インフィニット・ストラトス Apocrypha   作:茜。

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大変遅くなりました。
体調不良もありましたが、それは言い訳にしかならないでしょうね。
原作と全く違うタッグマッチトーナメントに仕上げております。そして長いです。前中後編三部作です。
一夏とラウラが組むという、多分二次創作でも数少ないだろう組み合わせですが、どうなる事やら(@_@)

中編と後編は……今がんばって仕上げてますー(--;


開幕、タッグマッチトーナメント!

 一夏と千冬の本当の意味での再会の日から時は流れ、学年別タッグマッチトーナメントの開催日となった。一年生は全員参加なので、四ブロックに分けた上で第五と第六アリーナを使って行われる事に。

 二年生と三年生は履修課程が競技科と整備科に別れるため、全員参加の一年生と違い出場選手自体は減るが、その分、選手自身の技量が高くなる事や、正確に分業となる選手と整備の連携を含めた本格的なIS競技試合形式を取るため、一試合辺りの試合時間は一年生のそれに比べて遥かに長くなる。そのため、それぞれ二つずつアリーナを使う事になる。

 そのアリーナには、広大な規模に相応しく複数の控え室と更衣室が用意されている。その内の一つ、一年生の第一、第二ブロックのトーナメントが行われる第五アリーナの一角にある控え室に、緒方ステラ=一夏とラウラ・ボーデヴィヒの姿があった。

 殆どの生徒が試合前の緊張で固くなっている中、堂々としながらも非常にリラックスした佇まいで長いすに座る淡い蒼銀と白銀の少女達。共に背を覆うほどの長さのストレートロングの髪をそのまま下ろし、ISスーツを身に纏った白人種らしい透き通った白い肌の二人は、身長差もあって後ろ姿だけならばまるで姉妹のよう。そんな二人は、いつでも出られる様に他の生徒達と共にトーナメント表の発表を待っている。

「初戦から専用機持ち相手でないといいのだがな」

「そこはランダムだからねー。いきなりリィンや鈴達と当たったら初戦敗退も覚悟しないとだしにゃぁ」

 そんな軽口を叩き合う、今年度最初の学年別トーナメント一年生の部で最も注目されるペアの一角が見つめる、未だ沈黙したまま光を灯さないディスプレイに、ラウラと一夏を含めた全員が注目している。どうか専用機持ちと当たりませんように、と。誰も初戦敗退などしたくない、せめて一回は勝ち上がりたいのだ。

 そしてディスプレイに光が灯り、ブロック分けとトーナメントの対戦順が表示される。専用機持ち同士のマッチは、最速で第二回戦。その試合は……。

「わたし達が一戦勝ち上がれば織斑千夏と、だな」

「アイツ等が勝てればだけどね」

 一回戦での一夏とラウラの対戦相手は武術部所属の夜竹さゆかと如月夏菜ペア。二人共が中距離メインの射撃型だが、近接戦闘まで含めたそれなりの連携訓練を行ってる二人がしっかりと作戦を作り、装備を調えた上で互いをカバーリングしあえれば、状況次第では一夏達も苦戦は免れない。とは言え、別の控え室で待機しているさゆかと夏菜は、初戦の対戦相手が一夏達とわかった瞬間に悲鳴を上げたのだが、それは別の話。そして千夏と箒はその次、第二試合で、対戦相手は面識のない四組の一般生徒ペア。よって一夏達の第二回戦は余程の事が無ければ千夏と箒ペアで確定だろう。その他の専用機持ちや代表候補生を含む有力な生徒達とはトーナメント表上では()()分散され、専用機持ちや代表候補生のペアとの試合は殆どが準決勝直前までない。しかし、本当に偶然の積み重なった上での結果ではあろうが、ランダムなのに作為を感じる組み合わせとなっているトーナメント表に、一夏は僅かに顔を顰める。第一ブロックの一夏達と第四ブロックのリィン達が戦えるのは決勝戦のみな上、その為に一夏達は専用機持ちが居るペアとの()()()を勝ち抜かなければならないというところに。

「まあ、そこは重要ではない。わたしは織斑千夏と戦いたいと思っていない。寧ろ、織斑千夏を含めた有象無象全てを下し決勝まで勝ち登り、その相手も下す。彼奴が一般生徒に負けるようであればそれまでの事。わたし達の目標はあくまでも……」

「リィン達との決戦、だね?」

「ああ。容易ではないだろうがな。順当に行って三回戦でクラウゼルとハミルトンのペア。ブロック決勝の四回戦でシャンティとミルスティンのペア。そして準決勝で第二ブロックを勝ち抜いてくるであろう凰とオルコットのペアとぶつかる事になる。組み合わせを鑑みるに、確実に専用機持ちとの三連戦を勝ち抜かねばならんとは、本当に気が抜けんな、これは」

「だねー。日程は二日間あるけど、決勝込みで実質専用機持ちとの四連戦とか、本当にランダムなのかな。作為しか感じられないよ、これ」

 本当に誰かが仕組んだ組み合わせだと言われた方が納得出来る試合順。そんな一夏に一言だけ、そうだなと苦笑いを浮かべて頷くラウラ。そして一夏から見て、ラウラの言う通り千夏と箒は敵ではなく、ただ通りすがりに踏みつぶす有象無象の一つ。寧ろ第一回戦の相手になるさゆか・夏菜ペアが訓練機組とは言え、千夏達相手よりも余程手強いのは明白。理由としては、例えISの搭乗時間が短くとも、今日までの二ヶ月弱、一夏達は彼女達部員をその得手不得手まで考慮しながらそれなりに戦える様に鍛えてるからである。千夏の様に惰性と義務感で訓練してるわけでもなければ、箒の様に剣道の才だけに頼って戦っているわけではないのだから。

 翻って専用機持ちの居るペアとしては、一夏達の第一ブロックだけでもフィーとティナのペアとエマとレナのペアと二組も居る。この二組を破って漸く、準決勝で鈴とセシリアのペアと当たる事になる。鈴達の第二ブロックにはなぜか専用機持ちが一組も居ないから準決勝の相手は確定。なおリィン達の第四ブロックには優衣と静寐のペアが、リィン達と準決勝で当たる第三ブロックには簪と本音のペアも居るが、相性と戦闘経験的にリィンとシャルのペアが上がってくるだろう。つまり、一夏とラウラだけが、決勝まで残る為に専用機を擁するペアを三組も撃破しなければならないという、些か不公平にも見える組み合わせになっているのだ。

「あれ? ねえ、緒方さん達って、順当に勝てれば専用機持ちとは五連戦ってことだよね。なのに四連戦って、もしかして緒方さん達にとって織斑君は専用機持ちには入らないってこと?」

「当然だよ。織斑なんて実力もない、ただ専用機という名目のデータ収集用機を預けられただけの一般生徒と変わんない。相手としてはウチの部員の方がよっぽど怖いね」

「初戦からステラ達が鍛えている武術部所属生徒のようだからな。例え訓練機装備とは言え、織斑千夏と篠ノ乃箒などより、その二人の方が手強いと感じるだろう」

 と、そんな一夏達の会話の中で「千夏が専用機を持つのに専用機持ちに数えられていないのでは?」と疑問に思った生徒の疑問に一夏達が正直に答えれば、彼女は「そっかぁ、織斑君って専用機持ち扱いじゃないんだぁ」と関心半分呆れ半分で呟くのであった。なお、彼女は大島(おおしま)樹里(じゅり)という、四組所属の極普通の一般生徒である。トーナメント終了後に武術部に入る事になるが、今は関係の無い話だ。

「僕達は絶対に決勝戦まで勝ち登らないと、だもんね」

「当然だ。そして、わたしとステラならば不可能ではない。そうだろ?」

「そりゃ勿論。誰が来ようと、それがフィーや鈴達であろうと、全力全開で全部踏み潰して行くだけだね」

 そんな、樹里との短い会話を終えると同時に、至極物騒な物言いをする二人に樹里を含めた周囲の生徒達が若干表情を青くするが、それもまた仕方が無い。ここに居る全員が、過日に起きたラウラのアリーナでの所行と、それに真正面から相対した一夏の事を知っているから。今トーナメントにおいて一年の二強と呼ばれている一夏とラウラペアにリィンとシャルルペア。その片割れである銀の少女二人の怖い会話に、周囲は半ば恐慌状態であったりするが、当の二人はどこ吹く風。周囲の喧噪や悲鳴を全て無視し、来る戦いに備え意識を集中する。そしてトーナメント開始の宣言と共に第一回戦、第一試合の一夏達が呼ばれ、待機室からピットへ上がりアリーナへと飛び立つ。今回のトーナメントでは地上に降り立った状態から試合開始となるので、規定の位置に着地。既に到着していたリヴァイブを纏うさゆかと夏菜と向かい合う。試合開始までまだ少しの猶予。刻一刻と迫る合図に一夏達は挑発的な笑顔を浮かべるが、さゆか達の表情には怯えこそないものの余裕はない。そして一夏が二人に暴虐的な勝利宣言をする。

「……てわけで、僕達は決勝まで行かなきゃいけないから、遠慮無く僕達に踏み潰されてね、さゆか、夏菜」

「は? ちょ、ちょっとステラ! なにがてわけで、なの!? ていうか踏み潰すとか普通に怖いわよ!」

 一方的すぎる圧勝ならぬ圧倒宣言に、余裕のなさすら吹き飛ばして噛みつくさゆか。夏菜も恐怖など通り越して苦笑いを浮かべるのみ。

「確かにステラさん達と実力差があるのは認めますけど、そこまで言われると酷いを通り越して、いっそ清々しいですね」

「済まんな。だが、わたし達も目的のために手加減など出来んのだ。悪く思うな」

 そして試合開始の合図。一夏が瞬間的に五月雨を両手に展開し、踏み込みだけで加速すると同時、展開した五月雨を二基とも捨て去り、さゆかの右肩に手を乗せて宙返りしながら飛び越える。不意に肩にかかった重さに気を取られつつも殆ど条件反射的に、後ろを取られまいと夏菜と背中合わせになる様に位置を変え、デザート・フォックス(重機関銃)で牽制射撃をするさゆかに対し、一夏は群雲一基を囮に放り出し、緋鋼と烈空を展開して防御。一歩下がった後に烈空を振りかぶる。反対側の夏菜は、ラウラと向き合ったままヴェント(アサルトライフル)ガルム(アサルトカービン)レイン・オブ・サタディ(ショットガン)を次々と取り出しては連続で撃ち放ってラウラと一夏を完全に切り離そうとするも、ラウラに拾われた二基の五月雨、その二連装四基の四銃身ガトリング、その四基が吐き出す毎分五千発を超える猛烈な銃弾の壁を前に、ヴェントやガルムが作り出せる弾幕など有って無きに等しく足止めされ、夏菜とさゆかは背中合わせのままその場に釘付けにされる。そして、一夏の構える烈空がさゆかと夏菜に向けて振り抜かれた。

「二人ともごめんね?」

「全然謝る気ないですよね、それ!」

 その烈空が振り抜かれる瞬間、ぼそりと呟かれた一夏の一言が聞こえてしまった夏菜が思わず叫び返すも、振り抜かれた烈空は分割されたその刀身を次々と量子展開しながら伸びていき、獲物を捕らえる蛇の様にさゆかと夏菜に巻き付き、纏めて縛り上げ、振り抜かれた勢いを止めないまま二人をアリーナの壁へと投げ付ける。締め上げられたさゆか達もただ黙って投げられるのではなく、PICの制御とスラスター全てを駆使して脱出を試みてはいたが、しかし烈空による拘束と加速の方が強く、努力空しく壁に激突。激突した瞬間に烈空が量子格納された事で束の間の自由を取り戻すも、既に二人の目の前には不快な音を立てて回る四基の四銃身ガトリングと放電するブリッツ(レールカノン)の砲口が並んでいた。二人が纏うリヴァイブのシールドエネルギーは両機ともに半分も消費していないが、目の前には右手に五月雨を構えさゆかを狙う一夏の緋鋼と、左手の五月雨と右肩のブリッツを夏菜に向けるラウラのシュバルツェア・レーゲンという緋と黒の壁が並び立つ。それぞれの手にはまだ出したままの銃火器が握られているが、さゆか達に反撃の隙は既になく……。

「にゃー! ステラとボーデヴィヒさん相手じゃ最初からわかってたけど、こんなの無理ゲーすぎー! 降参しますー!」

「あはは……。これは、確かに無理ですよね。悔しいですが降参です」

 痛い目を見る前に、恥も外聞も捨て手に持った火器を地面に放り出して両手を上に掲げ、白旗を振ったさゆかと夏菜。それに合わせて試合終了が宣言される。

 見た目にもわかりやすい武威や暴威という物は、例えその力を振るう事がなくとも、相手の戦意を削ぐという形で戦いに大く作用する。この場合、企業専属と代表候補生の肩書き(武威)を持つ一夏とラウラに、その愛機である緋鋼とシュバルツェア・レーゲンという、訓練機とは比べものにならない圧倒的なポテンシャルを持つ専用機(暴威)部活動の関係(武術部所属)で、一年生の一般生徒としては比較的鍛えられている方であるさゆかと夏菜にとっても、一夏とラウラの二人はまだ、頂の見えない壁であり、圧倒的な暴力であった。

 その後、装備を出し惜しみしてなお、圧倒的な力を見せつけた一夏とラウラと、そして僅かとは言えそんな二人に抗ったさゆかと夏菜に対して会場中から歓声と拍手が鳴り響いた。

 

 続けて行われた第二試合。織斑千夏と篠ノ乃箒ペアと、四組の一般生徒ペアの戦いは、打鉄に物理盾を追加装備した四組ペアが始終防戦に回り、零落白夜を警戒しつつ距離を取りながら打鉄の純正オプションであるアサルトライフル焔備(ほむらび)や、社外オプションとなる月岡製の夕立(散弾砲)時雨(重機関砲)、ベレッタのカリーカM12(アサルトライフル)など高火力且つ面制圧型の中遠距離射撃装備で細かく千夏達のシールドエネルギーを削っていくという、近接格闘特化型の千夏と箒に対して至極正攻法な作戦で一歩も引かない接戦を繰り広げるも、互いに決定打が無く長引いた戦いに、一瞬だけ意識を逸らしてしまった一人に箒が強引な接近と強撃を加え、エネルギーを全損してリタイア。残る一人も相方が落とされた隙を突かれ、瞬時加速と三次元機動を組み合わせた千夏の強襲により後ろを取られて零落白夜の一撃で沈んでしまった。とは言え、一般生徒が戦い方だけで専用機である白式のエネルギーを半分以上も削った事は、試合には負けても、作戦的には彼女達の勝ちであろう。千夏と箒は単純に勝利を喜んでいたが、見ていた観客達は四組ペアの作戦を評価する者が多かった。また期待の男性操縦者の一人である千夏に対して厳しい評価を与える者も居たが、そちらは現時点では全く関係が無い事である。

 

 その後も第三試合以降、順調に試合が重ねられ、専用機を擁するペアが順当に勝ち上がって来た。大方の予想通りの結果ではあるが、第二回戦の第一試合は緒方ステラとラウラ・ボーデヴィヒペア対織斑千夏と篠ノ乃箒ペアとなった。

 双方が指定された位置へと着き、試合開始を待つ間、千夏と箒はそれぞれラウラと一夏に対して睨み付けながら、第一回戦の試合内容を酷評する。恐らく挑発のつもりなのだろう。だが、それは一夏にもラウラにも通じない。二人の戦いに対するスタンスは非常に似通っているからだ。千夏達の語る正々堂々や真剣勝負などが言葉だけの物だとわかっている上、勝つためにはどんな物(敵が落とした武器)でも使う、どこまでも現場主義的な戦い方。だからこそ一夏とラウラは一瞬だけ顔を見合わせて苦笑いを浮かべた後、千夏と箒に向き直った瞬間に嘲る様な笑顔を二人に向けた。

「で、話は終わった? 別に君達の主義や主張に戦い方を否定するつもりはないけど、僕達のやり方を否定される筋合いもないからね」

「うむ。下らん戯れ言はもう終わりにして貰おう。わたし達も貴様等も、己の主義主張は、己の力と技で語るのが筋という物ではないか? ここは、そういう場なのだからな」

 添えられた言葉の刃は、さほど鋭いモノではない。だが、その刃は容易く彼等を激昂させ、その意図通りに二人は憤り、再び罵りの言葉を一夏達に投げかけ始めた。

「卑怯者が言うな! お前達みたいな卑怯者は、この俺が裁いてやる!」

「先日の卑劣な剣、ここで返させて貰う!」

 そして試合開始。

 白式の機体特性だけではなく本人の性質上、基本的に近付いて斬る事しか出来ない千夏と、良くも悪くも()()()である箒は当然のように一夏達へ向かってただ加速し、ただ斬り付ける。だが、そんな温い戦い方が通じる一夏(戦争経験者)ラウラ(現役軍人)ではない。

「甘過ぎ。降り下ろしが遅い。見え透いた剣筋じゃどれだけ気合い入れたって当たるわけ無いし、意識も視野も狭いからこんな単純で見え透いた迎撃も避けられない」

「ぐぅっ! きゃぁあ!」

 一夏は高伸縮性ワイヤーを用いた鋼糸術で葵を持つ箒の腕を絡め取り引き寄せて体勢を崩すと、がら空きになった背中に回し蹴りを加え壁に向けて蹴り飛ばす。

「剣道が強くても、剣術や戦う事に対する知識や経験、それに何より覚悟が全くないから弱い。強くなれない。君は、何のために、何をしにIS学園に来てるのかな」

 蹴り飛ばされた箒は、スラスターを吹かす事で辛うじて壁にぶつかる寸前で姿勢を制御し、蹴られた以上のダメージを負わずに済んだ。しかしそんな箒を評する一夏に対して、ただ只管睨み付けるのみ。そしてアリーナのほぼ反対側で剣を交えるラウラ達は……。

「ふん、口だけの様だな二人目。同じ男でも一人目(リィン・シュバルツァー)三人目(シャルル・デュノア)は油断の一つも出来そうにないが、貴様はこの程度か。貴様の専用機はお前の姉、わたしが尊敬する織斑教官のかつての愛機、暮桜に似た機体(白式)武器(雪片弐型)単一能力(零落白夜)を持っているが、期待外れもいいところだ。これは機体や武器の差などではなく、単に技量と経験の差……いや、違うな。もっと根本的な、意思と覚悟の差か」

 こちらもまた一方的な戦闘となっていた。しかもラウラは、一夏同様に自身の愛機であるシュバルツェア・レーゲンの第三世代装備である慣性停止結界(Active Inertial Canceller)を含む装備の殆どを使っていない。彼女は副兵装であるワイヤーブレードを三本だけ巧みに操り、一本で零落白夜のレーザー刃には触れぬ様に雪片弐型の刀身をいなしながら、残る二本を千夏の腕と胴に絡めて地面に締め落とすと同時、彼の背に脚を乗せて動きを封じ、溜め息と共に落胆を隠さない本音を呟いた。

「どういう、事だよ」

「そのままの意味だよ、自称天才。シュバルツァーやデュノアならば無意味な突撃などせず、こうも一方的な結果にはならなかっただろう。一対一の真剣勝負。うむ、確かに聞こえはいい。騎士道や武士道に通じるその考えは嫌いではない。だが、例えその武士道精神が有れど、貴様程度の技量で近付いて斬るだけなど素人の所行。正直、貴様を沈めるのにワイヤーブレードすら要らなかった。わたし達が初戦で戦った武術部所属の二人や、貴様の初戦の相手の方が、技量や経験を作戦や装備で補おうとする意思が見え、わたし達に及ばずとも迫ろうと、抗おうとする覚悟と気迫があった。そんな彼女達と比べて貴様は期待外れだと、そう言ったのだよ」

 念のためとワイヤーブレードでの牽制と捕縛を行ったが、実際には体術の延長のみでも対処可能だった千夏の攻撃とそこから見える技量や経験に落胆を覚えるしかなかった。敬愛する教官の弟の一人は、天才を自称しておきながらこの程度なのかと。

「これ以上時間かけるのは勿体ない」

「だねー。なら、こっから先は一方通行だよ、ラウラ」

「当然だ。反撃どころか、体勢を立て直す暇すらくれてやるつもりはない。行くぞ、ステラ」

 互いに相手を蹴り飛ばして無理矢理に距離を作り、一旦身を寄せた後、改めて一夏は箒に、ラウラは千夏へと向かう。その為に備えるのはそれぞれ刀剣型の近接装備である烈空とプラズマブレードのみ。一夏とラウラはプライベートチャンネルで短く交わした。千夏と箒が求める剣と剣での勝負に乗ってやる。乗った上で圧倒し、蹂躙する。それだけだ、と。

「生憎実体剣ではない上に二刀持ちではあるがまあ、剣と剣の勝負ならば文句はないだろう、織斑千夏!」

「調子に、乗るなぁっ、この眼帯チビが!」

 突撃するラウラに零落白夜を展開した雪片弐型を袈裟に振るう千夏だが、ラウラは的確に雪片の本体をプラズマブレード発生器となっている腕部装甲で受け流し、流れに逆らわず蹴り上げた左足で雪片の柄尻を正確に蹴り抜き、弾き飛ばす。

「……攻撃が素直すぎる。読むに容易い。だがこれも勝負だ。拾いになど行かせん!」

「な、がぁっ! ひ、卑怯だろ!」

「戦いに卑怯もなにもない。勝ちを拾えるか、拾えぬか。例え身一つになろうと、例え泥水を啜る事になろうと、例え空いた手に持つ武器が倒れた味方や敵兵の遺物であろうと、手段を選ばずに前に進もうとする者が勝つ。それだけだ。それではな、織斑千夏」

 剣と剣の勝負。しかしラウラは的確に武器だけを狙い、千夏を強制的に無手の状態に。そして白式から離れた事で展開していた零落白夜のエネルギー刃が消え去った雪片は、蹴り上げられた時の加速と落下の加速により、その刀身をアリーナの地面に深く埋めて止まる。千夏はそれを拾うために後退しようするが、彼の動きに合わせたラウラは付かず離れず彼に追随し、体術にプラズマブレードでの斬撃を織り交ぜて白式を打ち据え、殆ど距離を動かぬうちに防御手段を無くした白式のエネルギーを削りきり、リタイアさせる。

 ほぼ同時に、一夏もラウラとの一騎打ちで使おうとした抜刀術擬きによって、箒が纏う打鉄の絶対防御を発動させて試合終了。

 一夏とラウラの、まさに一方的な蹂躙とも言える勝利に、または男性操縦者の一人である千夏の完全敗北に、会場が響めく。

「ここから専用機持ちとの四連戦。丁度いいウォーミングアップになったぞ、織斑千夏」

「フィーとティナにエマとレナ、鈴とセシリアと三連戦してやっと決勝だからね。やっぱ不公平だと思うんだけどなあ、この組み合わせ」

 暗にお前は専用機持ちではないと千夏に向けられた言葉に、千夏と箒は悔しがるも、結果は覆らず。箒に至っては悔しさに涙を流すが、しかし同情の余地はない。今までの実習や訓練、更には剣道部での練習でも何度も伝えられていたはずの、実力以前に必要な剣を持つ事、戦う事への覚悟も意識も、今に至って持てていないのだから。

「それはもう言うな。諦めて前を見ようではないか。彼女達もまた、わたし達が蹂躙すべき者達なのだと。それよりも休みながら傾向と対策でも立てる方が得策だろう?」

「ま、それもそだねー」

 そうして意識を次の試合に移しながらアリーナから出る一夏達と、反面落ち込んだ様子で去る千夏達。だがピットに戻る途中、落ち込んだ千夏の隣で箒は一人、涙を流しながらも唇の端を歪めさせ、僅かな笑みを浮かべた。何か大事なものを思い付いたとでも言うかの様な、しかし、正気を疑う様な歪な笑みを。尤もその笑みが指し示す彼女の意図は、彼女を思惑を外れた、思考に掠りもしない形で実現する事になるが、それは後日の話しである。

 

 一夏達が勝利した第二回戦も滞りなく試合は重ねられ、勝敗が決して行く。その中で代表候補生や企業専属のペア達は順調に勝利し、第三回戦に勝ち登る。

 この時点で脱落した専用機持ちは織斑千夏のみ。反面、千夏同様に話題に上がっている男性操縦者のペア(リィンとシャルル)は千夏と打って変わって当然のように勝ち進んだ。

 その第三回戦。第一ブロック第一試合は一夏とラウラ対フィー・クラウゼルとティナ・ハミルトン。この中でティナはただ一人専用機を持たないが、しかし武術部に所属している上に、手先が器用な事から一夏とフィーによりトリッキー且つゲリラ的な戦術を指南された経験もあり、二人には及ばなくとも並の候補生程度ならば善戦出来る程度のゲリラ戦を展開出来る。要するに、フィーとティナはISアリーナというオープンフィールドをトラップ地帯へ変貌させるという、IS戦闘においては非常に特異な戦闘スタイルを持つペアであり、実際、第一回戦は仮想的な地雷原を展開しての間接ダメージによるエネルギー枯渇で、第二回戦はワイヤーを使った拘束技で身動きを取れなくしての降参により、直接攻撃をせず、ほぼ無傷で勝利を得ていた。対する一夏とラウラは、この試合に限り対ゲリラ戦に対応可能な装備を搭載したと公表したため、第三回戦は初戦から接戦且つ激戦になると予想されている。そして予想に違わず接戦となった試合は、しかし激戦とはほど遠い様相を呈する事になった。

「つーわけで、今まで同様ここも押し通らせて貰うよフィー、ティナ」

「無理。ここはもうわたしとティナのフィールド。ステラにだって素通りなんてさせない」

「……わ、私だってやれば出来るんだから覚悟してよね、師匠!」

 試合開始。ブザーが鳴ると同時にティナがスモークディスチャージャーを起動し、アリーナ中央部が煙幕に包まれる。しかし双方共に広がったハイパーセンサーへの妨害効果を有する煙幕を気にする素振りも見せず、開始位置より前進し、ハイパーセンサーに頼らない有視界近接戦闘に移行……。

「くあっ! ダメージは殆ど無いがこれは爆弾か。第一回戦でただのアリーナを瞬時に地雷原の様にしたと言うが、これは確かに地雷原そのものだな。だが、ふむ。気合いは十分。戦略も戦術も万全と言ったところか。これは苦戦必至だな、ステラ」

 するかと思われた瞬間、双方の中間点よりやや一夏達側の地面付近で大爆発が起こり、アリーナの地面を構成していた土砂が大量に巻き上がると同時に煙幕の一部も吹き飛ばされ、拡販されたそれはアリーナ全域へと薄く拡がる。アリーナのほぼ全域が低視界且つ探知阻害される知覚低下地帯となった。

 なおこの大爆発。試合開始と同時に焚かれた煙幕を文字通りの目隠しとして大量に散撒かれた感知起爆設定の対IS手榴弾《石榴(ざくろ)》の付近を一夏とラウラが通過したため、その質量による大気の流動とシールドエネルギーに反応した石榴と、その周囲にある別の石榴が連鎖爆発した事で発生したものだ。さらに厄介な事にこの石榴はフィーが用意した特別製のもので、本来ダークグレーが標準色となってる石榴が、アリーナの地面とほぼ同色の砂褐色に塗られ、密度は薄くなったとは言え煙幕による低視界下では一瞬見ただけでは地面と石榴の判別が付きにくくなっている。

「まあ、フィーとティナ相手だからねって、うぉっとぉ! あっぶないなぁ。しかも飛び上がっても即席ワイヤートラップか。でも、ねえ……」

 そのカモフラージュされた石榴がそこかしこに転がる地面は、まさにラウラ曰くの地雷原。意識してハイパーセンサーも使ってサーチすれど、センサー自体も阻害されているため認識率は低く、それなりの密度で撒かれている石榴を全て感知し避ける事は不可能。かといって飛べばいいと思う事無かれ。上空には既にフィーの凍牙やアリーナの側壁と支柱を使ってのワイヤートラップが仕掛けられ、一夏達は頭上を抑えられてしまっている。無理に飛び上がってワイヤーを斬り飛ばす事も可能だが、その場合はワイヤーに括り付けられた石榴や月岡製八連装ミサイルランチャー《鬼灯(ほおずき)》用の小型ミサイルの弾頭部が連鎖爆発し、恐らく一瞬でシールド枯渇を起こすだろう。不用意に地上を進めば撒かれた石榴がドカン。飛び上がれば今度は上空のそれらが反応してドカン、という事だ。だがその程度で何かを諦める一夏達ではなく。

「ああ。当然、トラップだろうがなんだろうが、全部食い破り踏み潰して押し通るのみ!」

 この時、この状況を予測していた一夏とラウラがこの試合のために装備している兵装は全て非爆発性のもののみ。シュバルツェア・レーゲンの特徴の一つであるレールカノンもユニット毎その右肩から取り外され、代わりにリボルヴァーカノンと暴徒鎮圧用のラバーバレットが込められた専用大型弾倉が両肩に装備されている。それは一夏も同じで、両手に構える重機関砲である時雨も通常の徹甲弾ではなくラバーバレットが装填され、殆どの装備を外す代わりに緋鋼の標準装備ではない可変防盾の蒼鋼と、通常より多くの可変攻盾群雲を搭載している。だが、これでは攻撃手段がない様に見えるが……。

「僕達は押し通るって決めた。引くつもりは一切無い、だからフィー、ごめんね」

「……っ! まさか!?」

 ほぼ唯一の安全圏となっていたその場に、一夏とラウラは背中合わせに立つと蒼鋼と群雲を周囲に突き立て、その隙間から全周囲の地面と上空に向けて時雨とリボルヴァーカノンを乱射。ゴム弾とは言え硬質製のそれが直撃または至近を通過すれば石榴も鬼灯も信管が作動して誤爆を起こす。それが乱射により連鎖すれば当然、一夏達の周囲に撒かれトラップとなっていたそれらは逆に、フィーとティナに対するトラップへと変貌する。

「きゃぁあっ! ちょ、なにこれ! まさか自爆覚悟って事!?」

 一夏達がいる中心部分より外側へ向けて連鎖爆発を起こしていく石榴達は、フィーとティナに逃げる間も与えず彼女達へとその猛威を振るう。とは言え、外周に行けば密度が薄くなるため、致命傷とはなり得ず、二人とも被爆こそ免れ無くとも、戦闘続行には十分なエネルギーを残せた。反面、アリーナの地面自体が爆ぜたと思える様な大爆発の爆心地と言える中央に居た一夏とラウラは、蒼鋼と群雲を文字通りの壁として被害を免れるも、それらは全て破損し、使い物にならなくなった。だが、障害はこれでなくなる。地雷原も上空のトラップも、全て文字通りに吹き飛んだからだ。そして……。

「それこそまさかだよティナ。悪いけど僕とラウラはワガママを叶えるために全部踏み潰してくって決めた。当然フィーとティナもね。だから、これで終わり!」

 一夏が今回の試合にのみ使うとした秘匿装備を、自身が引き起こした猛烈な爆発に紛れて起動させていた。

「ちょ、なによ! なんで動けないの!? ……え? きゃあぁあ!」

 それは爆発の影響がなくなった頃、ティナが不自然に身体を捻りながら、何かから抜け出そうとする事で発覚。藻掻き続けるティナだが、しかし彼女が身に纏うリヴァイブは何かに拘束される様に動きが阻害され、そして突如、なんの前触れもなく爆炎に包まれる。その悲痛な悲鳴が爆音に紛れて尚聞こえる程に。だが何が起こったのか、外からはわからない。ただ二人を除いて。

「くっ! ま、まさか爆導索を使ってきた? 確かにアイディアはわたしが出した。でも、何も見えない。ステラは動いてないのにどうやって巻き付けた? これじゃ防御手段がな……っ! そういうことか!」

 一夏が何を使ってティナを爆発で包んだのか、その爆発が起こった一瞬で理解した。理解したがどうなっているのかはわからない。一夏が何を仕掛けたのか、そこに思考が落ち込み、一瞬だけ思考の空白が出来たフィーだが、その時不自然な空間の揺らぎと空気の動きを捉えた。歴戦の戦士であるフィーだからこそ捉えられた気配。それが何かを理解した瞬間、既にワイヤーも無い上空へ飛び上がり、愛銃である疾風を展開し揺らぎに向けて数発の銃弾を撃ち込むと、揺らいでいた空間が一直線に連鎖爆発を起こした。

「凍牙に爆導索を繋げて、全部を不可視化したんだね。ティナ、大丈夫?」

「……うぅ、一応まだ平気! でもシールドが守ってくれたけど、熱いし、痛いし……。てゆーか本体だけじゃなくて繋がってるワイヤーとか爆弾にまでステルス効果発揮するとか、ズルくない!?」

 ティナを爆発で包み、フィーが引き起こした空間の連鎖爆発。その正体は、電子電磁光学、全ての領域で不可視(ステルス)化された凍牙とそれに牽かれた爆導索。一夏が用意した、この試合を勝つ為の秘策。一時的とは言え戦士の感すら欺いたそれは、現状では緋鋼だけが持つ特異機能。

「しゃーなし。公式には初お披露目の、緋鋼だけが持つステルスモードの応用。でもってそのワイヤーも爆装も全部、その()()()()()だからね」

 故にフィーの考察にも、ティナの愚痴にもただ仕方ないと切って捨てる一夏。地雷原もワイヤートラップも既に無く、後はただIS同士の戦いをするのみ。互いにそれなりのダメージを負っている現状、より強力な一撃を与えた者から勝ち残っていくだろう。そしてそれはまず、ラウラからはじまった。

「……すまんな、ハミルトン。また拘束させて貰うぞ」

「ふぇ? うゃぁ、やっぱ二人ともズルいし! あたし拘束プレイとか趣味じゃないのにぃ!」

 フィーとティナが一夏と会話を交わした一瞬は、ラウラにとってはただの隙でしかなく、瞬時加速でティナに接近すると同時にワイヤーブレードを巻き付け、更にAICで動きを封じ、プラズマブレードで唐竹に一閃。それでティナのリヴァイブはエネルギーを全損。絶対防御は発動しなかったが機体は稼働を停止。ティナはここでリタイアとなる。

「あー、負けたー!」

「本当に済まん。だがこれも勝負だ。この様な形で悪いとは思うがまあ、諦めてくれ」

「わかってるよー。フィー、後はお願いね。判定勝ちでも勝ちは勝ちなんだから」

 転入より今日まで様々な悪評が立っていたラウラではあるが、ここまでの二試合において彼女はその悪評に反する試合を行っている。戦い方は尋常とは言い難いが、それはトラップを多用する自分達も同様で、またあくまでもシュバルツェア・レーゲンの装備の特性故でもあるとわかる。更にその立ち居振る舞いや試合に臨む姿自体は正正堂堂としたものと、ティナは今回の戦いでそこを理解したからこそ、評価とは裏腹の表情で勝利を宣言するラウラに、苦笑いで返すのだった。

「一騎打ち。あの時預けてた勝負、今、受けてもらうよ」

「いいよ。装備殆ど外してるから、得物が違うのは許してね」

 勝敗を決したラウラとティナが見守る中、一夏とフィーはそれぞれ武器を構え、ただ互いの隙を見る。双方共に実体剣を有する疾風と烈空を構え、静止する。試合時間は徐々に無くなり、三十秒を切った事を知らせるベルが鳴る。その瞬間、二人はただ一歩、前に踏み出す。一夏は節を伸ばした烈空を突きだし、フィーは左手の疾風で銃弾を連射しながら、右手の疾風で斬りかかる。そして二人の影が交差し、フィーのシルフィードが煙を吹き出す。双方共に攻撃が命中していたが、一夏の緋鋼はギリギリエネルギーが残り、フィーのシルフィードはエネルギーを刈り取られて稼働停止した。

 そして試合の終了が宣言される。勝者は一夏とラウラのペア。専用機持ちが居るペアとの連戦、その一戦目を二人は勝ち抜いた。

 試合が終わり、一夏とラウラ、フィーとティナはそれぞれ握手をして健闘を称え合ってから各々のピットへ戻り、他に類を見ない異質な、しかし確かな見応えとIS戦の新しい形を見せる戦いとなった第三回戦第一試合は終わり、一年の第三回戦が全て終わった時点で一日目の日程は全て、滞りなく終了。二年生と三年生も順調に試合を消化していると言い、テレサもペアを組んだイギリス代表候補生のサラ・ウェルキンと共に勝ち登っているという。

 

 日程終了が宣言され、一夏とラウラは翌日の第四回戦に備えて換装した装備を元に戻すために整備室へ向かい、それぞれ普段の装備へ戻し、翌日に備えて休むことにした。

 

 

 

 翌日に起こる悪夢を知る事も無く……。




と言う事で、蹂躙劇と言う程蹂躙してない様な気もしますし、さゆか達と千夏達を文字通り踏み潰してきた感を出したつもりが、出せてないんですよね……。

本当に、小説は書いてみないと描写が難しいというのは実感出来ません。
一次二次商業同人限らず色々な作品を読んでいますが、やはり実際に書くという行程は難しいの一言です。
今後、描写力や語彙も含めて見直し&強化必須と感じていますが、今はこの位が限界。欲張ると書けなくなる気がするので、徐々に、でしょうか。

次話は中編、本格的に専用機持ちや代表候補生だけのペアとの死闘……に書けるといいなぁ(・・;
がんばりますので見捨てないでくださいませ!

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