王立士官学園の生徒の一人、リーズシャルテ・アティスマータとの話し合い場を設けていた大龍は、相変わらずの持ち前のマイペースと、大阪生まれの性なのか、リーズシャルテ・アティスマータのことを略して、リシャと呼び、そのまま、マシンガントークをし始めて、リーズシャルテ・アティスマータの話を聞いているのかわからない状況になっていたのであった。
一方その頃、
「さてと、仕事も終わったし、帰ろう」
「あれがお姉ちゃんだね? そして、黒衣の断罪者と、白騎士の天馬の故郷の街」
別件でテルカ・リュミレース帝国ザーフィアス付近の魔物を一掃する依頼を受けていた龍華はいつものように愛用の神機「龍閻丸」で斬り捨て、目標数片付けたので、武偵所に帰る途中だったのである。
その様子を、長さが違う銀髪に、黒を基調とした衣服を着用した少女三人が見ていたのであった。
そして、そのうち二人が、龍華に接触を試みたのである。
「‼」
「ねぇ、お母さん知らない?」
「何だ‼」
「お姉ちゃんなら知ってるはずだよ、隠した癖に」
「知らないっていっているだろ‼」
龍華はそのまま下町の入り口に向かって歩みを進めていた所に、あの銀髪の少女三人組の二人が得物を片手に襲い掛かってきたのである。
一人は、片手斧で、もう一人は、剣で攻撃を仕掛けてきたのだが、こんなことでは遅れを取るはずがない龍華は、いともたやすく、バスターソード型神機「龍閻丸」を実体化し、受け止めたのだが、いきなり、初対面なのに、「お姉ちゃん」と呼ばれたのである。
そして「お母さん」はどこと、まるで龍華が何かを隠した物言いをし始めたのであった。
「わかった」
「おい‼」
離れて龍華と銀髪の少女二人の戦いを見ていた、姉達と同じ長さの日本刀を腰に携えている黒いジャケットを着用していたリーダ格の少女が誰かと話して、龍華を襲っている二人に、合図を送って、撤退していったのであった。
「我が主、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ、しかし・・・‼ まさか‼」
「気が付いたようだな‼、我が主‼」
銀髪の少女二人に襲われた龍華は静かにバスターソード型神機を粒子化し、インテリジェントデバイスに心配されて、大丈夫と返した時、何かに気が付いたので、急いでフラクシナスに帰還することを思いついたのであった。
「ここか、報告にあった場所は?」
「ああ。その通りだ」
龍華はフラクシナスに戻って束の間、天界から龍華指名の依頼が入ったことを告げられて、やってきた場所は、以前転換期を迎え、今は人間達の世界になったゲイムギョウ界のプラネテューヌの街はずれのこじんまりとしたウッドハウスで、依頼者と交渉しに来たのである。
依頼を受けるかどうかは、次元武偵の判断に任されているので、とんでもない依頼だった場合は断ることになっているのである。
そして、龍華はウッドハウスの玄関を開けることにしたのであった。