龍月はやはり龍神の能力で神格化するならこの姿がいいと、子供のころから憧れていた、金髪碧眼の青いドレスに、白銀の鎧を身に纏った騎士王の英霊を召喚して退けてしまったのであった。
その光景を目の当たりにしたメンバー全員がメタ発言とも取れるアジルス並みのツッコミを入れてしまったのであった。
「龍美ちゃんが最後だよ」
「そうね、今日は龍美で最後にしましょう」
「え~と?」
「これは、どういった状況か、お教えしないといけませんね、ガイ‼ 説明を‼」
「おい、オレが女性恐怖症だからじゃないだろうな‼」
「そうなのですか?」
「仕方ない、ボクが寮に帰ってから説明してあげますから‼」
この四人の大将にして、殿を務めることになった龍美は祭壇に、自分が聖地ディルムンで拾った折れて使い物になれなくなった金属で打った美術品用に生まれ変えた小太刀を供えて先ほどの三人同様に詠唱を始めたのであった。
龍月に召喚された騎士王に向かって女性恐怖症のガイにジェイドが説明させようとしたのだが、流石騎士王だったのか困ってしまったらしく、龍月がちゃんと説明すると言って場を治めたのであった。
「「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
みたせ みたせ みたせ みたせ みたせ
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
「―――――Anfang(セット)」
「――――――告げる」
「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者」
「我ともに志す兵よ‼ その刃を持って仕れ‼」
「龍姫達はどう思う?」
「女侍らしい英霊だと思うよ」
途中までは一緒の詠唱を行っている龍美の姿を見ながら、龍姫と士道は召喚される英霊がどんなのだろうと話していたのであった。
「パラレルワールドの沖田総司か、宮本武蔵かな?」
「十兵衛とか?」
「日本って、英雄が多いんだな」
「戦国武将とかなんかいっぱいいたんだからね」
龍音達は姉が召喚するであろうパラレルワールドの英霊を想像していたのであった。
「問ても、よろしいか? お主がマスターか?」
「その通り‼」
「侍姿のセイバーか、これこれで」
「龍美、この英霊、病弱だから、普通の契約では、持たないから、血による契約を結ばないといけないみたい」
「わかった、お母さん」
「病弱だったわたしが最後まで戦えるですね」
「それじゃあ、口開けて」
「とうとう、英霊まで治療しちゃったよ」
「恐るべし、天界の医療」
光が魔法陣から立ち昇って、白煙が上がり、収まり、現れたのは新選組の着物を着た桃色掛かった、ブロンド髪をリボンでポニーテールに結っている英霊を召喚したのだが、英霊の方が龍美の魔力に耐えきれないというので、龍美は龍月とは違い血を用いた契約をして、無事に召喚された英霊は龍美のサーヴァントになったのであった。