ゲート 魔導自衛官 彼の地にて斯く戦えり   作:庵パン

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ドーモ、庵パンです。
なにやら今回短いです。戦いません。
グランハム回です。エロくないです。
ホモォでもないです。でも火威がちょっとグランハムを尊敬します。

というか、最近、一種のスランプ(?)気味です。
エロいガンダムを書きたいのですが、栗林のターンも書きたかったところなのでバランスに迷っています。
ついでにエロンダムを18禁にするかちょいエロにするかで悩んでもいます。
そのことで一昨日と昨日は悩んでおりました。
そこで考えたのが、ちょいエロンダムと18禁ダムを亀更新にして二つ書いて行くことッ。
GATEも書籍版とWEB版があったからOKなハズッ!
本当にやる場合は両方とも亀更新になりますが、どっちか集中して書くのもアリな訳です。

そもそもガンダムでエロって有りなのか…ってとこですが、
リン子ママンとフミナ先輩は非常に性的だったらオーライなワケですよきっと!
ついでにSEEDでも何かエロいところあった覚えがあるし!(偏見

まぁそんな感じに長めの前書き書いて、短め本文の足しにしたいと思います。


第九話 戦徒理論

リーリエ・フレ・シュテルンの高祖父、ロミーナ・フレ・シュテルンがマリエスを築く前にも、氷雪山脈は現在と似たような状況にあった。

帝国貴族の歴史を記した書や、当時を知る長命種の者の証言ではロミーナは高名な魔導士でもあったことが明らかになっている。

それ故に、グランハムを含めて多くの者が百年前の動乱の際、ロミーナが首謀者の魔導士に呪いを掛けてシュテルンの家の者を兇害することがで出来なくなったのだと推察した。

しかし当時を生きていた長命種の戦士の話しでは、ロミーナが敵の魔導士に呪いを掛けたような素振りも気配も見せなかったという。

その戦士はロミーナ程の魔導士ならば遠くの人物に呪いを掛けることも出来る、ということも言っていたが、証拠も無いのでグランハムの推論は仮定の域を出ない。

「って、敵の魔導士ってヒトですよね? この世界でヒトの寿命は百年も無いって聞いたんですけど……」

火威はマリエスにあるシュテルン家の屋敷でグランハムに確認するように問いかけた。

「優れた魔導士なら禁忌に踏み込んで寿命を延ばすことが出来る。勿論、自然とは掛け離れた歪んだ物で世界の均衡を崩す行為だから、私達が断罪するけどね」

使徒からすれば、今回の敵は諸々の法を破って既にアウトの筈の人物なのである。

そして百年前にはロゥリィが断罪していたと、火威はジオやその仲間が、長老から聞いていたと聞いている。

又聞きの上にアルガナに行っている最中に持って来たロクデ梨の半分を食いやがった種族で、その犯行動機が「お腹が空いてたからついつい味見してしまったなぁ~ん」という連中なので信憑性が疑われるが、他の長命種の戦士もロゥリィが断罪していたと証言し裏付けられている。

「そ、それって死んでますよね?まさか子孫が亜神に喧嘩売るとか、敵も亜神とか?」

「詳しいことは私にも解らない。真実を知るには山脈の奥地まで行かなくてはならないね」

神々に喧嘩を売った亜神といえば先日のメイベルが思い出されるが、彼女自身が名乗りを挙げるまでズフムートの使徒が地上に現れたことは他の使徒は知らなかったのである。

仮に敵が亜神だとしても、グランハムは疎かロゥリィやジゼルにも知る方法は無いのだ。

そして敵が亜神ではなくヒトの身のままだとすれば、代を重ねて悪意を撒き散らしているか、何らかの歪な形の方法で命を延ばしている可能性がある。

だが真実を知るには、敵地まで踏み込んで行って叩き斬る他無い。

「しかし参りましたねぇ。そうなると出来る事も限られる」

「君にもかい?」

「えぇ、三日の現地調査任務で初日に早速重要情報を得られましたけど、今の自衛隊はアルヌスから余り動けませんからねぇ。一度帰還した後、特戦……精鋭部隊と再び戻る予定ですが、この圧倒的不利な状況はどうにも……」

それを聞き、この使徒にしてはほぼ無いであろう事だが眉間に皺を寄せて難しい顔を作った。

「いっそ冬が終わるまで皆でマリエスから避難しちゃどうでしょ? それで暖かくなったらマリエスとか他の街も取り戻すのとか」

火威は執れる手段の中で最も簡単な方法を提案した。

彼も特地に来る前から捜し続け、そして特地で逢って交際するまでに到った女と結婚出来そうなのだ。可能な限り不測なリスク要素は取り除きたい。

「いや、それは得策とは言えない。冬の間に相手はマリエスや他の街を占領するだろうことは解っているね? 春が来て私達が今まで以上の力で攻め行って街や拠点を取り返したとしても、どんな罠が仕掛けられているか解らない。それに敵の怪異の量も溢れる程に増えてる筈さ」

グランハムの推論を一々最もと感心する。そもそも内戦の最後にウロ・ビエンコに罠を敷き詰め、ハリョの影戦部隊を粗方排除したのは火威であったのだ。その火威にグランハムは続ける。

「アルヌスの周辺でも怪異が増えたって話しは無いかい?」

それを聞き、火威は驚いた。

グランハムが大祭典が終わってフレアの下に帰還し、テュカが父親捜しの為の移動手段を検討し始めてから、アルヌス周辺の害獣や怪異による救援要請は急増している。

実際には大祭典中にも周辺の村で被害は起きていたが、人的な被害もなく被害の度合いも小さいので特別視することは出来ない“通常”の被害なので重要視されずにいた。

だがグランハムは怪異が増えたこと、そのものを言い当てたのだ。

「そ、その通りです」

「中には巨大化した個体も無かったかい?」

「ちょっ!?その通りですよ!」

まさかこのホモエルフが下手人か!? とか思ってしまった火威は、同性愛者に厳しい。

「さっき、マリエスに転がっていた亜龍の死体を見たよ。どれもが一歳以下の幼体だった」

グランハムが言うには、龍の詳しい年齢はその鱗や牙を観察すると解るのだと言う。

火威が叩き斬った龍の鱗はどれもが軟弱だったが、全て幼体だったなら説明が付く。

生物の成長を促進させたり、形だけでも巨大化させるるのは、氷雪山脈に限って言えば何者かが意図的に魔法を使うしか無い。

グランハムはエルフとしても長年生きたというだけあって、その知識量は賢者でも舌を巻くものだった。

竜や龍という生き物は多くの場合で決して馬鹿じゃない。ヒトが騎乗生物として使う翼竜も馬程度の頭脳があり、ヒトが手懐けることが出来る。

飛龍となるとヒトを始め、人間が手懐けた例は極端に少なくなるが存在する。

亜龍や古代龍の幼体である新生龍を手懐けようという猛者は人間の中では皆無だが、稀に亜神が卵から孵化させて飼うことがあったらしい。

多くの場合で成体の古代龍になる前に殺され、飼い主の亜神も敵対する者から解体されて幽閉されたことが、数万年に渡るファルマートの歴史の中では有ったとグランハムは語る。

卵から孵さず、成長途中から従えるには、力で言う事も聞かせることで可能だと言われているが、この場合は強大な力が必要となるので、実現したという話は聞かない。

そして昨日の亜龍は卵から孵されて間もない個体を、見かけだけでも巨体化させたものであることが解ったのだ。

つまり、マリエスに出現した亜龍は敵魔導士の手に依るものだったということになる。そしてアルヌス周辺で怪異や害獣が増えた原因も、この魔導士の仕業だという。

「えええ、なんでアルヌスまで……。誰か恨まれることでもしたんですかね?」

「それはヒオドシ君、君だよ」

大祭典が行われるより五ヶ月ほど前、グランハムはユエルと共にニャミニア討伐の為に得エルベ藩国に向かっていた。

だが話を得るのが遅かったせいで、ニャミニア討伐に立ち寄ったエルフの魔導士の元で彼の竜が自衛隊に討伐されたことを知ったのである。

「あり? サリメルさんと会ったんですか?」

「彼女とは前にも会っているからね。きっと大祭典に呼ばれなかった事を知ったら怒るか泣くと思うよ」

そんな感じで話が脱線しつつも、グランハムは大祭典が開かれる半年近く前にユエルと共にニャミニアを討伐しようとエルベ藩国に向かっていた事を聞く。

ニャミニアという巨大無肢竜は、それより先に火威達自衛隊によって退治されているので、シュワルツの森の端……ロマの森に到着したユエルは臍を噛んで悔しがったという。

なので炎龍やニャミニアを斃した人物が居るアルヌスに、大祭典でロゥリィから呼ばれた時、ユエルは行く気満々だったのだ。

 

閑和休題。

 

グランハムはニァミニアを倒した人物を、魔導士が己の障害と捉えたのだと推測し、その自論を説明した。

現実に、アルヌス周辺には自衛隊でなければ対処が難しいほどの怪異や害獣の大群が押し寄せて来ていたのだ。

一度は火威が寝る間を惜しんで数を減らしたが、何時また溢れだすかも解らない。

「……魔導士って繁殖業者か何かっすか?」

「いや、協力者か何かが居ると思うんだけどね」

世界の神に喧嘩を売るとは、何処のどいつかは知らないが大した気合の入れようである、と、高校時代の火威なら評しよう。だが今はひたすら迷惑連中だと思うだけである。

四柱の亜神が神殿を構え、アルヌスは名実共に聖地となったと火威は考える。

そのアルヌスに向け害獣や怪異を放ち、周辺に住む人々の生活を脅かそうとは、内戦最後にゾルザル派が行った怪異テロ張りに容赦出来ない。

天誅を待つよりも先に人誅を加えるべきと判断した。というか私刑を与えたくて身が疼いた。

だが敵の拠点も解らないのに火威がマリエスから出撃した場合、氷雪山脈と再び墜ちるであろうアルガナから挟撃されてマリエスは陥落してしまうだろう。

龍や怪異を使い、戦力の底が見えない敵はそのままファルマート全土に侵出することになるだろう。そうなれば特地派遣隊が日本に帰還するより早く、特地は再び戦乱の地となってしまうのだ。




次は40KBくらいは欲しい。
それはさて置き、何やら雑に進めている感じです。
粗筋は脳内に出来てますけど、果たして完走できるのか……コレ?

ということで、
質問・疑問、感想など御座いましたら忌憚なくお申し付け下さいませ。

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