なんとかIS学園襲撃事件はネルガルの身柄を確保して収まったのだが、あまりにも犠牲が多かったのである。
セイバーが斥候として潜入していたにもかかわらず、ルエル・サクラリッジとネルガルによって、一瞬で、五人の尊い命が散ってしまったのであった。
もちろん、龍美達のことを責任を現場にいなかった者達が咎めだしたが、
「現場にいなかった、あなた方が言えた義理ですか‼」
とルクスが一喝した瞬間、黙り込んでしまい、立ち去って行ったのであった。
「マスター、申し訳ありませんでした‼」
「嫌、これは、わたし達、全員が犯してしまった過ち、決して忘れてはいけません」
セイバーが申し訳ないとマスターであり、自身と同じ色違いでミネルヴァの加護を受けたの漆黒のフルプレートの鎧(ジェネラルアーマー)を身に着け、顔を黒い竜の仮面で隠している龍月は泣きたいを抑え込んでいたのであった。
「わたし達・・・」
「お母様・・・お父様。今・・・」
「あたし、もうダメみたい」
「無念だ・・・」
「もっと、生きていたかった・・・」
箒達は、好意を寄せていた一夏の亡骸を中心に、力尽きて亡くなっていたのであった。
「うわぁっぁっぁぁぁ‼」
一夏の実姉、千冬は弟の亡骸の横で天に向って泣き叫んでいたのであった。
そして、数日後にお葬式が執り行られたのであった。
「今日が、あなた達の、転生の間での、初仕事、頑張りなさい‼」
龍美達「うん‼ 行ってきます」
「お姉ちゃん達、大丈夫かな?」
天界、転生の間に通じる通路では、龍美達がいつもの戦闘用の魔術礼装ではなく十二単のような着物に、顔を口元が空いている面を被って神格化した姿で、初めての転生させる導き手を行うのであった。
もちろん、レナス達、ヴァルキリーが転生させる魂を送ってくるのだ。
「ようこそ、転生の間へ」
「あの~もしかして、オレ達」
「はい、もう下界でお亡くなりになったのです」
「お母様~‼ お父様‼ 今か会いに行きますから‼」
「あの~、ご紹介が遅れました、わたしは、天照大御神様の代理の、鈴鹿御前と言います」
「あたし、一夏に・・・」
「何故、服を脱がれているのですか」
「鈴、その胸‼」
「とりあえず、みなさん、確かに下界で命を落とされたのは事実です、ですが、皆さまは転生が与えられます」
「転生」
龍美の初めての転生の間での仕事はなんと、数日前に命を落とした一夏達だったのである。
セシリアは、龍美から下界で亡くなっていることを告げられて両親に会いに行く気満々だったり、鈴に至っては、大龍に妖術で大きくされた胸を見せつけだしたりと、やりたい放題だったのであった。