超次元kurosu   作:天龍神

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作戦会議

なんとか、ハイデルベルグの現国王のウッドロウ・ケルヴィンと、負傷していたピンク髪の少女の弓使い、チェルシー・トーンの救出に成功した龍美達は、近くにあると言う、チェルシーの実家の小屋に避難していたのであった。

 

「先生、すいません、わたしが側にいたにも関わらず」

 

「おまえさんは気にすることではない、それに、スタン君たちが仲間を連れて来てくれた上に、医者が二人もついでに来てくれたんじゃ、それもかなりの腕を持った者たちじゃ」

 

「ですが」

 

「ウッドロウさんよ、アンタ、ちっと、肩の力抜いたらどうなんだい?」

 

「済まない、レイヴンさん」

 

「それに、龍美とジュードが手術してるんだ、大丈夫」

 

チェルシーの祖父、アルバ・トーンに自分の責任があると、自分を責めていたウッドロウに、国王でも弟子である以上は砕けた口調で話す弓の師の言葉と、いつものように砕けていたレイヴンの言葉で、我に帰ったウッドロウはレイヴンに礼を言って、オウガにチェルシーなら大丈夫だと励ましたのであった。

 

「勢いよく、いっちゃったねぇ、これ」

 

「けど、やるしかないしね」

 

「とりあえず、ボクの医療器具で、これくらいなら、あと二十分で出来る」

 

現在、小屋の奥の部屋で負傷したチェルシーの緊急手術を行っている医者の龍美とジュードが怪我の度合いを見て、思っていたことを述べていた。

 

坂で勢いよく転げ落ちたことで、勢いがついてしまったようで、岩と切株にぶつけた個所の骨が完全に折れていたのであった。

 

運が良かったのか、幸いにも靭帯に損傷が無く、切れてもいなかったので、龍美は器用に、持っていたアイテムパックから、医療器具を取り出し、手術を行い、サブで入っているジュードは龍姫のサポートを行っていたのであった。

 

「これで、完了‼」

 

「コン‼ コン‼」

 

「はい、手術完了しました‼」

 

「済まんの、孫の怪我を治療してもらって」

 

「ありがとう、二人とも、なんと言ったらいいのか」

 

「別に、ボク達は、自分が出来ることをしたまでですから」

 

無事に、手術を完了し、扉をノックする音が聞こえていたので、入って来てもいいと合図を送って、ウッドロウ達が治療が終わったチェルシーを見て、ほっとし、龍美とジュードにお礼を言ったのであった。

 

お礼を言われた二人は相変わらずの様子で返して、これからのことを話し合うことにしたのであった。

 

「行きましょう‼」

 

「ああ、城を奪還せねば‼」

 

「おう‼」

 

どうやら、王城を奪還することに決定し、二手に別れることになったのであった。

 

 

 

 

 

 


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