依頼を無事に終えたのだが、戦闘が始まった瞬間、エミルがいきなり豹変して、おどおどしていたのが嘘のように好戦的になり討伐対象のヘビータンクを攻撃し出したのでアンジールはフラクシナスに戻り次第、エミルにカウンセリングを受けるように言ったのであった。
「あの~」
「来たか・・・」
「アンジールさんに行くように言われて来たんですけど?」
「ああ、解離性同一性障害の、しばらくしたら・・・・龍美は来るからそこに座って待っていればいい」
「ありがとうございます」
フラクシナスの医務室に入ったエミルは村雨ののほほんとした雰囲気に飲み込まれそうになったが、村雨が椅子に座って待つように言って医務室を出て行ってしまったのでエミルは言われるがまま椅子に座ったのであった。
「なるほど、そうことだったのか、ありがとう」
「わたしが知っているのはこれで全部です」
「いや、十分だ」
アンジールはエミルの症状がどうして起きたのかと気になったのでエミルの事をよく知っていそうなマルタに尋ねたところ、どうやら育った村で養父達にいじめられていたそうで、それを聞いたアンジールはエミルの解離性同一性障害の引き金の一因としていたのであった。
「ごめんね、早速始めようか」
「はい‼」
医務室に白衣を着た龍美が入ってきたので早速エミルのカウンセリングを始めることにしたのであった。
龍美は簡単な質問をしてエミルの解離性同一性障害の度合いを見定めて行ったのであった。
「しばらくは様子を見るけど、もし、我慢できなくなったら、いつでも来てね‼」
「ありがとうございました‼」
「なるほど、これはあの子の力が必要だね」
しばらくは様子を見ること言うことになりエミルは医務室を出てみんなの所に戻って行ったのである。
龍美はエミルの診断書を診ながらマルタの力が必要になるかも知れないと確信していたのであった。
「どうだったんだい?」
「大丈夫」
「そう、良かった‼」
「マルタ、痛いよ‼」
エミルはカウンセリングを終えてメンバーが集まっている部屋に入ってナナリーにどうだったのかと聞かれて大丈夫と答えたのであった。
マルタは居ても立っても居られないようでエミルに抱きついたのであった。
「それにしても、オレ達スゴイ所に保護されたんだな」
「どうしたの❓ カイウス、今頃になって」
「何って、リオン達から聞いたけど龍美達って、スゴイ立場の存在って聞いたから」
「確かにわたし達は貴族とかにひどい目に遭ったからね」
いきなり茶髪に前髪に銀のメッシュが入っている男の子の剣士カイウスは幼馴染みの神官見習いのルビアに龍美達のことを知って、貴族と言う存在を考え出したのであった。