なぎさが記憶を取り戻し、天夏達と合流を果たし、残る仲間は、鈴だけになったのであった。
「平日だし、龍美さん達はいないか、なぁ、天夏、叔母さん達に頼めないか?」
「それは無理だろう」
「居場所は、長野県、軽井沢、そこに行きなさい」
「え、はい‼ ありがとうございました‼」
「IS学園、いい加減にして欲しいわね、特に、織斑千冬には」
平日と言うこともあって、フラクシナスはオペレーションルームに数人いるくらいで、鈴に辿り着く頼みの綱の従姉妹達もいないので、困っていた所に、ちょうど、明が、鈴が長野県の軽井沢にいると教えてくれたので、天夏達はお礼を言って、転送ルームで、長野県の軽井沢に向かったのであった。
「はぁ~(なんで、あいつの事、思いだせないのかな?)」
「お嬢様」
「あ、何?」
「朝から、ぼーとしてらっしゃるので」
「大丈夫です、ちょっと庭に出てるから」
「かしこまりました‼」
鳳鈴音こと明神朱音は、自室でぼんやりとしていた所、使用人に呼びかけられて、気分転換で庭に行ってくると言って、靴を履いて、庭に出て行ったのであった。
忘れてしまった思い人のことを、その人物が名を変えて、仲間達共に、ここに向かっていることを知らず。
「まさか、軽井沢に来るなんて思ってなかったな~」
「別荘地なのよ、普通学生が来るところではないわね」
「学生じゃないけど、本当に、箒とセシリアなのこの二人?」
「それをなぎさが言うのかよ‼」
天夏達は無事に長野県の軽井沢に到着して、人を探していたのであった。
別荘地ということもあって、なかなか人を見つけらなかったのだった。
弥生とスミレの変わりようになぎさが、頑固者の箒とお嬢様全開だったセシリアだと言ことに驚いていたが、なぎさがドイツ軍の軍人、ラウラだったことを思いだして突っ込んだのだ。
「あ、人がいるぜ‼」
「よかった、行ってみよう‼」
弥生がふと白い壁で黒い屋根の二階建ての屋敷を見た時に庭に人がいるのを見つけたので、鈴について聞くことにしたのであった。
「あれ、珍しいわね、何か御用?」
「実は」
「お母さん‼」
「‼(鈴‼ 背は伸びてるけど、変わらないな)」
「その様子だと、見つけたようね、天河天夏君、朝宮弥生ちゃん、スミレ・セイグリッドちゃん、獅子神星奈ちゃん、御子神なぎさちゃん」
「なぜ‼ オレたちに名前を‼」
「自己紹介がまだだったわ、明神卯月、そうね、星奈、あなたの大伯母になるわね」
「おばあちゃんのお姉さん‼」
【どうして、この者どもは、こうも運がいいのだ?】
悪運が強すぎて、探していた人物、鳳鈴音らしき橙色に変色した髪をツインテールに結っているワンピース姿の少女を見た瞬間、天夏達は目的地に到着し、卯月に出会ったのであった。