サングラスの男の自身の才能にうぬぼれたことを見抜いていた龍姫は、黒鉄一輝が苦戦したと言っていたのにも拘らず、数秒で片付けて、納刀し、バルディッシュをハルバードから二刀の日本刀に分離し、力の差を見せつけたのであった。
「何よ、あの強さは」
「さてと、オレと、模擬戦をやってください」
「良いぜ、ぶつけて来い‼」
「はい‼」
「あの~あの人、鞘捨ててますけど・・・」
龍姫の実力に到底届かないことを思い知ったサングラスの男はそのまま戦意喪失してしまい、気を失って、失禁してしまったのである。
龍姫はいつものマイペースぶりで武器を粒子化して、観客席戻るために、壁をジャンプで飛び越えてきたので、ステラ・ヴァーミリオンは驚くしかなかったのである。
龍姫の戦闘術を目の当たりにした黒鉄一騎は、ユーリに模擬戦を申し込み、ユーリもやる気満々でバトルフィールドに降り立ったのである。
黒鉄一輝が、漆黒の日本刀を実体化して正眼に構え、ユーリはいつのやっている柄を逆手に持って、横に薙いで、慣性の法則により、鞘はそのまま横に飛んで行き、しまいには、バトルフィールドの外に落ちてしまったのであった。
ユーリは何食わぬ顔で、愛刀「ニバンボシ」を軽く放り投げて、順手に持ちかえて、利き手である、左手で柄を持ち、肩に担ぐように半身に構えたのである。
ユーリの鞘飛ばしを初めてみたステラ・ヴァーミリオンは呆れるしかなかったのである。
「オレの
「男ならしゃんと構えろ‼」
「スゴイ、あの人の余裕な雰囲気は」
「ユーリはいつもあーなんだよ」
「試合、開始‼」
黒鉄一輝は最弱を以って相手をするとユーリに意気込みを語り、愛刀を構えたのである。
だが、ユーリに喝を入れられることになったのである。
ステラ・ヴァーミリオンはユーリの余裕の態度が崩れないと言うより、戦いを本気で楽しんでいる雰囲気が信じられないのである。
オウガはユーリが誰だろうとあの余裕の態度を崩さないと説明したのである。
ユーリに年功序列と言う概念が全くないので、ナイトハルト相手にタメ口で話すと言う言動で、ナイトハルトと刃を交えることなることがあるが、幾多の戦いを潜り抜けてきたユーリの足元にも及ばず、いつも、保健室行きにされると言うのであった。
そして、模擬戦開始のアラームと実況者の合図が鳴り響いたのであった。
「はっぁぁ‼」
「うそ、動かない‼」
「蒼破‼」
「え‼」
試合開始共に、先に仕掛けたのは黒鉄だったのだが、ユーリが微動だにしないでその場でニバンボシを振り上げた瞬間、放たれた疾風の斬撃をまともに受けてしまい、黒鉄は蹲ってしまったのであった。