あーあー聞こえませ~ん!!
マジ泣きそうでマジ無理で三話目投稿!!
ルーク「良い子はこんな大人になっちゃダメだぜ」
八番区裏通り————————
学園初日の日程が終わり現在午後六時三十分、すっかり日も暮れ暗い裏通りの道を三人の新入生の少女達が町の散策目的で歩いていた。
「なんかここ薄気味悪いよ~」
「まあ裏通りだしね、しかももう夜だし・・・」
「そういえばもうこんな時間か」
少女達は時間も忘れて散策に夢中になっていて時間を気にしていなかったのだろう、基本学生の夜遊びは御法度であり人口の殆どが学生で占める学園浮遊都市ではこの時間帯にはもう殆どの人は出歩いておらず、このような裏通りでは特に人気がなく不気味であった。
「ねえそろそろもう寮に行きましょうよ?ここ何か出そうで怖いよ~」
「そうね、じゃあ「ウヒヒヒヒ、こんな時間にこんなところで夜遊びとはイケナイロリっ娘達だねぇ」えっ!?」
少女達が身の危険を感じて指定された学生寮へと向かおうとしたその時、突如どこからか下品で不気味な声が聞こえてきてそして・・・。
「そんなロリっ娘達にはいいところにご招待してあげるウヒヒヒヒ!」
「「「い、嫌ああああああああっ!!」」」
悲鳴と共に少女達はその場から姿を消した。
空戦魔導士科執務室———————
「お前がスカイウィンドの弟か、よく来たな、もう知っていると思うが俺が空戦魔導士科長(ガーディアンリーダー)のジョバンニ・ジョルフィードだ、以後よろしくな」
「あ・・・ああ、よろしく・・・・・します」
初日の日程が終了した放課後にルークは学園内放送で呼び出しを受け空戦魔導士科執務室にいた。
「かしこまらへんでもええでボウズ、ジョジョは多少生意気な口聞いても気にするちっさい男やないからな」
「誰がジョジョだ!?」
空戦魔導士科(ガーディアン)運営に関する書類が山のように積まれた机の前に毅然と立つ長身で筋肉質の空戦魔導士科長(ガーディアンリーダー)ジョバンニ、その左側でヘラヘラと茶化す眠りの森(スリーピングフォレスト)小隊長のソラ、そしてその左側でルークを睨みつけるルークの姉リカ・・・これが今ルークの目の前にいるメンツである。
「ボウズを呼び出したんはブラコnゲフンゲフンッ・・・弟想いのリカの為でなあ、まぁと言うてもただの意志確認やけど」
「意志確認?」
ソラの発言に首を傾げるルークの前にリカがルークを睨みつけながら立った、彼女の眼からは強固な意志を感じながらも慈愛の念や心配する感情も感じとれる。
「久しぶりねルーク、貴方にはここには来て欲しくなかったわ」
「ああ久しぶりリカ姉」
姉弟の再会にしては重々しい空気を醸し出して相対するふたり、そして先に口を開いたのはルークだった。
「リカ姉が俺を死と隣り合わせの空戦魔導士にしたくないのは分かっているつもりだ、それでも最強の空戦魔導士に俺はなるっ!世界中の・・・いや、俺の手の届く範囲でも大勢の人を護り、そして自分の夢を叶えるために!」
「・・・・・・」
意志が強く闘志を燃やした眼差しでリカに食って掛かるルークを見てリカは沈黙と共に威嚇するような眼でルークを見つめた後一回溜息を吐き、ジョバンニがやれやれだぜって感じで額に掌を当て、ソラが豪快に大笑いしながら口を開いた。
「ギャハハハハハハハハハッ!!ええわええわっ!夢の為ってえのが本命で大勢の人間を護る言うんはついでとみたで、そらそうやな!夢・野望を抱かずしてなにが男やねんギャハハハハハハハハハッ!!」
「ソラっ!!」
大爆笑しながらルークに賛同するソラを咎めようとするリカ、しかしソラはそんなリカに対して眼を見開き不敵の笑みを浮かべて答える。
「せやけどなリカ、ガキいうんは夢食って生きとるんやでほんまに、それを止める言うんは野暮いうもんやで、ボウズが自分で決めた道さかいそれ潰したらガキはダメんなる、そんなんアカンやろ?」
「・・・・・・・・はぁ、これだから男は・・・」
直球で夢について語るソラといまだに闘志を燃やした眼差しで真っ直ぐこっちを見ているルークを交互に見て溜息を吐き再びルークと向き合うリカ、そして。
「わかったわルーク、貴方の意志を認めるわ」
「リカ姉!」
「ただし!約束しなさい、未熟なうちは危険な事があったら私達を頼ること、それが適わないのなら自分の仲間達と共に立ち向かう事、その為の信頼できる仲間を見つける事、いいわね!?」
どうやら根負けして折れたみたいだが認める為の条件を出す、それらは全てルークの身を安じて出した条件でありリカは本当に弟であるルークのことを大切にしているのがわかる。
「ああ!もちろんだリカ姉、約束する!!」
「よろしい!これからよろしくねルーク」
「よろしく、リカ姉!」
ルークは条件を呑みリカと握手をする、これでふたりは本当の意味で再会を果たした。
「やれやれ、一件落着やな」
「そうだな、さて「失礼します、空戦魔導士科長」ん?ああいいぜ、入れ」
解り合った姉弟を見て感情に浸るソラとジョバンニ、そこに突然執務室の扉をノックしてから一礼をして入室してきた一人の少女がいた、彼女は入学式の時に司会進行役を務めていた予科二年生の少女だった。
「来客中に申し訳ありません、例の【連続拉致事件】の情報の資料が完成しましたので拝見してください」
「ん、ああわかった、わざわざすまんな」
「いえ、それではわたしはこれからランキング戦の資料の作成に取り掛かりますので失礼します」
「ああ、よろしくな」
一礼して退室する少女、それを見たルークは少し興味本位でジョバンニに問う。
「誰っすかいまの?」
「ん、あいつか?あいつは俺の補佐を務める《フロン・フラメル》、少し堅苦しい性格をしているがなかなか優秀でな、未来の空戦魔導士科長候補だ」
「気ぃ早すぎやろジョジョ?、アンタもまだ就任したばかりやのに」
「誰がジョジョだ!?・・・・・まあそういうわけであいつは将来お前達の上に立つかもしれねぇからな、覚えておいて損はないと思うぞ」
「ああ・・・・んじゃあ今言ってた連続拉致事件って一体?」
「・・・・・そうだな、お前達新入生も無関係ではないな・・・いいだろう」
連続拉致事件などという物騒な単語を聞いて情報の開示を求めるルークに対してジョバンニは開示しても問題ないと・・・むしろ知っておいた方がいいと判断し事件の概要を話し始めた。
「二週間前辺りからミストガンでは高魔力持ちの空戦魔導士科の学生が失踪する事件が多発していてな、《レイブンネスト》に捜索させたところ失踪現場には魔導人形【ゴーレム】生成の魔術が使用された形跡があった」
「魔導人形?」
「対象の物質に魔力を流し込んで人形兵器を作り出して操る特殊な術よ、行使できるウィザードが少なくて珍しい術だから知らないのも無理ないわね」
「ふーん、んで?」
「それがわかった直後に教皇浮遊都市《ベベル》の都市警察から緊急の通達があってな・・・これを見ろ」
ジョバンニは書類が山積みされた机の左端に設置されているキーボードを操作し空間モニターを机の真上に出現させる、そこには頭部の左右にだけ薄い髪が残った禿頭の中年男性が映されていた。
「こいつがベベルの監獄から脱獄してこのミストガンに潜伏しているらしい、名前は《モンド・スミー》以前は魔導科学者で希少魔術に精通していたが・・・奴には異常な性癖があったみたいだな・・・」
「は?性癖?」
ジョバンニがモニターに映されている男の説明をして突然性癖について言い出したので意味がわからないルークにリカが説明する。
「この男は【ロリコン】なのよ、気持ち悪い」
「そりゃあキモイな・・・・・それがなんの関係が?」
「この男が拘束された理由が【幼女誘拐・監禁】だからよ」
「そうだ、そして失踪した学生は全て予科生の女子生徒だ、つまり今回の事件の犯人は奴である可能性が高けえ」
「うわぁ・・・」
あまりにも生理的に嫌悪感を感じるモンドの話にドン引きするルーク。
—————今朝の正門前の引ったくりといい、マジで—————
「・・・ここ治安悪いんだなリカ姉」
「まったくレイブンネストは何やってるのよ?役に立たないわね」
「まあアイツ等は基本ミストガン内の警備が主な仕事やからな・・・って役に立ってあらへんやん!?ザル警備やな!!」
仕事が雑な治安組織に文句を言う一同、警備が楽で退屈な仕事だと思って手を抜いてやってはいけない。
「この情報は明日にでも学園内放送で公開して注意を呼び掛けるつもりだ、今までの被害者が女子生徒だからといって犯人の目的が不明な以上それ以外の生徒に危険が無いとも言い切れん、お前も気をつけておけ」
「ほんまにな、んじゃこの辺でお開きにするで」
窓の外を見て見るとすっかり日も暮れて暗くなり、明日全学園生徒に情報を公開することに決めてこの場は解散となった。
三番区はずれの公園———————
現在午後八時、多くの出店が建ち並び昼間は多くの人で賑わう商業街も今は殆どの出店は閉まっていて人はあまり見かけない。
「カナタ遅いな・・・」
そんな商業街のはずれにある公園のブランコに座り小さくブランコを漕ぐ黒髪ポニーテールに薄紫色のリボンをした少女《クロエ・セヴェニー》の姿があった。
「まったく、あの後結局放課後まで寝ちゃったしそのせいでわたしも反省文書かされる羽目になるしカナタはその反省文に【気分が乗らないからサボリました】って書いてリーガルさんに怒られてやり直しを書いていてわたしはここで待たされるし・・・・も~カナタのばかっ!」
自分を巻き添えにしてあげくにこんな暗い夜に待たせっぱなしにしている幼馴染の少年・・・カナタ・エイジに対して愚痴を吐くクロエ、しかしそれでも律儀に待っているところをみると二人は相当仲がいいようだ。
「・・・それにしてもリーガルさんがここで座学担当の教官を務めているなんて意外だったなぁ、リューン常駐の空戦魔導士の中でもエース級の人だからリューンから離れて仕事しないと思ったのn「ピュイ」・・・あれ?なんでこんなところに《シロハヤブサ》が?」
今日再会した知り合いのことを思い出して感情に耽るクロエだったがそんな時目の前の飛び越え防止の柵の上に白い隼がいてこちらを見ていたのに気づくクロエ。
「おかしいな、シロハヤブサが生息している空域の浮遊都市はもっと南のはず「ピュイ」・・・せっかくだからお話聞いてもらっちゃおうかな・・・」
そう言ってシロハヤブサに語りかけ始めるクロエ。
「こんばんわ、わたしはクロエっていうの」
「ピュイ?」
「ちょっとお話聞いてもらってもいいかな?」
「ピューイ!」
「うん、ありがとう」
十代前半の美少女とシロハヤブサが会話する様はなんとも和むものであるが、こういうときに吐き出したい事は吐き出してしまった方がストレスを軽減できるだろう。
「わたしには幼馴染の男の子がいるんだ、カナタっていうんだけどね」
「ピュイ」
「その男の子がさ、いつも何考えてるのかわからなくていつも突拍子もない事をやらかしてわたしを巻き込むし空戦の実技は鬱陶しいほど熱意をもってやる癖に座学はちょっとできるからっていつもサボるしそれなのにテストではいつも満点だしホント困った幼馴染だよね」
「ピュイ」
話したのは見事にカナタに対しての愚痴であった、どうやら振り回されているのは昔かららしい。
「・・・でもカナタってすごく面倒見がいいんだよ、七歳の時飛行魔術がうまく使えないわたしの為にずっと一緒に特訓してくれて・・・でも上空からわたしを落っことす方法は度が過ぎていると思うけど・・・それでもわたしはそのおかげで飛行魔術を習得できたんだ」
「ピュイ」
「他にもわたしはあまりにも出来が悪いから幼年学校の教官に嫌われていると思って学校に行きたくないと悲しくて泣いていた時だって相談に乗ってくれて一緒になってサボってくれてそれで一緒になって怒られて・・・確かにカナタは不真面目なところもあるけれど、それでもわたしには大切な幼馴染なんだ」
いいところも悪いところもよく知っている、これをよき理解者というのだろう、クロエ・セヴェニーにとってカナタ・エイジという存在は本当にかけがえのない存在なのだ。
「お話を聞いてくれてありがとうね!少しスッキリしたよ」
「ピュイ!」
さっきまで憂鬱だったクロエはすっかり元気になっていた。
「さて、それじゃあもう少し「ウヒヒヒヒッ!かなりの魔力をもつ幼女見ぃ~つけた!」っ!?誰っ!!」
気を取り直してカナタを待とうとしたクロエだったがその時、気味の悪い声が木霊した。
多発する【連続拉致事件】、その犯人の魔の手がまた一人の少女を陥れようと迫っていた。
女の子の会話書くの精神的にすげぇ疲れる!!
それを沢山書ける多作者やラノベ原作者ってマジすげぇ!!
それからフロンの喋り方が変だと思うでしょうけど、これは目上の人間には敬語で話すという独自設定です。(敬語間合っているか不安だけど)