Fate/stay night ~ For someone's smile ~   作:シエロティエラ

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なんか三枝さん人気ないですね。
そして何故かヒロインにカレンが出てくるネタが浮かぶ、今日この頃。

それはそれとして更新です。今回は短めです。

それではごゆっくりと。





状況確認

 

 

 

昼食の準備ができたから、未だ居間に来ないセイバーを呼びに行った。

 

皆には先に食べとくように言ってあるので(サーヴァントたちは食べるのだろうか?)、俺はまた自室へと向かった。

だが自室にセイバーはおらず、布団も綺麗に畳まれてもぬけの殻となっていた。

まさかこの家から出ていったのか、と不安になっいたところ、道場の入口か開く音がした。

俺は急いで道場に向かい、中に入ると、果たしてそこにセイバーはいた。

 

窓から射し込む日の光を受けながら、セイバーは正座、瞑想をしていた。その姿に、俺は目を離せなかった。

 

 

「……シロウ?」

 

 

しまった。

つい見とれてしまっていた。

セイバーに名前を呼ばれなかったら、時間も忘れてずっと見ていただろう。

俺は誤魔化すように咳払いを一つし、セイバーに近寄った。

 

 

「セイバー。昼食用意したけど、食べるか?」

 

「……ええ、いただきます。その前にシロウ、少しよろしいですか?」

 

「ん? どうした?」

 

 

セイバーは立ち上がって俺に質問してきた。だから俺もセイバーに正面から向き合った。大事な話だろうからな。

 

 

「……先程のシロウの言葉を聞き、自分なりに考えてみました」

 

「……」

 

「正直に言いますと、まだわかりません。私の願いが正しいのか、そうでないのか、今も混乱しています」

 

「……そうか」

 

 

まぁそうだ。

聖杯に託す程の願いだ。そんなあっさりと答えが出るはずもない。

そして俺は彼女(セイバー)じゃない。だから彼女の葛藤を、本当の意味で理解することは、今はできない。

 

 

「……ですから」

 

「ん?」

 

「ですから貴方が、私に教えてください。この聖杯戦争の間、あなたが得た答えの一つを。その過程で、私も私だけの答えが見つけられると、私は思っています」

 

 

セイバーはそう言うと、柔らかな笑顔を浮かべた。

 

 

「それに私は最初に言いました。あなたの剣となる、と。ですから安心してください。この地の聖杯の問題は、私の願いの正誤に関係なく捨て置けない問題です。ですから、最後まであなたと共に在ります」

 

 

はじめはいたずらっぽく、続いて見る者を安心させる頼もしい笑顔を浮かべ、セイバーはそう言いきった。

ああ、これなら一先ず大丈夫だな。

 

 

「ああ、頼りにしてる。そしてこれから嫌になるくらい見えてやるから、腹を壊すなよ?」

 

「ええ、望むところです」

 

 

俺達は互いに軽口を叩きあいながら、居間へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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全員で昼食を摂り(結局バーサーカーだけ食べなかった)、今後の話し合いとなった。序でに言えば、アハト翁は既に郊外の城に戻ってる。昼食だけ食べてすぐに出発した。

 

 

「とりあえず三枝、両親に連絡はしたのか?」

 

「うん、テスト勉強でお泊まりになるって言ったら許可がでたよ? なんでか帰ったら御赤飯だって言われたけど」

 

 

……なんでさ。

まぁ護衛はしやすくなるからいいのだが、赤飯て……、なんか遠坂は不機嫌になるし、姉さんは俺を睨んでくるし、俺なんかしたか?

 

 

「……ハァ、まぁいいわ。とりあえず、あんた達三陣営は同盟組むのね?」

 

「「「ああ(ええ)」」」

 

「遠坂はどうするんだ?」

 

「私? 出来れば私もお願いしたいけど、いいのかしら?」

 

「私は構わないわよ」

 

「えっと、私も」

 

「「俺も」」

 

「そう、ならお願いするわ」

 

 

ここに四陣営の同盟が成立した。

……これって聖杯戦争のルール的に大丈夫なのだろうか? まぁ今回で聖杯は破壊するからいいのだろうけど。

 

基本方針は、学校では俺と遠坂が護衛をしつつ、サーヴァントたちは他の陣営の情報の収集。イリヤ姉さんは自由登校なので、町での調査。夜は俺と慎二、セイバーとライダーで見回り。

ということに決まった。三枝も、それで納得していた。

 

因みにセイバーは霊体化できないそうで、ならいっそのことと、遠坂のツテで超短期留学生として、桜のクラスに入ることになった。

 

 

「さて、話は粗方終わったわね。というわけで……」

 

 

遠坂が俺に視線を向けてきた。序でに桜と慎二も。何故か赤い不審者も。

これは不味い、非常に不味い。

 

 

「衛宮君、聞かせてもらえる? 何であなたが固有結界を使えるの?」

 

 

きた。

一番話したくない話題がきた。ここは戦略的撤退を……

 

 

「さて、俺はお茶d「「逃げるな(逃げないでください)」」……はい」

 

 

できませんでした。

アカイアクマとクロイアクマに一睨みされて、動けなくなりました。序でに言うと、赤い不審者に肩を掴まれていた。触るな、赤が感染(うつ)る。

 

 

「さぁキリキリ吐いてもらうわよ」

 

「クスクス、先輩? 私も妹弟子なのに、何も聞かされてませんよ?」

 

 

うわぁい、アクマのバーゲンセールだ。

姉妹による圧力が半端なく怖い。そりゃもう、対象でない慎二でさえ部屋の隅っこに行って怯えるほど。

ここは姉さんに助けを求め……諦めよう、我が姉はシロイコアクマになってらっしゃる。

西部戦線、異常しかなし。

 

 

「……謹んでお話させていただきます」

 

 

そこからは質問タイムという名の尋問だった。

遠坂からの拳ときどきガンドを避けつつ、俺は説明を終わらせた。あとで壊れた家具の弁償代払わせよう。

 

だがまぁ、遠坂がキレるのもわからなくはない。橙子師匠も初めて知ったとき、結構怖い目を向けてきたからな。あれは解剖させろと、視線で語りかけてきていた。

 

 

「ったく、何でこんなヘッポコに……」

 

 

ヘッポコで悪かったな。その代わりそれ以外の魔術は使えないんだよ、こちとらな。

俺達は三枝の淹れてくれたお茶で、一息ついた。

 

 

「まぁいいわ。ところで衛宮君、あなたまだ教会に行ってないんでしょう?」

 

「ああ」

 

「なら今夜いくわよ」

 

 

……行きたくねぇ。

赤い不審者と向き合って飯を食うぐらい行きたくねぇ。

というか赤い不審者と向き合って飯を食うぐらいなら、俺は泰山の激辛麻婆豆腐を食べるね。

さっき昼飯食っただろって? 向き合ってないから妥協した。

 

 

「何て顔をしてるのよ、まるでこの世の終わりのような」

 

「……あそこの神父、正直関わりたくない」

 

「気持ちはわかるけど、義務だから仕方ないわよ。割り切りなさい」

 

 

結局今夜教会に行くことで決定し、一旦解散となった。

遠坂は屋敷に荷物をとりに、間桐兄妹も本邸に荷物を、三枝はライダーの護衛付で宿泊道具とカモフラージュの勉強道具をとりに。

俺は道場に行って日課をこなす……はずだった。

 

現在俺はセイバーと向かい合っている。イリヤ姉さんは見物中、バーサーカーは見張りだ。

 

 

「あの~、セイバーさん?」

 

「なんですか、シロウ?」

 

「何をしておられるので?」

 

「何って、鍛練ですが」

 

 

セイバーはそう言うと、竹刀を一振りした。それだけで結構強い風が吹いた。そしてセイバーは竹刀を正眼に構えた。

 

 

「さぁシロウ、構えてください」

 

「なんでさ!?」

 

「? これは異なことを、私は純粋にシロウの実力が知りたいだけです。仮にもランサーの刺突を捌いたのでしょう?」

 

 

セイバーはキョトンと首を傾げつつ、だが竹刀の構えを解かなかった。序でに言えば、ランサー云々の(くだり)で姉さんの目付きは険しくなった。あとで怒られるな。

そしてセイバーだけど、これはこれ以上言っても聞かないよな。俺は仕方なく竹刀を二本とり、両腕をだらりと垂らすようにして構えた。

 

 

「二刀使いですか?」

 

「ああ、これが俺の基本だ」

 

「わかりました。さぁ、来なさい!!」

 

「……いくぞ」

 

 

俺は二刀を構え、セイバーへと踏み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 






前書きでも書きましたが、今浮かんでるネタは、

・原作ルート以外の未来の士郎さんとカレンさんが並行世界へ
・どこかの作品に投入される。住処は廃教会
・二人して基本傍観、たまに原作の騒動に介入

ってな感じで。

序でに言えば、何故か『IS』の世界が候補です。
束さんをカレンさんが言葉攻め、暴力の方は士郎さんが鎮圧とか。

まぁ書かないと思いますが。


それでは今回はこのへんで。



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