クジョウの島に「篠ノ之箒」だった少女は、いつもと違い凛とした感じがどこへやら行ってしまったのか、自分の名前すら覚えていない記憶喪失状態だったので、朝宮夫妻は察したのか、養子にすることを思い付き、「弥生」と名付けたのであった。
一方その頃、
「おい、大丈夫か?」
「ダメだ、気を失ってる」
「どうなさったの? まぁ‼ わたしの家に運んで、頂戴‼」
此処は明の姉の家がある町で自然豊かな場所に建てられている大きな家に住んでいる、早い話が、獅子神兄妹の伯母の家で、現在は日本在住で家族は五人家族なのだが、今はちょうど学校などで空けているのであった。
そこに、茶髪の髪をツインテールに結っている小柄だが、龍美が転生させる際に、察してあげていたコンプレックスの胸を大きくしてあげたまま、光の小舟に揺られて、屋敷の庭に落ちてきたのは「鳳鈴音」だった少女で、運よく、お手伝いさんが見つけてくれたようで、そして、明の五つ上の姉で、もちろん、不老不死であるため、容姿が、十代に見えるが、これでも孫がいる、魔物退治で報酬を得ている、金髪碧眼の女性、夫も武神である、卯月も駆け寄って、家の中の一室に運ぶように指示を出したのである。
IS「甲龍」はもう失っているのであった。
ISスーツではなく、制服に着替えさせられていたのであった。
「う~ん」
「奥様‼」
「あら、気が付いたのね」
「\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?」
「落ち付いて頂戴‼ 此処は、わたしの家、ごめんなさい、ここの家の主の妻、明神、卯月よ」
「あたし、誰だかわからない・・・;つД`)」
「ちょっと見せてもらうわね・・・・(この子、今までこんなにつらいことを)」
またに、泊まりに来る、獅子神兄妹達の為の部屋の和室の布団で目が覚めた「鳳鈴音」に気づいた、卯月は知らない場所で目が覚めて暴れてしまった「鈴音」を落ち着かせて、名乗ったのだが、「鳳鈴音」だった過去を思い出せなく、そして、幼馴染みの少年の名すら思い出せないという、記憶喪失の症状が見受けられたので、卯月は、医者でもあるので、「鳳鈴音」の記憶を見ることにしたのであった。
そう、一夏達に出会って、そして、IS学園で再会するまでの間に、降りかかった不幸が招いたのだと、気づいたのであった。
「しばらく、ウチで暮らしてみたらどうかしら?」
「いいんですか?」
「勿論、うちの子達だって、受け入れてくれるわよ‼」
「はい、よろしくお願いします・・・」
卯月はこのままIS学園に送りつけてしまっては、大騒ぎになることは不味いので、しばらく、家で引き取ることになったのであった。
「我が、主、来てください」
家の蔵に保管されている朱色の二尺三寸の日本刀は主を待っていた。