電動車椅子に負傷したクリスを乗せてラタトスクの戦艦「フラクシナス」内部を案内することした龍姫は、アドリビトムのメンバーのシング・メテオライトと、自分と同じ黒い髪の少女、コハク・ハーツ共に廊下を歩いていたのであった。
その道中でアンジールがクレスにバーチャルシステムで実体化した立体映像の魔物を用いた実戦訓練を行っている所を見学した後、次に向かったのは、
「此処が艦長室だよ‼」
「そういや、龍姫って、誰に剣術教えてもらったんだ?」
「もう、シング‼ すいません‼」
「あの~ボクこれでもまだ高校二年生の早生まれの十六歳なんだけど」
「そうなの~(;゚Д゚)‼」
一応電動車椅子にはレバーが取りつけてあるのだが操作に慣れてないクリスにもしものことがあってからでは遅いので、龍姫が押しながら廊下を歩きながら案内していたのであった。
途中で食堂で食券の買い方を教えて、龍姫が日本円を持ってない三人に自分の財布から小銭を取り出して、隣の自販機でジュースをご馳走して、椅子に座って、シングが龍姫達の剣術に興味を示したのであった。
龍姫が自分がまだ二人とさほど歳が変わらないと告げたらシングとコハクは驚いてしまったのである。
「それじゃあ、オレと同年代何だ」
「だから、敬語はいらないから」
「うん、これからよろしくね‼」
「龍姫ちゃん‼ ボクも混ぜてよ‼」
「え~と、確か、龍姫の幼馴染みの」
「そう、ボクの名前は、獅子神星龍、よろしくね、シング君、コハクちゃん」
シングは自分と歳が近いのでほっとしたのでコハク共に龍姫とは友達でいたいと思っていたのである。
そこに龍姫の幼馴染みの星龍がやって来て、一緒にフラクシナス内を見て回ることにしたのである。
「此処が転送装置のテレプール、他にも転送装置があるけど、その場所にフラクシナスを移動させないと使えないから」
「へぇ~オレ達を助けに此処に飛び込んできたのか‼ 楽しそうだな」
「ボクも早くテレプールで異世界で仕事して見たいな」
「クリスは怪我が治ってからだね」
次にやってきたのはアドリビトムの面々を救出する際に飛び込んだ惑星間でも転送可能になった装置「テレプール」を見に来たのである。
シングは興味津々な様子でテレプールを眺めていたのであった。
「此処は見ての通り、甲板だね」
「アドリビトムより広い‼」
「ねぇ、龍姫ちゃん、流れ星だよね?」
「そうだね」
今度はフラクシナスの甲板にやって来ていつの間にか夕焼けが広がっていたのであった。
「ありがとう、それじゃあ、一緒に仕事できること、楽しみにしてるよ‼」
「どういたしまして」
全てのフラクシナスの施設を案内が終わったので龍姫と星龍はシングとコハクに電動車椅子に乗せたクリスを任せて、各自自宅に帰ったのであった。