バロニア城奪還をすることになったリチャード率いる連合部隊はフラクシナスのテレプールからバロニア城の中庭に転送して、戦闘準備を事前にしていたので急いで玉座に向かったのであった。
「飛んで火にいる夏の虫‼ 覚悟‼」
「遅い‼」
「ぐわ‼」
「さすが、元ソルジャー1St‼」
「リチャード、オレ達置いてけぼりにされてないか?」
「いいじゃないか、ボク達にこんなにも心強い味方が付いてくれたんだ‼」
城内にはセルディクの手下の兵士が剣と槍を構えて龍美達に襲いかったのだが、あまりにも動きが遅いので攻撃をかわして、ボディーブローを叩き込んで兵士を気絶させて、急いで玉座に向かったのであった。
もちろん兵士達は問答無用に襲い掛かってきたので無殺傷にしている得物で気絶させながら玉座に向かったのだが、
「ここまでよ‼ アスベル‼」
「ビクトリア教官‼」
「お~い、ボク達を置いて行くな‼ 旋風槍‼」
「魔神拳‼」
「恋龍‼ 大龍‼」
やはり簡単には行きそうにはなくアスベルが騎士となるべく教えを受けていた教官ことビクトリアが扱いにくそうな槍を構えて立ちはだかったので一戦交える覚悟をしたのだが、ちょうど遅れて恋龍と大龍が同時に技を繰り出してビクトリアを足止めしてくれたので、
「こいつは任せな‼」
「急いどるんやろ、はよ行き‼」
「すいません‼」
「待て‼」
「悪いがボク達が相手だ‼」
恋龍はリチャード達に先に行けと言い、得物の日本号を構えて、大龍も両刃斧を構えて背中越しに手を振って、リチャード達は先を急いだのである。
そんなこんなで兵士達を気絶させながら目的地の謁見の間に到着したのである。
「来たか、死にぞこないが‼」
「セルディク‼ どうしてお兄さんを殺した‼」
「そうね、いくらなんでも実のお兄さんを殺すなって、どうかしてるわ‼」
「セルディク‼ 我が父を殺して、許されると思うな‼」
「ふん‼ もうこの国は我が、セルディクの物だ‼」
そして如何にも貴族の衣服を身に纏って右手には大剣を持っている五十代位の男、セルディクが待ち構えていたのであった。
スタンが兄を殺したセルディクに怒りをぶつけたのを皮切りに一斉に啖呵を切り出したのである。
そして刃を交えることになったのだ。
「リチャード‼ 今度こそ死ね‼」
「誰もいない所でしてくれる、聞いてて恥ずかしいよ‼」
「五十代の中二病は痛いだけ‼」
「言わせておけば‼」
「龍美達、楽しそう・・・」
やはりセルディクはリチャードの叔父だけあって剣術もなかなかの物なのだが、龍美達はセルディクに向かって挑発をし始めたのでそれに大の大人のセルディクが激怒していたのであった。
「虎牙破斬‼」
「何ぃいぃ‼ 剣を真っ二つに‼」
「さてと、セルディク、殺人並びに殺人未遂で来てもらおうか‼」
「ありがとう、おかげで故郷を取り戻すことが出来たよ‼」
「別に大したことじゃないよ、これ困ったことがあったら使って‼」
案の定、龍美と龍月と瑠美奈の虎牙破斬を同時に受けた剣が紙細工のようにきれいに真っ二つになってしまい、セルディクはアンジールの鉄拳で気絶して身柄を確保したのであった。
リチャードは国を取り戻せたことにお礼を言ったのだが、龍姫達は大したことではないと言って、去り際にリチャードにテレパイプを渡して、アスベル達とは別れたのであった。