帝国剣士の少女、トモエと剣術の稽古をしているユーリは龍姫達にでも剣術の手解きでもしてもらったらどうかと言ったのである。
そのトモエはユーリとの剣術の稽古を通して、ユーリ・ローウェルと言う男の性格を理解していたのであった。
竹刀から感じた、ユーリの本来のほっとけない病のお人好しであり、根は悪を許さなと言う真っ直ぐな性格を知ったのであった。
「よっしゃ‼」
「クッ‼」
「スゴイ、あのトモエさんが手も足も出ないなんて」
「‼」
「何、あの見えなかったわよ‼」
ユーリがフェイタルストライクを決めて、トモエは持っていた竹刀を弾き飛ばされたところで、剣術の稽古を切上げたのである。
初めてみるフェイタルストライクを見たアイリス達は目が点になったのである。
スキット:フェイタルストライク
トモエ「ユーリ殿‼」
ユーリ「? どうしたんだよ? そんなに大声で呼ばなくても聞えるっての」
トモエ「わたしを弟子にしてください‼」
ユーリ「はぁ? わりぃが、オレは弟子を取る気はねぇ」
龍姫「トモエ、どうして? 弟子になりたいの?」
トモエ「それは、先ほどの一閃を物にしたいのです」
ユーリ「そんなことかよ、フェイタルストライクってのは、コツさえつかめば、簡単にできるんだよ」
龍音「こんな風に、はぁぁ‼」
トモエ「こうでしょうか、はぁっぁ‼」
ジュディス「出来たじゃない」
エステル「トモエは、やればできるんですから」
トモエ「はい、日々精進です‼」
「へぇ~ユーリさんも騎士団の依頼でこの飛行島を」
「ああ、まさか、おまえ達に出会うとはな」
「おっさん、嬉しいわよ‼」
「オレと同じ名前か」
「そう言えば、アンタも今はレイブンだったわね」
剣術の稽古を終えて休憩がてらレストランでお茶をしながら凛々の明星のメンバーと今回のことで話していたのであった。
どうやら、凛々の明星のメンバーは騎士団直々の依頼でこの飛行島にやってきたようで、龍姫達と同じ内容だったことが判明したのだが、困ったことに黒い鎧を身に纏った男の名が、レイブンだったのである。
「そうね、しゃーね、この島に居る時だけ、おっさんのこと、シュヴァーンって呼んで~」
「それが本当の名前ですか?」
「違うよ~、これはあくまで偽名の一つよ‼」
「助かった、よろしく頼む、シュヴァーン」
「なに、この雰囲気は」
流石に二人も同じ名目と言うのは龍音も経験済みなので、困ったことにレイブンは記憶が薄れていることもあって、それを察したのか、レイヴンは飛行島に居る時だけ、騎士団隊長首席としている際に名乗っていた、シュヴァーン・オルトレインを名乗ることにしたのであった。