アラマキ島の砂浜に打ち上げられていた漂流者の女性の緊急手術を龍美とジュードが行っている頃、ツキミの相棒の月ウサギのドロが飼育されている、ウサギ小屋にある人物がスコップを持って穴を掘っていたのであった。
「何やってんだ、ソウマ」
「‼ ユーリ」
「そんなことしなくて、ボク達、凛々の明星に行ってくれればいいのにね」
「確かに、さてと、ついて来いよ‼」
「?」
「論より証拠よ」
カムイに極秘に何か依頼されたソウマに凛々の明星の一行が声を掛けて、そんなことしなくてもいい方法があると言い、ジュディスが論より証拠だとソウマに言い、ソウマは穴を埋めて、言われるがまま、凛々の明星の一行に付いて行くことにしたのであった。
「ジュディ、ここか?」
「ええ、そうよ」
「おい、ただの壁だぞ」
「まぁ、見てなよ」
「行くわよ、解けよ‼ まやかし‼ 我選ばれし民、汝が待ちわびたし者成り‼」
「おい、これはどう言ことだよ」
「ごめんなさいね、わたしはクリティア族って言う、知恵の民の一族よ、この島には智の民って読んでいたみたいだけど」
そこは校舎からさほど離れていない所で、どっからどう見ても岩壁にしか見ないことにソウマが怒っていたので、ジュディスがクリティア族特有の能力「ナギーク」を使い、隠されていた扉を見つけ出したのであった。
あまりの出来事に言葉を失ったソウマにジュディスがクリティア族であることを明かして、中に入ることにしたのであった。
「これがルーンバリスタか」
「大砲ね」
「此処からは、オレがやって置く」
「わかったよ」
「ありがとうな」
扉を通って到着した場所にあったのは可動式の大砲で、ソウマ曰く、「ルーンバリスタ」と言うらしく、ソウマは後は任せておけと言い、凛々の明星の一行は寮に戻ることにしたのである。
凛々の明星の一行の去り際に、ソウマがお礼を言い、ルーンバリスタを運び出していたのであった。
「ソウマさん、どうでした?」
「例の物はこの通りだ」
「よかったです」
「凛々の明星の一行に助けてもらったがな」
「やはり、ユーリさんには隠せ通せないでしょう」
「ユーリだけじゃない、龍美達も気づいている」
「そうですよね、あの方々にはこのまま知らない振りをする方が良いでしょう」
学長のカムイに報告するべく校長室を訪れたソウマはルーンバリスタを無事に運び出したことを告げ、凛々の明星の一行に助けてもらったことを報告し、カムイは龍美達にはもうばれていると、ソウマに告げたのであった。