龍造はスタンとルーティとユージーンと一緒に迷宮都市「オラリオ」にある馴染みの鍛冶屋に向かっていたのであった。
「此処がやつの鍛冶屋だの、十年前と変わっておらん。さてと久しぶりに顔でも見るかの」
「オレ達も中に入ろう‼」
「あったりまえよ‼」
「オレも槍を見てみたいのでな」
龍造が言っていた鍛冶屋はわかりやすい大通りに店を構えていたので、龍造は懐かしむかのように店内に入って行ったので同行していたスタン達も中に入ることにしたのであった。
店内は両刃剣を始め、槍や斧、そして奥の方では鍛冶師が額に汗を掻きながらトンカチで鉄を打って剣を作っていたのである。
スタン達は店の品を見ていたのだが、スタンとルーティにはソーディアンがあるので剣を購入する必要はないので店内を見て回っていたのであった。
「お、お客さんか、今日はどう言った御用で?」
「済まんが、ここの大将に顔を見せに来たんじゃが」
「どうした‼ なんかあったか❓ げ‼」
「久しぶりじゃな、コブニュ」
「ルーティ、ユージーンさん、この状況は一体?」
しばらくして奥から受付に頭にバンダナを巻いた厳つい男性が出てきたので龍造が鍛冶屋の大将に用があると言うと鍛冶場から半裸の白髪のお爺さんが出てきて龍造の顔を見るなり腰が引け始めたので、能天気なスタンは状況を把握出ていなかったのである。
「まさか、単独で魔物を千体殺した、龍造か‼ また鍛冶屋に、え~と」
「日本刀じゃ」
「それだ‼ 打ちに来たのか?」
「いや、顔を見せに来ただけじゃ、それより、金髪の金色の瞳で、今生きているなら、わしの孫の龍姫くらいの女の子を知らんか?」
「ああ、知っている、名前は」
「アイズ・ヴァレンシュタインだ。おまえさんが十年前に助けた子は立派な剣姫になってるよ。そして、この日本刀をここで預かっている」
どうやらこの世界でも龍造は現役時代は魔物を討伐しながら生活費を稼いでいたようで一人で倒した魔物の数、およそ千体と言う伝説を作ったらしく、それを聞いたスタン達はそのまま話を行くことにしたのである。
鍛冶屋の大将、コブニュは龍造に日本刀を打ってもらっていたことがあったらしく、今だに日本刀を作成できないでいたのであった。
龍造は十年前助けた金髪の金色の瞳の女の子の名前を言おうとした瞬間、コブニュはアイズ・ヴァレンシュタインと言う女の子だと教えて、龍造が託した日本刀を預かっていると明かしたのであった。
「そうじゃのか、また来ると、言って置いて解いてくれかの?」
「ああ、言って置いてやる」
「失礼しました‼」
「龍造、良い孫がいるようだな」
龍造はアイズに店に来たことを教えて置いて欲しいと伝言を頼んで店を出て、自宅に帰ることにしたのであった。