ーーー八幡家ーーーー
「疲れた、主に精神的に」
「どうしたのお兄ちゃん、本当に死んだ魚みたいになって、目なんて特に」
「いや目は元からだから弄るのやめようね、あれだ、あざとい後輩と氷の女王とゆるふわ系ピッチがだな……」
めんどくさそうな口調で八幡が小町に今日学校であった出来事について話した。
「お兄ちゃん…よかったね、ハーレムだよ!小町お兄ちゃんに女の人ができて嬉しいよ!」
「いやいや小町ちゃん?女の子3人だよ?誰得なの?俺は家で小町といる方が8万倍いい、これ八幡的にポイント高い」
「お兄ちゃん…」
少し冷たい目で八幡を見る小町。
あれ?小町も冷たくなってる?なんで?これは俺のライフポイント削られますね。
「さっさと準備して行かないと雪乃さんと結衣さんとあざとい後輩さんにぐちぐち言われちゃうよ、でも帰って来て悄げてたら小町がまた聞いてあげるから」
やばい、俺泣きそう、マイエンジェル小町、妹が居ればもうなにもいらないのではないだろうか。
「おう、さんきゅー、じゃあお兄ちゃん準備してもう行くわ」
足取りが重くなる八幡。何が起こるかわからないお泊り勉強会in雪ノ下家。
彼の春休みが始まるのであった。
ーーーいろは家ーーーーーーー
「勢いで言っちゃったけど…先輩とお泊りなんて…でも雪ノ下先輩と結衣先輩に負けないために自分から言ったんだからがんばらないと」
あの2人に負けたくない一心でいろはは動いていた。自分が八幡の中で一番存在になるためならなんでもすると決めたのだ。
「そうだ、せんぱいと一緒にいこーっと!
メールしなきゃ」
『せんぱ〜い〜!雪ノ下先輩の家わからないので一緒に行きませんか?♪
こんな可愛い後輩と一緒に行けるなんて幸せですよ♪』
『迷惑メールならやめてもらえますかね?』
『どうしていつも素直じゃないんですかね…』
『バッカお前俺は素直すぎて困るくらい素直だぞ、素直の化身とか出るからな、……19時に海浜幕張駅な』
『最初からそういえばいいんですよ!もー!あざといのはどっちですか!』
『やだなー、そんな事ないですよ〜、あざといろはすさんには敵いませんって〜』
『むー!会った時パンチします!ではではー☆』
(あいつも本当はこの間の事があって不安なんだろう、プライド高いから感情を表に出さないが、まあ俺も紳士だ、女の子が困ってたら少しは力になろうと思う、小町とか小町とか戸塚とか戸塚とか、いや待て戸塚は男だ。でもな、小町と戸塚が困ってたら全て投げ出してでも助けちゃうな、あーこれは重症ですね。まあとりあえず後輩だし、自分のこと可愛いとか言ってるけど、まあ可愛いしな、たまには…な)
「せんぱい、本当に素直じゃない…さっ!用意していかなきゃ!」
ただメールのやり取りでも好きな人と連絡取れるというのは誰でも嬉しいものだ。
いろはの心は踊っていた。
ーーーー由比ヶ浜家ーーーーーーー
「ゆきのんもいろはちゃんもすごいなー……
私らしさか……」
奉仕部で過ごしてきた日々を思い出す。
「笑って怒って泣いてって、だけど今が一番楽しいよね……」
由比ヶ浜は誰もいない部屋で自分でも聞こえないような声で呟いた。
「………全部欲しい…」
「早く用意しないとゆきのんに怒られちゃう!
ヒ、ヒッキーと一緒に行こうかな……」
そう言うと携帯を取り出した。
『結衣だよーーー☆☆☆
ヒッキー、1人で行くなら一緒にいこー!!!!』
『出会い系とか宗教の勧誘とかその類はやめてもらえますかねえ…』
『なんかひどいこと言われてる!?!?』
『なんだよ、お前もかよ』
『え?お前も、ってことはいろはちゃんも??』
『ああ、海浜幕張駅に19時って言ってある』
『じゃー私も行くね!じゃー早く用意して出るね!じゃーまた☆☆☆』
『お、おう』
由比ヶ浜は携帯を確認して少しテンションが上がったらしい。鼻歌を歌いながら用意をしてる。
コンコン
「結衣ー、雪乃ちゃんの家に行くのよね?八幡くんも来るの!じゃーちゃんとした下着を「もーママ!うるさいよー!!あっち行って!!!!」
由比ヶ浜のお母さんは陽気で明るくてとても優しい。流石は彼女の母親である。顔や髪型、性格も全て似ている。
「はいはい、わかったわよ、八幡君と雪乃ちゃんによろしくね!何があったかちゃんとママに教えなさいよ〜!ママ結衣のこと応援してるわよ!それと持っていくお菓子ここに置いておくわよー」
そう言うと彼女の母親はリビングに戻っていった。
「もー、余計な事しか言わないんだから!言われなくても頑張るし!」
「ママ〜、お菓子ありがとう、行ってきまーす!」
外は寒さを漂わせた中に春という季節を感じさせる。由比ヶ浜はその中、目を閉じ何かを決心した様に目を開いた。
彼らと彼女の春休みが今始まる。
更新遅れてすいません。
八幡はやっぱりなんやかんやいって優しいんですよね。笑
書き方雑なところあったらアドバイスお願いします!