超次元kurosu   作:天龍神

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第六章~太陽と月と修学旅行と花咲く竜の島
飛行島アンサンブル


転生初日は無事に迎えた太陽と月華は、自室で三日後の転入の用意を行っていたのである。

 

いつもならば面倒くさいと投げ出すのだが、ヴィヴィオと義母のお腹に妹か弟を身籠っいるので、お姉ちゃんとしての自覚が芽生えたのであった。

 

「ラン、アンタ、どうすんの?」

 

「何っているんですか、ボクも一緒にお供しますよ‼」

 

「ってことは、アンタも茶熊学園に転入すんの~」

 

「英霊だし、大丈夫だよ、姿は消しておくから」

 

「綾瀬達は気付くけど」

 

転入の準備を行っている間に、英霊のランスロットにこれからどうするのかと太陽と月華に質問されたランスロットは、太陽と月華の英霊である以上は一緒に行くと答えたのである。

 

英霊ということなので、緊急時以外は姿を消しておくと説明したのである。

 

一方その頃、

 

「此処、ですかね? すいません、バロンさん‼」

 

「そろそろ、来るところだと、思っていた、これを預かっていた」

 

「開けて良いですか?」

 

「ああ、それはおまえの物だしな」

 

飛行島に引っ越してきた刀藤綺凛は鍛冶屋を営んでいるバロンからある物を預かっていると言われて、飛行島のバロンの鍛冶屋を訪れてきたのである。

 

そして、バロンは前もって預かっていた直方体の木製の箱を刀藤綺凛に渡したのである。

 

大きさは、日本刀が入れられるほどであった。

 

早速、綺凛はバロンから受け取った箱を開けることにしたのであった。

 

「これ、日本刀!」

 

「おまえ、以前、アスタリスクに居た頃、このような剣を使っていたらしいな」

 

「この刀は?」

 

「おまえさんが転入する茶熊学園のある人物からの選別らしい、自ら打ったようだ」

 

「そうですか、大切にします‼」

 

そう、箱の中に入っていたのは龍姫から借りた次元断「蒼虎」と同じ長さの日本刀が納められていたのであった。

 

綺凛はバロンにこの刀はどうしたのかと、質問し、とある人物からの選別と言うことだとしか答えられなかったバロンにお礼を言って、鍛冶屋を後にしたのであった。

 

龍姫から借りた次元断「蒼虎」とインテリジェントデバイス「バルディッシュ」は龍姫に返却したので、今は丸腰同然で、装備としては、武偵としての普段着としての衣服と、茶熊学園の制服だけで、愛刀をガーゴイル襲撃事件の際に落として紛失してしまい、後に次元武偵達が瓦礫に埋もれてしまった人がいないかを捜索していた際に見つけたが、刀身が鞘ごと折れて使いものにならなかったのである。

 

「がさごそ・・・がさごそ・・・」

 

「大将、この箱、何か変な物入ってるぜ」

 

「うむ、もし魔物ならば、このMINAMOTOの武人、シャナオウが直々に滅するまでだ‼」

 

綺凛がバロンから日本刀を受け取った頃、飛行島に冷蔵庫が入る大きさの段ボールが届けられたのだが、段ボールががさごそ・・・と動き出したので、シャナオウ達が臨戦態勢を取っていたのである。

 

「うはぁ~」

 

「ぎゃぁっぁ‼」

 

「ぎにゃぁぁぁ‼」

 

「貴様、何者だ‼ シャナオウが相手をするまでだ‼」

 

「綺凛は?」

 

「綺凛? 刀藤殿ことか?」

 

「うん」

 

「なんだ、密航みてぇなまねすんじゃねえよ<`~´>」

 

なんと段ボールから出てきたのは、アスタリスクで出会った小柄な銃器使いでこれでも龍姫達とは歳が近い少女、沙々宮沙夜が漫画の人物の如く、リュックを背負って飛び出してきたのであった。

 


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