颯太はいきなり現役軍人少佐のナイトハルトを相手にすることになったが、魔法少女の能力を引き継いだ状態だったらしく、ナイトハルトの竹刀が振り下ろされる寸前にはもう颯太はナイトハルトの脇をすり抜けて、胴体に横一閃の一撃を決めてしまい、ナイトハルトの崩れ落ちる光景が颯太に映っていたのであった。
「スゴイよ、颯太‼」
「ヨシュアも負けてられないな‼」
「まぐれですよ‼ サッカーくらいしか、運動と言ったことしてないので」
「サッカーとは何だ?」
「え、知らないんですか‼ いいですよ、ボクが教えますよ」
ナイトハルトから一本取ってしまった颯太をヨシュアが称賛しているので男性陣が颯太を称えていたのだが、颯太は武術未経験で、魔法少女の能力とは裏腹にサッカーをしていたことを話したら、この世界には、キララが世界中回って探している野球のホームラン並に、サッカーという地球ではなんも珍しいくもないスポーツはないようで、ゲオルグが颯太にサッカーとはなんだと質問していたので、颯太がサッカーを教えることになったのであった。
「ひゅ~♪~(´ε` )」
「姫~(゚Д゚)ノ‼」
「うるさいわね‼」
「あ、お帰りなさい」
「帰ったわよ‼」
此処は異世界ハルゲニア、魔法・魔術が使えるものを貴族と呼んでいたがそれは昔のこと、今では貴族も平民でも、学校に通え、名字を名乗る権利を与えられている世界に生まれ変わったのであった。
先ほど、報酬で購入した、食用油の廃油で走ることが出来るバイオディーゼルのオフロードバイクで一仕事終えてきた、ピンクの髪をポニーテールに結ったトリスティン魔法学院生徒、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールこと、略して、ルイズは、使い魔にして守り刀の猫妖怪の少女、黒髪ポニーテールの女侍、月渚にいつものように注意されていたのであった。
そこに、赤い髪に褐色の肌に、見せつけるかのようにボタンを態と外したブラウスをきた女生徒、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーこと、キュルケが剣術の稽古だったのであろうか額に汗をにじみ出しながら出迎えてくれたのであった。
月渚が来るまで、この二人の仲がとんでもなく悪かったのだったが、ルイズが新学期を迎えて進級試験の使い魔召喚の儀式の日、あの日を境にルイズを取り巻く環境が変わってしまったのである。
そう、鳴流神家長女、鳴流神龍美を召喚して、自力で帰ってしまって、イストワールを使い魔に、だが、数週間で使い魔契約を解除し、その後、土くれのフーケことロングビルまたはマチルダを逮捕して、その日の夜、月渚に流血をなめられて、パーティーの社交ダンスで正式に使い魔契約を結び、九歳の冬龍より小柄に見える肉体が今では、一番上の姉、エレノオールすら凌駕する肉体に育っており、今では乗馬ではなく、報酬で購入した、中古のバイオディーゼルバイクで街と学院を行ったり来たりしている日々を送っていたのであった。
そして、二刀流の剣技、「地」「水」「火」「風」「闇」「光」の魔術に加えて、高度な治癒術まで使える、烈風の騎士だった母すら超える勢いまでに戦術を身に着けていたのであった。
※ルイズは「超次元召喚」の世界のルイズです