茶熊学園文化祭「熊祭」初日を迎えて、龍美達は講堂で行われる掛け持ちで入部している軽音部のライヴの準備に向かっていたのであった。
龍美は、その道中で医務室のベッドで寝ているアラマキ島の砂浜に打ち上げられていた黒髪の大人びた少女の容態を診に向かったのであった。
「う、此処は? 誰だ‼‼」
「気が付いたみたいだね、ボクはこの学園の生徒で医者の鳴流神龍美、よろしく」
「アタシは、ベルベットだ、悪いが クッ(>_<)‼」
「もう、左足以外、複雑骨折してるんだよ‼ 当分はここで療養してね、そうだ‼ ちょっと、待っててね‼」
「ああ、わかった(困った、これでは業魔も使えないか、何か、胸に違和感を感じる?)」
「車椅子、持ってきたよ(>_<)‼ よっこいしょと‼」
「キャ~‼」
「それじゃあ、行こうか、今日は文化祭だからね(^-^)」
「文化祭?」
ちょうど気が付いたらしく少女が上体を起こそうとしたのだが、両腕と右足がギプスで固定されているのと、上半身も包帯が痛々しく巻かれている状態で、龍美の私服でいつも着ている紺色ではなく、赤色のパーカーを着た状態だったことに気が付いた所に、龍美がやってきたのであった。
龍美か大龍であろう、少しでも女の子らしくするために髪型をリボンでツインテールに結っていたのであった。
大人びた少女はベルベットと名乗って、立ち去ろうにも複雑骨折している両腕と右足をギプスで固定されているので、少しでも動かそうとした瞬間、痛みが走ってしまったので、龍美にしばらくは療養するように注意されて、龍美が少し待っててほしいと言うのでベルベットは大人しくベッドで待っている間に、辺りを見まわしながら自分の状態を把握していたのであった。
しばらくして、どこから持ってきたのかわからないが龍美が金属製の一般的の車椅子を押して持ってきてくれたので、龍美は自分と同じくらいのベルベットを、武術で培ったノウハウで軽々とお姫様抱っこで抱えて車椅子にベルベットを乗せたのである。
ベルベットはまさか、自分と変わらない体型である龍美にいとも簡単にお姫様抱っこで抱えていることに驚きを隠せないでいたのであった。
折角の文化祭なのだからと龍美なりのベルベットに対する計らいなのだろう、ベルベットにも文化祭を楽しんでもらおうと思っていたなのであった。
ベルベットを乗せた車椅子を龍美が講堂まで押して行くことにしたのであった。
「龍美ちゃん、あ、起きてもいいの? ボクは、龍美ちゃんの親友で幼馴染みの獅子神龍月、よろしく」
「同じく、神楽堂恋龍だ」
「御子神
「オレは、式神瑠美奈だ、よろしく」
「アタシは、ベルベットだ」
講堂では各々のクラスがアトラクションなり、エシリアの出店があったりと色々とあり、龍美は先に軽音部の準備をしてもらっている龍月達の場所にベルベットを乗せた車椅子を押して向かったのであった。
龍月達と合流を果たした龍美はベルベットを紹介し、お互いに自己紹介をして、ベルベットを客席に向かったのであった。