聖地ディルムンの大神殿に潜入した龍華とジロ吉は、通路を進んでいたのである。
もちろん、ミューレアとゼノの気配は察知しているので、直覚の能力で居場所はわかっていたのである。
「さぁ、英雄さん」
「英雄、それは、過去の功績を称えられた者に与えられる称号ですよ、ミューレア・ガランドさん」
「嘘でしょ、カレンが此処に来るはずでは‼」
「あれ? そのルーンはこちら側の様子を盗撮できるはずですよね?」
「どうして、それを‼」
大神殿の最深部で堂々としていたカレンの実姉、ミューレアはルーンで各地の合戦場を盗撮していたのである。
自身の下に一番乗りは、妹のカレンだと思っていたミューレアは、完全に、龍華とジロ吉の存在をノーマークだったのである。
そして、
「逃げられんぞ‼ ミューレア‼」
「クソ‼」
「どう言うこと‼」
「野郎‼ テメ~、ぶっ殺す<`~´>‼」
「アニス、やめませんか、皆さんの前で‼」
「ジェイド‼」
「おや、これは家出同然のルークではありませんか‼」
「ネクロマンサーか」
各地に散っていた仲間達が終結したのである。
その中には、バチカンとは敵対していたマルクトの軍人で、ネクロマンサーと言う異名を持っている眼鏡の男、ジェイド・カーティス、両親の借金を返すべく軍に入隊したが、剣心に薦められた、軍を辞めて、次元武偵としてスタートを切った玉の輿希望の少女、アニスも駆けつけて、ミューレアとゼノを追い詰めることに成功したのであった。
そこには、帝国の棺と呼ばれる、ジェイドと同じ大佐の地位を持っているジュダも参戦していたのである。
「これは、ビジネスチャンスです‼」
「悪いですけど、終わってからお願いしますね‼」
「ええ、もちろんです」
「義兄さん、行くよ‼」
「ったく、行くぜ‼」
「クズが‼」
「アッシュ‼」
「わたくしも、いましてよ、ルーク‼」
「ナタリアまで‼」
「これは」
この戦力を前に敗北を目の当たりにしたミューレアとゼノは、二人して、自分が行った過ちの代償が大きかったことを思い知ったのである。
「ゼノ‼ どうして、お父さんと、お母さんを殺した‼」
「ふん‼ あいつらが悪いんだぜ‼ ガキを攫ってくる、簡単な仕事を断りやがった‼」
「間違っているのはあなたです‼」
「世のためだろうが‼」
「何だろうが‼」
ユーリ&クライヴ&勇龍達「てめぇらを倒す理由はこれで十分だ‼」
「ボク達もいるよ‼」
メグは両親の仇であるゼノに何故両親を殺したのかと問いただすと、誘拐を強要させていやがったと言う身勝手な理由を自供したゼノに、この場にいた全員が戦う構えを取ったのである。
そして、白とピンクのロングジャケットを着用しているエステルがいつもの右の人差し指で相手を差して、啖呵を切り、ユーリとクライヴと勇龍達も啖呵を切ったのであった。