふん……。それで、出来なかった理由とはなんですの?」
「禁則事項ですッ!」
「…………」
「ああ! またセシリアさんの目が家畜を見下すような目に! 素敵!」
「ゴミでも喋りますのね」
「家畜以下になってた……まあ、冗談はさておき。あの盾が特殊兵装らしくてさー。防御するに至っても色々設定とかが必要なんだ」
「……まあ、それで満足してあげますわ」
「わーい。嬉しいなぁ」
「次はあんな危険なことはしないでくださいますね?」
「あー、うん。それはムリ」
「どうしてですの!?」
「いや、ほら。セシリアさんは女の子で、俺は男の子だからね!」
「――っ、意味がわかりませんわ!」
そんな事を言い残して部屋から出て行ったセシリアさん。うーん、俺は正座を崩していいのだろうか……。
「うーん、やっぱり女の子には理解してもらえないんですかねー」
「俺はなんとなくわかるぞ?」
「男だからだろ」
「あたしもなんとなくだけどわかるわよ?」
「男だから、いえ、女の子です! 美少女! スゲー! チョー可愛い!」
鈴音さんの右腕が拳を握ってIS装甲を纏った。ソレは死ぬから。普通に死ねるから。
どうしようもないので立ち上がろうとした所で俺の前に陰が出来る。顔を上げればおっぱいがあった。うーん、デカイ。
「何を立ち上がろうとしている」
「へ?」
「さあ、お前が馬鹿の様に言っていた記録とやらをさっさと出してもらおうか?」
「…………ひぇっ」
「ああ、その後には俺の説教も待ってるからな。喜べ、穂次」
「…………」
俺が立ち上がるのはきっと二時間ぐらいあとだろう。え? ナニソレコワイ。
>>
綴る!
まだダークサイドじゃないですよ。ないですよね?
>>瓦とか端材とか……
瓦→瓦割り
端材→電ノコとかに使用
>>「居たんですね! 凰さん!」
ほら、身長的に?
>>おるこっとさん
フラグが立ってそう……いや、どうだろ? 穂次がちゃんとしたらフラグが成立するんでしょうけど……ムリですね。
>>「俺も着いて行こうか?」
「ヒエッ……」
ホモォ……。
>>「なるほど、わかったぞ!」
実際、男性がソレの話をすると怒る癖に女性からはかなりの頻度、いや、月一でされる。当然、誰にもどうにも出来ない。