茶熊学園図書室「サーモンライブラリー」に本を返しにやってきた学生の中に、龍美達が本を借りに来ていたのだが、そこにどう言った経緯で此処にやってきたのかわからないエステルが書いた冒険物語の小説が置かれていたのであった。
カスミは小説の筆者であるエステルと龍美達が友達であることに驚いていたのであった。
「これ、借りて行くね‼」
「ちゃんと、返しないさいよ‼ けど、エステルって、後で、ユーリ達にでも聞いて、見ようかしら」
龍美達はどうやら、エステルの書いた冒険小説ではなく、先ほどユーリが返却した料理レシピ本を借りて行ったのであった。
カスミは、ちゃんと借りた本を返すように言い、エステルのことを聞きそびれたことに気づいて、明日にでも、ユーリ達に出も尋ねることにしたのであった。
「これ、借りてく」
「フィ、まぁ、気にいったのね、小説が」
龍美達が去ってしばらくして、銀髪の小柄な少女でハルカとは歳が一緒である元猟団に所属していた、フィが先ほど、龍美が言っていたエステルが書いた冒険小説を手に、カスミに借りて行くと言い残して、女子寮に戻って行ったのであった。
カスミはフィの生い立ちをエマから聞いていたので、トールズ士官学院のある場所はとんでもない所だと痛感していたので、フィがこういったことに興味を持ってくれることにほっとしていたのである。
そんなこんなで、翌日
「本日の体育は、わたしが請け負う、ナイトハルトだ‼」
「えーと、確か、トールズ士官学院の戦闘教官の少佐だね」
「貴様‼ 無駄口を叩くとは、良い度胸だ‼ 前に出ろ‼」
「(龍美さん・・・)」
「(こりゃ、終わったな)」
「(どっちの意味でだ?)」
男女で体育でトールズ士官学院の教官であり、剣術(?)の達人と謳われる少佐、ナイトハルトが特別講師で茶熊学園にやってきたのだが、此処には各地の兵が在籍していることに全く無関心と言った感じに捉えていたナイトハルトは、茶熊学園のジャージで着痩せしている龍美に前に出るように言い、リィン達は顔を青ざめていたが、逆にシャルロットをはじめとする次元武偵達はナイトハルトの教官生命が終わりを告げたのだと、綾瀬に至っては、天然ボケ丸出しで(・・?を浮かべていたのであった。
「根性を叩き直してもらうぞ‼」
「あれ、龍美さんがいない?」
「ガタッ‼」
「根性がどうしたんですか?」
「喧嘩売った相手が悪すぎたな」
「剣を抜かずに、倒すとは」
「起きて下さい‼」
ナイトハルトが問答無用に真剣を抜いて龍美に兜割りを仕掛けてきたのだが、あまりにも遅いので、龍美は縮地で移動し、ナイトハルトの軍服の襟を掴んですぐに送り襟締めで締め上げたら、落ちてしまったので、リィン達は初めて見る絞め技に腰を抜かしながら顔を青ざめていた所で、イサミが感心していたのであった。
結局、ナイトハルトが教官として、講義をすることはもう二度となかったのであった。