恋姫†有双   作:生甘蕉

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四十一話  にょ?

 張勲の策略と聞いて心配していた蓮華。

 美羽ちゃんや猪々子はともかく、斗詩から聞いた話では一筋縄ではいかない相手らしい。

 そのサポートを受けた主人公こと北郷君の誘惑。

 心配すぎる。

 まだ思い出してないけど、俺の嫁なんだし!

 

 だが、その心配はすぐに解消された。

 蓮華が成都にやってきてくれたからだ。

 北郷君を猛プッシュしまくった孫策のことを怒っていたが、別に姉とケンカして家出したわけでもないらしい。

「同盟国の様子をこの目で確認するため」

 そう蓮華は言っていたが、当然のようについてきた思春がこっそり教えてくれた。

「……酔った蓮華様が北郷を怪我させてしまったのだ。蓮華様も責任を感じてしまって……そんな必要はないというのに」

「怪我? 責任を感じる程重傷なの?」

「ただの骨折だ。華佗もいるのだ、騒ぐほどのものでもない。その上、奴は気にするなと言いながら蓮華様に近づく始末」

「骨折ってそりゃ蓮華も気にするんじゃ……」

 北郷君も本当に気にするなって思ってるのかもしれないし。

 

「蓮華様に飲酒させたのだ。それぐらいの覚悟があってしかるべきだろう!」

「……ええと、もしかして蓮華って酒癖悪い?」

 酒癖悪かったのってたしか張飛だったような……他にいてもおかしくないか。

「機密事項だ」

 真面目な顔で言われてもね。それって肯定しちゃってるよね?

「いや、それってもしかしたらお酒飲ませたのは北郷君じゃなくて……蓮華と北郷君をくっつけようとする人の策だったんじゃ」

「……貴様もそう見るか?」

「張勲?」

「たぶんな。我らが呉に戻るのが遅れていれば危険だったかも知れん」

 思春たち、この前きた時はエプロンドレス着て、して、すぐに帰っちゃったもんなあ。

 寂しかったけれど、それで正解だったのかな。

 北郷君の急接近に焦った思春や軍師さんたちが説得して、同盟国の視察という名目で蓮華を寄越してくれたそうだ。

 

 

 うん。たしかにピンチだったかもしれない。

 戻ったばかりの蓮華の記憶から、俺もそう判断できた。

 俺の記憶が戻ったのは、蓮華の姿によるものが大きい。

 今いる場所は俺の部屋。桃香たちとの話が終わった蓮華が俺と二人だけで会いたいというので応じた。

 蓮華が着ているのは、無印で蓮華が北郷君に貰った服。

 普段のへそ出し、オーバーニーとは違う服。

 ミニスカートに思わず足に視線が向かう俺。あんまりにもじっくりとその生足を眺めていたせいで、すぐに気づかれてしまった。

「もう、そんなに見ないで」

「ごめん。よく似合っているよ」

「ありがとう。でも、足ばかり見ていない?」

「……ばれてた」

 そして、ぼんやりとあるヴィジョンが浮かんだので思わず要求してしまう。

「膝枕、してくれない?」

 無言でベッドに座ってくれたってことはいいのかな?

 蓮華の膝に頭を乗せた俺はその生足を堪能し、双丘のむこうの蓮華の顔を眺めていたら記憶が復活した。

 贈られた服で蓮華が膝枕をしてくれるイベント。無印のイベントだ。

 

 思い出した、そう告げようとしたら俺の眼鏡に水滴が落ちてくる。

 室内なのでもちろん雨ではない。俺を覗き込んでいる蓮華の涙だった。

「膝枕をしているのが悲しいの?」

 もしかして、俺じゃなくて北郷君にしたかったとか?

 

「そうじゃない……」

「す、すぐにどくから」

 頭をどかそうとしたら、蓮華の手が俺の頭部をおさえつける。

「もう少しこのままで……」

「う、うん」

 逃げないからもう少し力を緩めてくれると嬉しい。……けっこう痛い。

 

「あの」

「私のことを思い出してくれないのは、そもそも私と皇一さんには思いでがほとんどない。そのせいなのでしょう?」

 思い出した、って言おうとしてるんだけど。

 でも、泣いてた理由も知りたいしもう少し蓮華の話を聞こう。

「私の方だって思い出せるのは……二度の初めてぐらいだもの」

 蓮華の頬が染まっている。涙は止まったかな?

「あとは、勉強会と道場のことしかない」

 道場はともかく、勉強会ってなんだっけ?

 …………だいたい思い出してるけど、そんな記憶はない。ないったらない。うん。

「思い出すほどのものなど……元からないの」

 

 そういえば二周目では俺、蓮華関連のイベントほとんどこなしていない。

 もしかしてやるだけの関係だった?

「そんな男の嫁になっちゃったの、後悔してる?」

「いいえ。私たちは、孫家はあなたに恩がある。後悔などはないわ」

 ……それもちょっと嫌かも。我ながら我侭だけどさ。

 頭をおさえている蓮華の手に俺の手を重ねる。

「嫁になってくれたのは、恩があったから、だけ?」

 途端に蓮華の顔がさらに真っ赤になった。

「それ以上の感情もあったって思っていい?」

「……はい」

 よかった!

 本当によかった!!

 

 重ねている蓮華の手を、俺の首へと誘導する。

「繋がってるよね」

「え?」

「蓮華が初めて道場から戻ってきた時、こうして確認してくれたよね」

「え、ええ!」

「思い出したよ。たしかに少ない思いでなのかもしれないけれど」

 ええと、こんな時は眼鏡を外すんだっけ?

 ううっ、我慢して眼鏡を外して、と。

「思いではさ、これからもっと増やせばいい」

 ……膝枕されたままカッコつけてもしょうがないような気もする……。

 

 

「もしかしてこの服……北郷君に貰ったの?」

「ど、どうしてわかるの? ……でも袖を通したのは今日が初めてよ。思春がこれをあなたに見せろって」

 ありがとう思春。

 ありがとう北郷君、いやもう一刀君と呼ばせてもらおう。おかげで記憶が復活しました。本当にありがとう。

 そしてごめんなさい一刀君。やっぱり蓮華は俺の嫁です。

 お礼とお詫びを兼ねて、一刀君には後でなにか贈ろう。

 

「思春は呼ばなくていいの?」

 たぶんすぐに来る……というより、すぐそばに潜んでいると思うけど。

「私は皇一さんの嫁なのに、……北郷に心揺れることがなかったわけじゃないの」

 ……わかる気がする。戻ってきた記憶でもゲームの一刀君はいい男だもんなあ。ギャルゲ主人公様の攻撃によくも耐え切ってくれたと褒めてあげたいぐらいだよ。

「浮気はしてないんならいいじゃないか。……一人だと辛いよ。ましてや、蓮華は初めてなんだし」

「ううん、私が許せないの。辛いのはその罰。それに、華琳や愛紗……思春も穏も初めてで両方をしたと聞いたわ……」

 耳まで赤くなっている蓮華。

「いいの?」

「私も身体の全てであなたを感じたいの」

 

 

 

 ぐったりとしている蓮華。

 そりゃ国宝級の美尻までも堪能させてもらったのだから、身体の負担も大きかったのだろう。

 しかも、記憶にもなかった長髪蓮華とのエッチ。

 短いのもいいけど、長いのもいい。

 気がつけば俺は無意識の内に蓮華の髪を撫でていた。

「この髪は姉様が生きている証。あなたのおかげ」

「綺麗な蓮華の髪を守れたってことは、記憶を失った甲斐があったのかな?」

 そうとでも思わないと、自殺した十年後の俺が浮かばれない。

 華琳ちゃんのための自殺だったって魏のみんなは言ってくれたけど、長い間華琳ちゃんに悲しい顔させてしまったし。

 

「……私たちのことを忘れてしまったと知った時は、母様や姉様が死んだ時と同じくらい悲しかった」

「ごめん」

 華琳ちゃんだけじゃなくて、他の娘たちも悲しませてるんだよな……。

「早くシャオのことも思い出してあげて。あの娘も元気がないの」

「うん……」

 こんな時にもお姉さんなんだから。

 

 

 

 思春たちがきたり、蓮華がきたり、帰っちゃったりしながら、五胡撃退から二ヶ月が経過した。

 華琳ちゃんとの戦いに備えて南蛮制圧を行うことになった。

 南蛮か。ネコミミロリたちが兵だったけど、どんなとこなんだろう。

 朱里ちゃんの説明だと暑くて、虫が一杯いて、密林が生い茂っているらしい。……ジャングルだな。でっかいカブトムシとかいそうだ。

 あ、でももしかしたら渡航前の予防接種とか必要なレベルなんじゃないだろうか? 薬とかも用意してもらおう。

 それぐらいしか情報がないらしい。ネコミミの生態とかはないのか。

 二周目では蜀は南征の余裕がなかったらしく、愛紗も詳しいことは知らない。

 

 暑い。蒸し暑い。

 南蛮にきたはいいけれど、兵糧と水の確保が不安だと軍師が困っている。

 現地調達しようにも毒水と呼ばれるこの辺りの水。

 ええと、蒸留すればいいんだっけ? ……このくそ暑いのにそんな作業やってられないか。道具もないし。

 じゃあ、濾過装置か。

 実は簡単な濾過装置のつくり方なら覚えている。布とか石とか木炭とか砂を使うやつ。

 以前にプレイしたエロゲーで飲尿シーンがあって、それを受けつけなかった俺。

 でも、出してる方のキャラはかなり好きで、どうすればいいかなんて真剣に悩んでいろいろ調べた結果だ。

 濾過してまで飲尿したいか? と、この案は捨てたけど。

 当時の俺は馬鹿だったなあ。……今の俺? 嫁のなら平気かもしれない。

「それで濾過したら十分以上沸かしてから試して」

「さすがご主人様です!」

 どうして知ってるかは教えられないけどね。

 

 七縱七禽で南蛮大王は桃香に降った。

 可哀相な罠もあったが、その途中で俺は孟獲、南蛮兵たちの記憶を入手していた。

 ネコミミロリはやっぱりいいなあ。衣装もすごい露出だし。

 早く明命にも教えてあげたい。

 

 

 

 美以ちゃんたちも成都に居ついてくれた。

 美以ちゃんは美羽ちゃんや鈴々ちゃんと仲良くなったようだ。

 首輪繋がりなのか、大喬ちゃん、小喬ちゃんとミケ、トラ、シャムがいっしょにいるところも目撃した。

 一方、翠の様子がおかしい。

「なにか知ってる?」

「うん。今夜、皇一さんのお部屋にいくね♪」

 たんぽぽちゃんに聞いたらそんな返事が帰ってきた。

 

「その衣装は?」

「華琳が送ってきてくれた。元は皇一が服屋に頼んだものだって」

 答えてくれたのは翠。たんぽぽちゃんだけじゃなくて、翠もきてくれた。

 そして、二人ともゴスロリ装備。

 二周目で俺がプレゼントした服。

 十年後の俺が魏で注文していた服。

「送ってくれるなんて、華琳ちゃんも律儀だなあ」

「……ああ。だから迷っている」

「え?」

「南蛮も手に入れて、蜀はだいたいまとまったと思う」

「あ」

 そういえば翠とたんぽぽちゃんって。

「うん。もう任務はだいたい済んじゃったかな? 後はこの先どうするかをお姉様が決めるだけ」

 二人は華琳ちゃんの命令でこっちに味方してくれてたんだっけ。

 

「母様を治療してくれた華琳への恩は、二周目ん時に返したつもりだ」

 三周目の今は、自分で華佗を探してきて治療してもらったから、華琳ちゃんに恩はないらしい。

「けど、魏には母様がいる」

 馬騰は華琳ちゃんに競馬で敗れて、魏の客将になっている。

「でも、桃香さまのことは嫌いじゃないし」

 うん。元々翠はこっちの陣営のはずだから、悩んでいるんだろう。

「それに……皇一もいるし」

 うっ。赤面して上目づかいに見られたら、俺も照れる。

「あ、ありがとう」

 

 

「やっぱり、皇一のそばがいいな」

 俺の腕枕で眠る翠は裸だ。

 ゴスロリで寝るわけにいかないし、俺と愛を確かめ合った後だし。

「嬉しいけど、ちゃんと考えて」

「お姉様が決めたんなら、たんぽぽはそれに従うよ」

 たんぽぽちゃんは、反対の腕で腕枕中。当然、全裸。

 翠と同じように髪も解いていていつもとは違った可愛さがある。

「あとね、翠がどう決めても翠もたんぽぽちゃんも俺のお嫁さんだから」

「……わかった」

 俺の嫁ってことに納得してくれてるんだろう、二人が俺にさらに密着してくる。

 その感触に疲れ果てたはずの双子が立ち上がる。

「あとね」

「まだあるのか?」

「もう一回、いい?」

 ……結局、もう一回じゃ済まなかった。

 

 

 

「そっか。翠も五虎将ってのになったんだ」

 翠は桃香を選び、蜀に残ることにした。もちろん、たんぽぽちゃんや配下の騎馬隊もいっしょにだ。

「ええ。馬騰を魏に残したままなのが怪しいと疑う者もいますが、翠にそんな腹芸はできないというのが軍師たちの一致した意見」

 同じく五虎将になったはずの星の話に頷いて、運ばれたばかりの焼売を頬張る。

 柔らかい皮の中から、たっぷりの肉汁が……。

「熱っ!」

 慌てて水を飲んで口内を冷やす。

「主は猫舌であったな」

「うん。猫っぽい美以ちゃんたちの方がよっぽど熱い料理得意としてる」

「どれ」

 箸で焼売をとり、ふーふーと冷ましてくれる星。

「主、あーん」

 そ、そうきたか!

 勇気を振り絞って口を開ける俺。店主は厨房で、俺と星しかいない店内なのに滅茶苦茶に恥ずかしい。今たぶん俺の顔は真っ赤になっている自信がある。

 星が俺の口に焼売を運ぶ。

「ふふっ。どうですかな?」

 そう聞かれてやっと俺は咀嚼を始めることができた。

 

「……美味いな」

 うん。なにかわからない触感が混じっているけれど、確かに美味い。

 なんだろう?

 その正体が判明した時、俺の記憶が復活した。

 蜀の嫁で最後に残っていた星の記憶が。

 

「メンマ園……」

「おや、主もご存じでしたか。さすがですな」

 そう。ここは成都にできたメンマ料理専門店。星のオススメの店。

 ……まさか、メンマで記憶が復活するなんて。

 いや、星が俺の記憶が戻るように差し入れてくれたのはメンマと酒ばっかりだったけどさ。あと、夜這い。

 

「……まだ華蝶仮面で思い出した方が、こんな微妙な気持ちにならないで済んだかもしれない」

「なんと!」

 メンマを前にしながら、星が箸を置いて真剣な表情になった。

「やっと、思い出していただけたのか」

「うん」

「ならば、祝わない手はない。店主、酒を」

「午後もまだ仕事あるでしょ!?」

 星の追加注文を慌てて止める。

「いや、あまりの喜びに浮かれすぎましたか。祝杯は今夜にしましょう」

「そうだな。星のことまだ思い出さないのかって、白蓮も随分気にしていたから彼女も呼ぼう」

 白蓮いい人すぎる。

 

「ふむ。主がそう言うのなら……別に私一人でも受けきれる自信はあるのですぞ」

「自信?」

「主……約束を忘れたわけではあるまいな?」

 うっ、なんか星が怖い。

 約束って……ああ、夜這いしてきた時に記憶が戻ったらって、誤魔化したあれか。

「覚えてるよ。もちろん! ああ、今夜は楽しみだなあ!」

 わざとらしくはしゃぐ俺。

「ならば当然、良い酒を用意しておいてくれると信じていますぞ」

 ……やられた。さっきのは怒ってなかったのか。

 まあいいや。白蓮も誘って今夜は飲むことにしよう。

 

 

 

 今度はシャオちゃんが成都にきた。

 政略結婚で俺の嫁にってことらしい。

 ……既に俺の嫁なはずだけど。

 これも張勲の策、なのかな? 張勲、シャオちゃんが俺の嫁って知らなかったのかな?

 妹に俺を取られた蓮華が一刀君になびく、とか?

「なんかもう面倒くさくなったんじゃない?」

 シャオちゃんはそう言うけど、それもどうかと。

 

 シャオちゃんがきたということでその代わりに、人質だった大喬ちゃん、小喬ちゃんが帰ることになる。

 ……シャオちゃん、ホントに嫁として居つくつもりなのか。

「あとで孫策さまといっしょにお願いします」

「え?」

「その時は冥琳さまとあたしもいっしょだからね!」

 別れ際にそう約束して、二人は呉へと帰ってしまった。

 孫策は俺の嫁じゃないから無理っぽいんだけど。

 一刀君を種馬にした張本人なんだから、一刀君とすでにできてるんじゃないかな?

 ……もしかして大喬たちを呼び戻したのは、いっしょに一刀君と……いや、考えるのはよそう。俺は嫁を信じる!

 

 

 気づいたら膝争奪戦が発生していた。

 俺の膝に誰が座るかというあれである。

 美羽ちゃん、シャオちゃん、鈴々ちゃん、美以ちゃん、ねね、とメンバーがかなり違うけど萌将伝のイベントだ。

 ロリっ娘がこんなにたくさん。しかもみんな美少女。

 やめて、俺のために争わないで!

 言ったけど聞いてもらえませんでした。

 ……でもおかげでシャオちゃんの記憶も復活した。面子違ったけど大丈夫だったみたい。

「シャオちゃん、思い出したよ」

「ホント?」

「生えてるか確認させてくれる?」

「もう、皇一ったら♪」

 記憶が戻っただけじゃなくて、このイベントのおかげでシャオちゃんとみんなも仲良くなった。

 

 仲良くなったせいなのか、美羽ちゃんとシャオちゃんが夜這いにきた。

「大喬帰っちゃったから一人でもよかったんだけど」

「君たちは一人じゃ無理」

 いくらなんでもロリたちに双子両方の相手は大変すぎる。

「妾とて余裕なのじゃ! け、けど主様が言うのじゃ仕方あるまいの」

 そういえば美羽ちゃんは鈴々ちゃんの誘いを一人で大丈夫だって断っちゃったんだっけ。

 

「でも、まさか美羽ちゃんとくるなんて。孫家の人って美羽ちゃんのこと嫌ってると思ってたから」

「たしかに苦労させられちゃったけど、それは七乃のせいだった。って冥琳たちも言ってるしシャオもそう思うもん」

「張勲のせい?」

 まだ張勲のこと思い出せてないんだけど、そんな悪人なの?

「美羽がちょっと足りないのも、張勲が甘やかしたせいなの」

 ……勉強をよくサボるシャオちゃんが甘やかしたって言うぐらいなんだから、相当なんだろうな。

「そうじゃ。七乃は凄いじゃろう!」

 得意気に喜ぶ美羽ちゃん。

 俺とシャオちゃんが顔を見合わせる。

「こんなだから。それに皇一は、妻同士が仲良くしていないと泣いちゃうでしょ」

「……うん」

 否定してもしょうがない。たぶん泣く。

 

「華琳が一番なのはわかっているけど、今夜の皇一はシャオと美羽のものなんだから!」

「うむ。妾とシャオのものじゃな!」

 この娘たちですら、華琳ちゃんが一番扱いなのか。早く思い出したいな……。

 

 




現時点での劉備軍メンバー

嫁(記憶復活済)
桃香、愛紗、朱里、雛里、星、翠、蒲公英、焔耶
小蓮
白蓮、斗詩、美羽
月、詠、恋、ねね、霞


非嫁(記憶復活済)
鈴々
紫苑、桔梗
麗羽、猪々子
美以、ミケ、トラ、シャム

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