やはり天才、嫌、天災と謳われているだけあって、何処で覚えてきたのかわからないが、龍美達が行った英霊召喚を行って、見事、金色の甲冑に身を包んだ、逆立っている金髪に、赤い目の青年の英霊「ギルガメッシュ」が姿を現したのであった。
「我を召喚したのがおまえか?」
「そうだよ~この天才‼ 篠ノ之束さんだよ‼」
「いいだろう、我のマスターとあれば仕方ない」
束に召喚されて不機嫌だったのだが、束が放つオーラで、いつものように振る舞えないことを察したのか、敢て、慢心せずに、束のペースに流されていたのであった。
本来ならば、今にでも、召喚したギルガメッシュでIS学園を攻撃しに行くのだが、
「ん? これは何だ?」
「それは、ISって言って、わたしが作ったんだけど」
「なにかマズイのか?」
「うん、本当はこんなことになるはずじゃなかったから」
「その様子だと、人のためだと、言いたげだな」
どうやら、束はカティア同様に、自分の研究の結晶を勝手に兵器として使われたことによって最愛の妹には何もしてあげられない己に悔いていたのである。
そう、何故英霊召喚を行った理由は、自分が生み出してしまったISに対する束ならの謝罪なのであろう、ギルガメッシュは束の話を聞いて、
「我を召喚せんでも、できたであろう!」
「おねがい、ほーちゃんを、わたしの可愛い妹を守って‼」
「世話が焼ける、マスター、令呪がない所を見ると、魔力共有だけらしいな、我もそのISと言う者に興味がある、しばらく留守にする」
「おねがい‼」
束は溺れる者は藁をもつかむ心情で、涙ながら最愛の妹を守ってほしいとギルガメッシュに懇願し、ギルガメッシュは半ば呆れる形で、束の依頼を受けたのだが、令呪が刻まれてなかったことに違和感を覚えたギルガメッシュだったが、そんなことを気にするほど構っていられなかったので、IS学園に向かったのであった。
だが、それが手遅れだったことは束でも予測できなかったのであった。
遡ること、数十分前、
「全員いるようだな、専用機持ちは前に出ろ‼」
一夏達「はい‼」
「なるほど、今日は二組と合同で訓練ですね」
IS学園の以前、龍華とセフィロスのような思念体が死闘を繰り広げていて、瓦礫が散乱していたが、ルーンブルドーザに乗った建築士、ケンゾウが、大工たぬき達共に再建して、ついでに男子寮まで建設し、今は完全に修繕しているので、今、一夏達の実技訓練が行われようとしたのであった。
「皆さん、お揃いですね‼」
「誰だ‼ おまえは‼」
「わたしは、ルエル・サクラリッジ、愉快な道化の紙芝居、シャッテンシュピールが一人でございます‼」
なんと、あろうことか、紫色の髪に茶色の瞳に、紫のドレスを身の纏った少女、ルエル・サクラリッジ、ダグラスが姉と慕うエルフの女性を張りつけにした、次元武偵達が追っているエピタフの一見がIS学園に姿を見せたのであった。