飛行島に転生して、茶熊学園に転入することになった岸辺颯太は迷子になって、フランに小太刀を突きつけられるわ、学長がまんま、ツキノワグマだったわ、生徒会長代理が自分より十四くらい歳が離れてるわで散々なスタートを切ったのである。
そして、在籍する一年イクラ組の教室に足を踏み入れたのであった。
「それじゃあ、黒板に名前を書いてくれ」
「あ、はい」
「ねぇ、お兄ちゃん、あの子?」
「ああ、確か、龍音達とは別の学校に行ってたはずだよな?」
イクラ組の教室に足を踏み入れた颯太は、顔見知りの御子神家に、神楽堂家の面々に、背中に小さな翼を生やしている金髪碧眼の少女に、制服に慣れてしまったのだろうか、リボンを付けた女性、ウサギの耳のお団子売りの少女など地球ではお目にかかれない人材に驚きを隠せないでいたが、担任生徒のソウマに黒板に名前を書くようにいわれたので、颯太は白いチョークを手に取って黒板に縦書きで自分の名前を書いていたのであった。
御子神兄妹は颯太のことを知っていたので念話で気になっていたのであった。
何故、目の前に弟分の颯太がいることを疑問に思っていたのだが、
「岸辺颯太です、今日からこのクラスで一緒に勉強するので、よろしくお願いします‼」
「颯太さん、ドラゴンは好きですか?」
「ドラゴンですか、好きですよ‼」
『これは訳がありそうだな、お兄ちゃん』
『昼休みにでも、話を聞こう』
エクセリアの質問に颯太が適切に答えていた様子を見ながら念話で恋龍と龍牙が昼休みにでも話を聞くことになったのであった。
「岸辺‼ 構えろ‼」
「なんでこうなるんですか(゚Д゚)ノ‼」
「ナイトハルトの悪い癖が始まった」
「うん、颯太、実戦経験が無いに等しいじゃ」
「颯太、頑張って‼」
体育の授業になったのだが、ナイトハルトが今回の体育の授業を担当することになってしまったので、颯太がナイトハルトの相手に選ばれてしまったので、ヨシュアが心配していたのであった。
ソーシャルゲームで魔法少女で女竜騎士に肉体まで変身して戦っていたとはいえ、通っていた学校では、サッカー部だった颯太には、軍人のナイトハルトの相手は自殺行為なのであった。
こうなってしまっては戦うしか道が残されてなかった颯太は、竹刀を手に取って、正眼に構えたのであった。
「では、行くぞ‼ はぁっぁっぁ‼」
「あれ、遅く感じる・・・ていや‼」
「なん・・・だと・・・」
「やっちゃった・・・(まさか、魔法少女の能力引き継じゃった感じだよね)」
ナイトハルトが竹刀を振り下ろしてきたのだが、颯太は、魔法少女の能力を持った状態で転生していたことに気付き、振り下ろしてきた竹刀を横にかわして、ナイトハルトの胴体に一撃を叩き込んで、ナイトハルトは崩れ落ちたのであった。