水上の地平線   作:しちご

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付録:副題覚書

せっかくの長編完結なので、あとがき的な事を。

 

紆余曲折ありましたが本編、龍驤が建造されてから満足するまで話が完結致しました。

 

思えば初投稿時、初日PV2桁で誰も読んでくれないなあと鬱入り

全30話予定だけど、第一部比翼の鳥だけ全10話で話を畳もうと

書き捨てモードに入っていたのが嘘の様な完走振りでした。

 

全151話、当者比500%、ビジネスだったらクライアントに殺されているな。

 

それはともかく。

 

ご愛読してくださった皆様、感想を書いてくださったり評価を入れて下さった方々

消えない誤字にめげずに誤字報告してくださったゴイスなフレンズに、感謝を。

 

ついで、第一話投下時にサブタイトル無いと寂しいけどネタが思いつかないから

誰にも理解されなくてもいいやってノリで適当に付けよう感で付け続けた副題を。

 

やっぱり何かもったいないので、思い出しながら解説してみます。

 

それでは最後にもう一度、ご愛読ありがとうございました。

 

 

 

『付録:副題覚書』

 

 

 

 01 臥龍は変生す

 

海底で寝てた龍が叩き起こされて女の子にされてしまった的な意味。

これも一種のTSと言うのだろうか、セクシャルではないな、トランスフォーム?

 

  02 勿忘草色の空の下

 

0時前に投稿すると光の速さでページ後ろに送られると気づき、0時過ぎ投稿に。

 

Forget me not blue(勿忘草色)、徹夜して明るくなった東の空を見た事のある人は

知っているだろう的な、日が昇る直前の空の色の様な輝度のやや低い水色的色。

 

要するに寝ていません的な意味の副題。

 

  03 自由は屈従である

 

戦争は平和である 自由は屈従である 無知は力である

小説「1984年」に在る党の標語から、あまりな内容に直接的な関係は無いとか。

 

  04 紫煙の後先

 

4話にしてネタが無くなり、煙草を吸う前後だから紫煙の後先とか、そのまんまー

 

  05 ナイフと封筒

 

内田美奈子作品から「ナイフと封筒」、行方不明の女性に愉快犯の行動が絡んで

主人公視点で展開するサスペンス風味に仕立てた短編、別に内容に関係は無い。

 

キャラ設定に内田美奈子、状況説明に聖飢魔Ⅱ、話を進める伏線回に神林長平とか

謎の縛りがあったとか、理解される努力を全力でぶん投げている副題シリーズ開始回。

 

  06 彗星一二型甲

 

蒼龍がはみ出させるのが九九艦爆なら、五十鈴は彗星一二型甲だよね。

トップは変わらないだろうけど、アンダーとの差は五十鈴の方が大きい気がするのです。

 

  07 熱帯の夜と朝

 

もうサブタイトル考えるのが嫌に成っている感が垣間見える、そのまんまタイトル。

全10話予定だったけど、泊地の説明とかで話数くわれて超過しそうで焦ってたとか。

 

  08 雨月の使者

 

10話で纏めるを諦めた。

乾期に入る前なので雨季とかそんな程度の意味、言葉は中島みゆき「雨月の使者」から。

 

  09 花煮えの冬

 

サンタの季節、花冷えの季語が使える時期だけど、ブルネイは気温30度。

なら花は煮えるなと、そんな感じのフィーリング。

 

  10 待ち受ける遺産

 

コンテナを拾ってきたと言う事は、沈んだ輸送船が在ると言う事で。

行間に消えた誰かの遺産が帰投する艦隊をしぶとく待ち続けている模様。

 

  11 寛容なる狭量

 

イスラム教自体、及びブルネイは寛容ではあるのですが、異文化の交流と言う物は

とかく主観では狭量に見えがちになるとか、そんな認識の食い違いが発生しがちです。

 

  12 文化と文明

 

餅つき VS 電動餅つき機 それだけだったとか。

 

  13 嵐の予感

 

聖飢魔Ⅱ第7大教典「有害」より、「嵐の予感」

 

デーモン小暮閣下は「歌詞を深読みするな」とおっしゃったが、信者としては

「無理です、閣下ッ」としか言い様が無い聖飢魔Ⅱ名曲の内1曲。

 

  14 武士道とは要は根回し

 

武の芸者が南京玉すだれの横で行って糊口をしのいでいた棒振り芸「剣術」を

剣とは禅に通じる立派な芸道、統治にも応用可能な天下泰平の極意!

とか無茶な事を言い出して、本当だよ、だってワシはそれで大名に成ったから!

と言い張り倒し、紫の衣を得ていた沢庵和尚や将軍徳川家光のお墨付きなどの権威で

ゴリにゴリ押しして定着させ、武士の表芸と言われるまで「剣術」の価値を高めたのが

柳生新陰流の柳生宗矩、彼が居ないと現代剣道はおろか剣術自体存在し得なかったであろう。

 

そして沢庵和尚と共著し、活人剣に因る天下泰平の極意の一環として将軍家に提出された

不動智神妙録を鍋島直茂が注釈した物を、実例込みで分かり易く解説したのが葉隠。

 

つまり、宗矩が居なければ現在の武士道と言う物も存在し得なかったであろう。

まさに日本史の特異点、たった一人で何やってくれますの的なトンデモ剣士である。

 

さて、活人剣、殺人刀とは講談、小説では何とも素敵なロマン溢れる主義主張だか

秘儀奥義だかと扱われがちではあるが、そもそもは、単なる技法の呼び名でしかない。

 

柳生新陰流も活人剣としていろいろと言われているが、実際は甘っちょろい思想など

微塵も無い戦場剣術なわけで、柳生宗矩も生前にこう言い残している。

 

「上手い事斬りつけたなら、相手の息の根を止めるまでとにかく斬り続けろ」

 

ぶっちゃけ柳生新陰流の技法に普通に在る、殺人刀の項目。

 

相手の動きを察知し、その動きを活かして対応する剣技だから、活人剣。

要するにボクシングで言えばカウンターの様な意味に成る。

 

対し、相手はどうでもいいからとにかく技を出す、相手の動きを殺して

放たれる技法だから殺人刀、ボクシングで言えばジャブからのワンツーか。

 

つまる所、相手が何をするよりも早く神速で叩き斬る飛天御剣流は確かに殺人剣で、

相手の攻撃に合わせて武器破壊を狙う神谷活心流は、確かに活人剣と言える。

 

奥義(真髄)が、とにかく早く斬るな御剣流と、武器壊す活心流なとこも特に。

 

技法としての難易度が、相手の動きを察知してそれに合わせた対応を必要とするため

一般に「活人剣は殺人刀よりも上等な剣術」と言われる、ただの事実である。

 

さて、それで何で活人剣が天下泰平の秘訣などと言われる様になったのか。

だれがそうしたのかは上記の通りではあるが、その内容である。

 

相手の動きを察知するために、相手の思考、立ち位置などに思考を巡らせる必要が在る。

そしてそもそも、相手がどんな人間でどんな立場でどんな行動をという所に

思いを巡らせる事ができるなら、そもそも斬り合いに成る前にどうにかできるだろと。

 

剣術の家に生まれてこの発想、何なのこの特異点。

 

一言で言えば根回しが大事なのである、常日頃から周りと仲良くするべきなのである、

斬り合いに成ったら斬り殺すのは当然として、そもそも斬り合いになる時点で駄目駄目なのだ。

 

そのため、斬り合いで勝った所でそれは上中下で言えば下の上、

負けたら下の下、などと言う評価基準が江戸時代の主流と成る。

 

つまり、それが武士道。

 

接待根回し礼儀作法で世界を乗り切るビジネスマン達は、間違いなく現代の侍なのだろう。

 

  15 平穏な平穏な日々

 

大事な事だから2回言いました、つまり嘘です。

 

  比翼の鳥(前段)

 

やっと加賀編に入った、さあ終わるぞと気合入れて起承の承までやって、

このまま後段入ったらいくらなんでも急ぎすぎ orz と思い直し前半で切る事に。

 

意味的には、再編一航戦は赤城、加賀、鳳翔&龍驤の3班編成では在る物の、

赤城・鳳翔と加賀・龍驤の2段階の加入順、設計上は戦艦改装の赤城・加賀と

純正空母の鳳翔、及びのその直系に成る軽空母コンセプトの試作2号的な龍驤と

 

前者の組み合わせが比翼の鳥、後者の組み合わせが連理の枝だなとか、そんな感じ

 

何より加賀、龍驤居る戦前は凄まじく張り切っていたのに、龍驤が一航戦から

外れた途端、モラル崩壊するわドック入りするわ練度下がるわと、駄目空母化と言う。

 

第二次世界大戦に於いてもボロクソ評価と言うか微妙極まりなく、仮想戦記でも

定番のカマセ役として採用されるアレな空母っぷりを見せつけてしまう。

 

ああ、この艦は龍驤居ないと駄目駄目だ、とか、うん、まさに比翼の鳥。

 

  16 存在しない故郷

 

戦前と現代って、異国文化とか生易しい表現で済まないぐらいの別世界ですよねと。

艦娘にとっての懐かしの故郷は、現代には何処にも存在していなんじゃないかなとか。

 

つまり江戸前の握り寿司もアボガド巻きも、艦娘にとってはどちらも記憶に無い変な寿司。

伝統とか日本文化とか言われても、まったく理解できないんじゃないかなーとか。

 

  17 鳳の止まり木

 

居酒屋鳳翔がようやく建設、ブルネイが禁酒国なせいで酒関連に触ると、

素でヘイトやディスりに繋がりかねないネタが眠っていて大変危険なので、

安心して語れる場が作中に出来て一安心、みたいな。

 

  18 壺の中の未来

 

鶏肉を語り損ねたのでもう一回鳳翔で、未来へ向けて焼き鳥のタレの熟成をする話。

 

  19 傍観者の視線

 

騒動に一歩引いた龍驤視点、敢えてセリフ無しで蚊帳の外感をアップさせていたとか。

 

  20 朝の光に君が居て

 

安全地帯より「朝の光に君が居て」

要は徹夜だ此畜生的な意味合い、とりあえず朝の光には筑摩が居た模様。

 

  21 海原に響け祈り

 

海原に響くV8お祈り、これは酷い。

作中映画はワンダーアームストーリー、見る人を選ぶダウナーなコメディ映画。

さりげなくロブ・ロウが出演しているが、wikiに記述が無い当たりお察し。

 

  22 魂の水平線

 

聖飢魔Ⅱから「1999 SECRET OBJECT」冒頭、第4大経典「BIG TIME CHANGES」収録。

 

  23 蜘蛛の紋様

 

獸木野生(伸たまき)のPALMシリーズから9作目「蜘蛛の紋様」

内容に特に関係していない、なんとなく蜘蛛の紋様ぽい錯綜だなと。

 

  24 錯綜する認識

 

全員、考えている事が食い違っているとか、連報相ちゃんが酷いと言う。

 

  25 奈落の紐

 

奈落の底に叩き落して紐を垂らす、まさにヤクザの手口。

 

  26 誰も叫ばない

 

美味いぞおおおぉぉッ、とか、舌の上でシャッキリポンと踊るわッ、とか

誰も言わない、叫ばない、コメンタリーしない、静かに食って端的に会話する。

 

以降の食事回の基本姿勢に成ったとか、山口県は体験談。

 

  27 竜巻を待ちながら

 

特四型内火艇、つまり竜巻作戦の事。

 

  28 黄金の行方

 

黄金色の薬缶は何処に行く、それだけの意味だったとか。

 

水道水が飲めるというのを日本の利点と語る人が結構居ますが、水道水が飲める国は

結構在るのです、ブルネイも一応公式設定上は飲める国、以前赤痢発生したけど。

 

日本は先進主要国だけあって、飲める国の中では衛生環境的に上位に位置しますが、

結局は飲める飲めないは相対的な問題であり、特性として語るのはどうかと思う。

 

例えばニューヨークなどは日本よりもさらに柔らかい軟水の土地なため、

ニューヨーカーが日本で水道水飲むと硬すぎて腹を下すとか言う事例も在ったり。

 

  最柊話 鰯の日

 

フランスでは鰯の事を四月の魚(Poisson d'avril ポワッソンダヴリル)と言います。

馬鹿みたいに獲れるからです。

 

エイプリルフールという意味も在ります。

馬鹿みたいに獲れるからです。

 

鰯の日、要するに四月馬鹿の日。

 

  29 考えるという病

 

心と言う物は、落ち着けていても黙る事なくお喋りに成りがちですねとか。

 

  30 緑色の雨

 

聖飢魔Ⅱ第10大教典「恐怖のレストラン」収録、「緑色の雨」

タイトル通りの雰囲気のインスト曲です、内容的にもこんな感じかなとか。

 

  31 横須賀炎上

 

大和が横須賀で炎上している、そんな感じ。

 

  32 揺るがぬ密林

 

ジャングルの女王、榛名。

 

  33 狐と踊れ

 

「踊っているのでなければ、踊らされているのだろうさ」

 

神林長平のデビュー短編集「狐と踊れ」表題作から。

気が付いたら33話に達していて吐血する、何とか後段に持ち込んで一安心とか。

 

  比翼の鳥(後段)

 

起承転結で明らかに字数が足りないので、起承転結なんて誰も言ってませんよ、

起承鋪叙過結ですよとシレっと入れてみるも、それでも足りなくなる、マイガー。

 

シリーズ通して同じ事を繰り返したあたり、どうしようもないとか。

 

  34 俄雨なら余所に降れ

 

美ち奴の「シャンラン節」戦時歌謡版から。

 

歌詞の中から「嫁に行く日はドリアン頼む」、そんな感じ。

 

台湾民謡に後のマレー作戦を見据えてマレー語を盛り込んだ歌詞を付けた戦時歌謡で、

さりげなく終盤のネタにある様に、歌詞の中で日章旗の事をマタハリと発音している。

 

  35 名前を呼んで

 

グラーフだと伯爵と言う意味になるので、どう呼ぶべきなのか問題。

とりあえず本艦との対話で作中の呼び名を決定させた感じ。

 

  天籟の風(序)

 

荘子から「天籟を語る」より。

 

天籟の音で空洞を、または空を吹き抜ける風の音と言う意味で使われたりもする。

しばらく話を進める気は無いけれど、とりあえず天津風は出しておこう的な先行回。

 

  36 益体も無い話

 

天津風の紹介的な回、あまり意味も無く益体も無い話。

 

  あきつ退魔禄 壱

 

龍驤とあきつ丸の初顔合わせ回、龍驤視点だと殺伐とした部分を敢えて

視界の外に置いていたけど、あきつ丸だと直視する感じ、結構賛否在った記憶。

 

でも世界の奥行きを出すには、龍驤以外にも話の軸が欲しかったのですとか。

 

  重巡洋艦の事情

 

序盤にすっ飛ばした3か月の穴埋め回、タイトル考えるのを投げ捨てている感。

 

  あきつ退魔録 弐

 

島風確保回。

 

感想欄では島風のパラメータだけ装甲とか火力でなく、淫乱とか従順とか

そっち系ばかり在ったりとか前もってネタ振っていたけど、

見てない方には衝撃だった模様、いやさ、何か素直にごめんなさい。

 

  駆逐艦の記録

 

真っ先に川内確保した着任2日目、タイトルの投げ捨てぶりが素晴らしい。

 

  AVENGERS-LP

 

感想欄でアメコミ版を書いてとリクがあったので、でっちあげたアベンジャーズ。

うっかり一部マーベルとDC混ざってたりとか、微妙にやらかしてる、スルー希望。

 

この調子で、第二回で鳳翔と恋仲に成りつつも守り抜く事が出来ず落ちぶれてた

トニー・スタークがアイアンマンとして復活したり、スパイダーが厄ネタ持って

合流したり、遊び半分でデッドプールが掻き回しに来たり、最期に世界を見捨てる

事が出来ずに、神界に戻っていたマイティ・ソーがここぞと言う所で復活したり、

満を持してアベンジャーズアセンブル、までやると確実に設定が破綻するなと。

 

そんなわけで1話だけ、足りない所はご想像で宜しくお願いします。

 

  娯楽の顛末

 

翻訳版を受け取った5番泊地の反応。

 

  あきつ退魔録 参

 

あきつ丸との、遭遇、普段の仕事と紹介が終わったので、話の本筋に絡んでくる感じ。

一応、参話はバレンタイン時に設定だけは作っていたとか何とか。

 

  37 ことほぎの日

 

お祝いの話。

 

  38 ブルネイの涙

 

海老の大いなる流れの本流には居ませんが、それでもこれからのブルネイを支える

新たなる産業として大きく期待されているのです、海老の養殖。

 

海老が目立ちますが、海老の他にもいくつか養殖に手を出していて、シンガポールの

バラマンディ・アジアを誘致してバラマンディ(東南アジアでポピュラーな大きい白身魚)

養殖なども試みています、というネタをやり損ねた。

 

  39 水面下の選択

 

水着グラ実装の季節ですねと、無駄に艦これ原作にリンクさせていたり。

 

  40 月に吠える

 

Cry for the MOON、慣用句で「戯言をほざく」「出来もしない事を望む」「夢物語を語る」

グラーフと龍驤の夜間発着艦訓練、要ドイツ製航空機改装、な感じ。

 

  41 鏡像の敵

 

神林長平作品「鏡像の敵」から、話が進む的な意味。

 

  42 夜に騒ぐ者

 

夜食回、感想で川内の話だと思ったと言われて、言われてみればと愕然とした覚えが。

 

  43 鈍色の誇り

 

長波様登場、島風とのカップリングが好き、鈍色は素直にドラム缶だとか。

 

  44 早起きするだけ

 

ルーク篁参謀ソロアルバム「篁」より「PRESSURE LIFE」から。

嫌んなっちゃうプレッシャーライフからの、早起きするだけ、早死にするだけ。

 

  天籟の風(前段)

 

海上で陸戦、何と言う事でしょう。

 

  45 夢の通い路

 

大戦時のドイツ系ネタ兵器特集、で適当に作ってみたものの。

 

ある程度はかぶってるとは思ったんです、でも投下後に改めて読み直したら

紹介兵器全部被ってたよ、おおのやすゆき著「深く静かに沈没せよ!!」に

収録されてる「ドイツの技術力は世界一イイイイイイイ!!」の中身と。

 

開き直ってサブタイトルを「ゆめのかよいじ」に変更した模様。

 

  46 てるてる坊主

 

KOKIAから「tell tell 坊主」、単に百合ん百合んな話やりたかっただけ。

 

  47 束の間の喜び

 

シェイクスピアより、作中にてグラーフが真夏の夜の夢から引用をした上で。

 

「いま望んでいるものを手にして、何の得があろうか、それは夢、瞬間の出来事、

 泡のように消えてしまう束の間の喜びでしかない」

 

  48 夢見る佳人

 

中枢棲姫が、夢見るままに待ちいたり。

 

  あきつ退魔録 零

 

改装前の、黒くなかった頃のあきつ丸。

大陸の方ではポピュラーな、五行をずらしてキャラの意味を変えていく的な説明回。

 

例えば西遊記だと、石より生まれ水簾洞を得て、木の属性の天界への反逆者「斉天大聖」

と成り、炉に放り込み火の属性、五行山に封じて地の属性を経過させ、守護者としての

金の属性をベースとして、炉に在った時に得た火眼で火の属性を兼ね備えた複合属性の

「火眼金精」たる孫(猴)行者として三蔵法師に弟子入りするという塩梅。

 

  49 影絵芝居の国

 

様々な勢力が本音を隠している状態で前線の交流が在る的な。

 

  50 親切がいっぱい

 

神林長平著作「親切がいっぱい」から。

 

宇宙人がやってきて暮らして帰っていくけど、話の筋には一切絡まないと言う

何かもう一発ネタ的な怪作、作者曰く、用事があって地球に来る異星人が多すぎる。

 

  51 孤独の肖像

 

中島みゆきから「孤独の肖像」

 

  52 色と白の境界

 

色気の在る話、夕立のスタイリッシュ白パンとか。

 

  天籟の風(後段)

 

文字数が10で足りなくなったので、一話をあきつ零に改編する。

漢数字にしたら予定より多くなっても足りるだろうとか考えた馬鹿は誰だ、私だ。

 

第二部通して謎をばら蒔いて最後に一気に解決する感じにしたら、やや不評な感じがした。

自分でも失敗したなあとか思う、いろいろ説明を切り捨てる連作短編形式に合わない。

 

第三部は反省を生かして伏線を適宜回収したとか。

 

  球形の戦場

 

天籟の風で説明しきれず、一話追加せざるを得なかった、中枢棲姫回。

 

  53 入り江の愉しみ

 

洋楽、ハンク・ウィリアムズの「ジャンバラヤ」から。

カーペンターズのカバー版が有名。

 

  54 隔意の果て

 

ブルネイ鎮守府群が除け者にされ続けた結果に辿り着いた現状。

 

  55 信頼は知っている

 

信頼(ヴェールヌイ)は知っている、アレが潜水カ級では無い事を。

 

  56 追憶の悲惨

 

想い出はいつも美しいなんて世迷い事を誰が言ったのか。

そんな感じの不味飯会、シーは日本語だとシチ、シチーなどとも表記される。

なのでビート(砂糖大根)のシー(シチ)は「ボル・シチ」と言う感じ。

 

  57 その料理の名は

 

ナポリタン。

唐突のナポリタンコピペ、しかし古すぎたのかネタとして微妙だった模様。

 

  58 波間に木霊する

 

サモア島の歌、だから青い青い海だったり波間に木霊したりする。

 

サモア島の歌はポリネシア民謡に日本語の歌詞を付けたものと61年に

小林幹治氏がNHKみんなのうたで発表し、流行から定着した歌、とは言うが

 

実のところ民謡では無く、単なる当時のサモア島での流行り歌で、

普通に廃れたせいで21世紀現在、原曲が現存していない、のは余談。

 

  59 小麦の蝋燭

 

マカロニを知る人が居ないとまでは言わないが、ポピュラーと言うには無理がある、

戦前戦中はそんなマイナー食材だったとか。

 

戦後に日本に広まった時、乾麺の状態を見た人が作中の叢雲の様に

蝋燭と誤認するという事例がけっこうあったと記録に残っていたり。

 

  邯鄲の夢(序)

 

そろそろ話を締める事を考えなきゃなと、第三部赤城編に手を付ける。

しかしここから完結まで一年以上かかるとは、この海のリハクの目を(以下略)

 

  60 祝賀と贖罪

 

イスラム暦は完全太陰暦なため、太陽暦の日本とは一年の期間にズレが生じる。

そのため近未来設定の作中ではラマダーンがだいたい春先あたりになるわけで、

一年前には比翼の鳥に入る手前でちょっと入れ損ねた断食からの一連のネタ。

 

ようやく書けた的な感じ。

 

  61 不敵な休暇

 

神林井長平著作「敵は海賊 不敵な休暇」から。

書くタイミングをずっと待ち構えていたポーリン温泉回。

 

  最終舌 片肌カンフー 対 空飛ぶ玉子焼き

 

タイトルは「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」から

見ての通り祥鳳型姉妹喧嘩ではあるものの、特に作中には出てこない。

 

  62 鶏を廻る三景

 

チキンライスを軸とした3つの光景。

金剛曰くの洋食屋のチキンライスが、鳳翔曰くの炊き込み型のチキンライスに成り

そこにケチャップが入り提督の言っていたチキンライスに、という進化の系譜。

 

  63 悪魔と踊る

 

Dance with Devils 慣用句、「厄介事を背負い込む」

そのまんまな意味。

 

  64 転がる民主主義

 

アイスクリーム(民主主義)を軸に転がっている話。

 

  邯鄲の夢(間)

 

あ、ヤベ、最近全然話進めてない的な発見が在り、とりあえず間章を入れた模様。

離島棲鬼が姫昇格しつつ、感想欄からはみ出しはじめた因縁の回。

 

  65 華麗なる黄昏

 

カレー回。

 

カレンダーの符牒はカレー曜日>カレー洋>マレー沖>基地航空隊

つまり「基地航空隊の開発は順調に進んでいます」との工廠からのメッセージ。

 

  66 七胴落とし

 

神林長平著作の短編集「七胴落とし」から、7つのネタと1つのシリアス。

 

  67 天体の孤独

 

内田美奈子作品「天体の孤独」から、作中時間経過のためだけの状況説明回。

 

  68 葡萄の牙

 

葡萄牙(ポルトガル)、そのまんま。

 

スペインとポルトガルは英仏の代理戦争の場に成った過去が在るので

コマンダンテスト的には勘ぐるものが在った模様。

 

フランセシーニャはネット上の表記がそれが多かったので採用したものの

かなりゆっくりでないとそうは聞こえない、フランジーニャ、フランスジン

あたりの方がヒアリング的には近いっぽい。

 

意訳でフランス風、フランス式と訳しているけど、直訳は「フランスのお嬢さん」

 

  69 晴れすぎた空

 

いや、本気でサブタイトルのネタが無かったのです。

もう航空機の話しているから空でいいや的な。

 

  給糧艦間宮大破事件

 

何となく冒頭で「豊臣秀吉が木下藤吉郎だった頃ッ」と言いたく成った。

 

言った。

 

実はその後は全部即興。

 

  70 風の行方

 

島風は何処に行くのー。

 

うっかり矢矧に大和を敬称付きで呼ばせてしまった。

仕方なしに、それで通すことにする、横須賀大和は救世艦隊の旗艦だから

いかに矢矧と言えども敬称を付けてしかるべきと判断したのだろう、とか。

 

  邯鄲の夢(前段)

 

クチコキ様が暇様にハメられる話、これは酷い。

 

主戦派皆殺し計画視点で見ると、この時点で敗北後に遊軍と化すのを許さず

前もってかき集めキッチリ皆殺しにする、という離島棲姫の意図が垣間見えるとか。

 

  71 痴人の愛

 

感想欄にも書いたけど、友人谷崎潤一郎との細君との破局を迎えた佐藤春夫が

故郷に引っ込んで詠んだフラレ男の歌が秋刀魚の歌。

谷崎潤一郎が細君をほっぽって手を付けた、細君の妹をモデルに書いたのが痴人の愛。

 

詰まる所、秋刀魚の話。

 

このあたりでようやく、予約投稿という機能が在る事に気が付く。

 

  72 牛追いの時代

 

牛追い(カウボーイ)絡みの西部話、時期的にサラトガ建造時はフロンティア消失宣言

されていたけど、初期乗員的にはウェスタンショーを見て育った世代なわけで。

 

サラトガが西部の女なのは、そんなせいもあるかもとか。

 

  73 変わらぬ世界

 

もういいかげんタイトルのネタが無くなりきっている感。

ピラミッドケーキとか小ネタを入れただけ、と言うか話を進める前に

あとちょっと日常回のクッション欲しいと思って入れただけの回。

 

  74 猶予の月

 

神林長平著作「猶予の月」から。

 

いざよいの月、猶予期間、鳳翔赤城が仕込みをしている描写から

普段の事に備えている泊地の様子を入れて、最終エピソードへの雰囲気転換回。

 

  邯鄲の夢(あきつ)

 

邯鄲の夢は7話予定、十種神宝でいけば3つ余裕ができるなと開始したものの、

毎度の予定超過、それだけでは足りなくなり、あきつ丸側は三種の神器採用。

 

草薙大剣の前振りでもあったとか。

 

  75 鈴の音に消える

 

聖飢魔Ⅱ「悪魔のメリークリスマス(完結編)」から。

歌詞が大惨事を謳い上げまくっている、さりげに後の展開の予告。

 

  76 両手に生姜

 

生姜に詳しい、生姜通。

 

  邯鄲の夢(離島)

 

ドミノの様に毎回新しい大惨事が、誰がここまでやれと言った。

龍驤タイプをボス位置に置いて放置すると酷い事に成ると骨身に染みたとか。

 

  77 その空白時間帯

 

内田美奈子著作「the その空白時間帯」から。

離島ハウスが流されていく、ので貴重な時間を人類側が得たとか。

 

実は津波を起こすまで離島ハウスの事、すっかり頭から抜けてました。

それで世界への影響を考えている内に、あれ、離島ハウス流されるのではと。

 

  78 芝居蒟蒻芋南瓜

 

「とかく女の好むもの、芝居蒟蒻芋南瓜」

江戸時代の流行語ですね、井原西鶴が芝居 浄瑠璃 いもたこなんきんとか

別バージョンを書き残していたり、そんな適当なサブタイトル。

 

  邯鄲の夢(後段)

 

十種神宝三種神器、全部使い切ってしまい、しかたないので十種を一二三に例えて

ひふみ祝詞から布留部の三文字を追加、とかやったのにまだ足りない、酷い。

 

ので赤城部分を分離させて別章化、あれ、第三部は赤城編だったはずでは。

 

  取終話 天体の地平線

 

アストロ球団ネタ、からの何となく中華一番。

 

  5番泊地かく戦えり

 

シリアスが続いたので息抜き回って、直前がエイプリルフールなのだが。

まあストーリーの上で一区切り欲しかったので、あと泊地はどうなった的な。

 

  ラストダンスを貴女と

 

赤城編、スーパー海軍撃墜王大戦、しかしさりげなく龍驤隊に陸軍から

軍神こと加藤建夫参戦、酷す。

 

加藤隼戦闘隊、大隊長として有名ですが、渡洋爆撃時に台風で暇に成った

龍驤隊が陸軍の航空隊に教導行った時は中隊長、冥府の陸軍はそんな意味だったとか。

 

  あきつ退魔録 幕

 

あきつ丸を軸とした物語の終焉。

 

アラビアンナイトの特徴のうち一つは、腐れ外道でも上手い事やったらハッピーエンド

に辿り着けると言う、とても現実的で、ある意味優しい展開だと思うのです。

 

人は大抵は聖人君子ではありませんし、綺麗な主人公しか幸せになれないのだったら

読んでいる読者は、脛に傷持つ分だけ不幸になるしか無いじゃないですかと。

 

どうでも良いけど千夜一夜物語のタイトルが千一夜で無いのは、アラビアでの

1001夜の表記がアルフ(千)・ライラ(夜)・ワ(と)・ライラ(夜)と

千と一と表記するから、直訳で千夜一夜とされているせい。

 

  邯鄲の夢(龍驤)

 

黄泉戸喫(黄泉の汚れた食べ物を口にする事)を防ぐ乗員と亡者の攻防。

誰一人本心を口にしない、龍驤が適当な事を口するのはきっと乗員のせい。

 

  最終話 水上の地平線

 

私たちは求め続ける。

 

私たちの望む世界の果てを。

 

この海の上に在る、水上の地平線を。

 

などと真面目にメインタイトルにこじつけた感じ。

いやさ、タイトル決めた時は、ここまで長丁場でやり切るとは思ってなかったわけで、

海の上に俎板が居るから水上の地平線でいいだろ、みたいな、いやあはは。

 

 

そんな感じの全話サブタイトルでした。

それでは、またお目にかかれることを祈って。


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