死の超越者と白夜の騎士   作:スティレット

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ここでブロントさんのステ振りを披露。

70を戦士や騎士系のジョブで固め、15をクレリック、15をローグ(ブロントさんはシーフと主張)、最後にワールドチャンピオンオブヴァナヘイムでだいたい合計105くらい。100オーバーしているのはワールドチャンピオンのせい。

6/22追記

D&D基準でローグ3でスニークアタックが取れるので低めに修正。


第八話

 現在俺とモモンガさん、それとリューサン、ナーベラルとついでに忍者はエ・ランテルと言うリ・エスティーゼ王国の都市に来ていた。現在のモモンガさんはアダマン製の兜に胸当て、ガントレットとサバトン、そして上からローブを着ている。兜と言えば仰々しいが、ようはしっとマスクも鉄仮面で似たようなもんだ。そして俺もフルアダマンだ。流石にグラットンはやりすぎなので腰にはダインスレイフと、対甲殻などの鈍器にボドゥンメイスを持ってきた。盾はケーニッヒシールドでは無くリッターシルトだ。リューサンはいつものプラモっぽいドラケン装備。忍者は何故か五神装備である、玄武兜、麒麟大袖、青龍篭手、白虎佩楯、朱雀脛当だ。ナーベラルが一番軽装だったりする。

 

 街の連中の反応は芳しくない。やはりエルフは奴隷と言う風潮が根強いようだ。そのせいでナーベラルがぶつぶつ言っている。

 

「・・・・・・ゴミ虫(下等生物)共が、頭を垂れ、跪くべき至高の御方々を無礼な目で視るばかりかブロント様に侮蔑の視線をぶつけて・・・・・・死刑・・・・・・生温い。やはりニューロニストのところに・・・・・・」

 

 ちょっと良くにい兆候だぬ。

 

「ナーべ」

 

「は、はいっ! ブロ「ちょっと待て」」

 

「今の俺はロトだ。そしてお前はナーべ。後モモンさんとブルーゲイル。ついでに忍者。復唱」

 

「ロト様と「待て」」

 

「さんを付けろよデコスケェ!」

 

「hai!」

 

「漫才はそこまでだ二人とも。ナーべ。今の俺たちは同じ冒険者仲間だと知れ」

 

 モモンガ――モモンがたしなめる。

 

「そうそう、ナーべさん。少し肩の力を抜くのである。mikanたんもそう思うだろ?」

 

「クワー」

 

 実は一番目立っているのはリューサンことブルーゲイルだ。竜の肩ロース肉を媒介に最低位の竜を召喚したのだが、まさか竜がここまでびびられる存在だとは思っていなかった。こんな子竜がだ。

 

「リューサンはmikanにインスニした方がいいと思うな」

 

「こんな愛らしいmikanたんを見えなくするなんて! mikanたんもそのままがいいだろう!?」

 

「クワー」

 

「そうだねmikanたん。たまにはロトさんもペットの面倒を見たほうが良い。アウラに任せっきりにしてないで」

 

「お前までブロントさんにアルパカの世話しろ言うんか!?」

 

 第六層にはるし★ふぁーさんが俺をからかう為に贈って来たアルパカが居るのだ。

 

「ロト、崩れてる崩れてる」

 

「ん、んん!とにかくmikanはあまり自由にさせにいようにな。後アルパカ牧場には行かないでFA」

 

 例えアルパカの畜産がナザリックの財政に貢献してたとしてもだ。

 

「そんなにアルパカと一緒にされるのが嫌なのか・・・・・・」

 

 当たり前だろう。それとダルメルとエルヴァーンを一緒にするのもNG。

 

「とにかくナーベさん、今回の僕達は冒険者です。名声や知名度を上げるのに大々的に暴漢などを伊達にして帰す程度ならかまいませんが、ナザリック外の者を露骨に蔑視するのはやめておいた方がいいでしょう」

 

 誰だお前?って思うけどこれが猫を被った忍者なのだ。こいつのように臨時パーティで猫を被って行動するネットゲーマーはよく居る。

 

「忍者・・・・・・」

 

 ナーベは複雑なようだ。至高のナイトに刃を向けたと言う反面、そう望まれて創造されたと言う事実がどう反応を返せばいいのか分からなくさせているらしい。

 

「役割は覚えているな?」

 

 モモンが注意を促す。

 

「異国の没落貴族とその仲間達だな。ナーべは元従者って事だからギリ様付けでもいいんだが、やっぱり出来ればさん付けが好ましいだよ。出来れば披露する必要の無い設定だからぬ」

 

「はいロトさ――ん」

 

 先行き不安だな。

 

「とにかく、ナーベよ。今回のお前の課題は演技を覚えることだ。人間が嫌いなのは構わん。だが、今後人間の国と付き合っていくにあたり、上辺だけでも取り繕う必要があるのだ。無用な摩擦は避けたいからな」

 

「はい、畏まりました。モモンさん」

 

「特に、俺には分からんが人間、殺気・・・・・・と言うものを感じ取れるらしい。敵意や殺意を持つと簡単に感知されるので気を付けるように」

 

「はっ」

 

「そこら辺は忍者、お前が演技指導すろ。モモン。こいつも人間だし、慣れには適任かと思うが」

 

「そうだな。ロト。汚い忍者なら感知能力も高いだろうし、検討する必要があるな」

 

 そんな事を話しながら「絵」を探す。識字率がさほど高くない平民の社会ではそういう看板を目印にしているようだ。

 

 そして多分合っているだろう目当ての奴を見つけた。

 

「あそこだな」

 

 モモンを先頭に、俺たちはウエスタンドアを押し開け、中に入る。

 

 中は薄暗く、なんか小汚い。なのでアダマンバルブータ(要はヘルム)のフェイスガードを下げて暗視機能を発動させる。

 

 モモンは数瞬辺りを見回した後、受付へと歩いていったので俺たちも付いていく。

 

 あちこちから値踏みするような視線を受ける。これが無ければブロンズ装備にビースパタでも良かったんだが、舐められない程度にレアで、かつ周りと隔絶していない程度の装備を選んだと言う訳。俺のガラントアーマーは内部データがレベランアーマーと言う上位互換装備になっている為、解りやすさの為にアダマン一式を装備してきた。

 

「宿だな。何泊だ」

 

「一泊でお願いしたい」

 

 正直なんらかのスキルで外に家建ててそこで過ごしたほうが身体に良さそうだ。

 

「全員銅のプレートか。1人5銅貨。飯はオートミールと野菜。肉が欲しいなら追加で1銅貨だ、まあ、オートミールの代わりに数日経ったパンと言う可能性もあるがな」

 

「飯は不要だ」

 

「5人か・・・・・・となると既にパーティは組んでいるわけだな。6人部屋にしておくか?」

 

「うむ、それで頼む」

 

 そう、ここは宿屋だ。酒も飯も売っているみたいだが。さっき冒険者組合に寄ってきたので今夜の宿を取ろうと言う訳。

 

「まあ、一応説明しておくとここは同じ程度の冒険者が顔を広めてツテとかを作る場所だ。だからと言って他の部屋にうかつに近寄るなよ。物盗りと誤解されてもしょうがないからな。それと5人で25銅貨だ」

 

 店主が手を出した。前払いと言う事なんだろう。

 

「では、これで」

 

「ひのふの・・・・・・丁度だな」

 

 モモンが俺たちを連れて宿屋の奥に行こうとしたら、なにやら短い足がつっかえ棒のように出された。

 

「・・・・・・」

 

 モモンはまるで気がついていないようにその足の前まで歩き――踏みつけた。

 

「いでぇ!?」

 

「てめぇ! 何しやがる!」

 

「やんのか? あ゛あ゛!?」

 

 これには仲間の冒険者も思わずいきり立った。

 

「兜の視界が悪くて足が出ているのに気が付かなかった。最も・・・・・・短すぎて見えなかったのかも知れんが」

 

 よく見ると男の鉄靴部分が陥没している。まあ本気では無いな。ロールプレイビルドとは言え、レベル100の異形種が思い切り踏みつけたら靴ごと足が爆ぜる。

 

「ただじゃおかねえ・・・・・・」

 

 おそらく足の甲の部分を骨折しているだろう男が青い顔をしながら、剣を抜いた。

 

「ふむ」

 

 モモンは一瞬だけ考える素振りを見せると男が反応するより早く距離を詰め――。

 

「飛べ」

 

 掴んでぶん投げた。

 

 投げられた男は他の席のテーブルを盛大に巻き込み、沈黙した。

 

「おっきゃあああああ!」

 

 なにやら外野が騒がしい。

 

「俺が伊達や酔狂でこんな格好をしているという訳ではないと言う事を分かってくれたかな?」

 

「あ、ああ!」

 

「すまねえ!」

 

 残りの男の仲間達はこの職業不詳の鎧ローブが並々ならぬ力を持っていると感じただろう(確信)

 

「あんた! 何すんのよ!」

 

 騒がしかった外野がやってきた。

 

「ツレは忙しい。何か用かな?」

 

 俺が対応する事になった。

 

「「何か用かな?」じゃないわよ! あんたの仲間がアレを投げたせいで・・・・・・私のポーション! 使い物にならなくなったじゃない!」

 

「たかがポーション一つでごちゃごちゃうるさいな。それにそんな大事なもんをこんな治安の悪いところに出しておくのが悪い(有罪)」

 

「たかがポーション? たかがポーション!? 食費を削り、依頼を増やし、汗水垂らしてやっとの思いで買ったポーションをたかが!?」

 

 後半は聞こえない事にしたらしい。

 

「まあまあ、うちのものがすみませんね。僕がポーションなら持っていますから、現物で弁償と言う事でどうでしょう?」

 

 忍者がもみ手しながら交渉している。

 

「ふん・・・・・・まあいいわ。きちんと弁償してくれるなら文句は無いわよ」

 

 忍者がポーションを取り出すと、それをひったくるように外野の女が奪い、鼻息荒くも戻っていった。

 

「ブロント様にあの態度・・・・・・」

 

「ああ、いや、ナーベ、冷静になってみると忍者の対応で良い。ポーション一つで手間と時間を取られるよりかはさっさと解決したし。それとロトだ」

 

「申し訳ありません。ロトさ――んがそう仰るなら」

 

「こちらも平和的に解決したぞ」

 

「思ったより気のいい人たちだったのである」

 

「そぉか」

 

「まあ、とにかくまずは部屋に行こうじゃないか。そこで今後の方針でも話し合おう」

 

「うみゅ」

 

 俺たちはギイギイときしむ階段を昇り、1階を後にした。

 

 

 

 部屋に到着すると、モモンが魔法で作られた甲冑を消し、黒の上下となった。

 

「まさか冒険者がここまで夢の無い職業とはな・・・・・・」

 

 その顔は骨・・・・・・ではなく、凡庸な男の顔。流れ星の指輪によって〈星に願いを〉を使用したモモンの顔だ。これによって食事が可能となった。ただしアンデッド扱いなので睡眠は不要らしい。

 

「うみゅ、ただモンスターを狩るだけなら何も冒険者じゃなくても出来るだよ」

 

 冒険者。別名、モンスター専門の傭兵。

 

「まあ、それも低ランクでの話では無いかな? ランクが上がれば高難易度のダンジョンとか探索すればいいと思うのである」

 

「ブルーゲイルの言うとおりだと思いますよ。最初の内はランクを上げる事に専念しましょう」

 

 ブルーゲイルと忍者が今後の方針の一つを提案する。

 

「もっと、こう、ランクの高い冒険者をギルドで返り討ちにして、それでギルドマスターとかに目をかけられて一気にアダマンタイトにとか・・・・・・」

 

「テンプレ乙」

 

 チャンスは向こうからやってくるものではにいと言う事だな。

 

「とにかく、手っ取り早くランクを上げることを考えよう。ロトからは何かあるか?」

 

「俺からはにい。せいぜい夜の治安の悪いところをぶらぶらして、厄介ごとでも名声につながりそうなら首を突っ込むとかだな」

 

「お、それはいい。しかし徒党を組んで行動していると難癖は付けられないかもしれないな。各自自由行動でいいかな?」

 

「うみゅ」

 

「わかったのである」

 

「はい。了解しました」

 

「畏まりました、モモンさ――ん」

 

 次の方針が決定した。夜会話は基本だからな。俺は何か用事があると睡眠時間が自然と短くなるタイポなので夜明けに少しだけ寝れればそれでいい。まずは軽く一杯ひっかけてくるかな。




 ロールプレイ重視のモモン、平常運行のロトとブルーゲイル、猫かぶりの忍者、そして至高の御方々からの無茶振りに盛大に戸惑うナーベと言った状態。


6/22追記

ブロントさんの所有ジョブ

ファイター       
クレリック      
ローグ         
ナイト        
シールド・ロード   
ヘクスブレード    
ワールドチャンピオン 他

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