死の超越者と白夜の騎士   作:スティレット

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みんなの感想パワーを貰ってやる気がむくむくと沸いて来たから書きあがっただよ。


第六話

 情報待ちを終えてナザリック各員の装備と配置転換を行った。

 

 ここで予想外に役に立ったのが、ギルド潰ししていた時に集まったアイテムだ。

 

 永劫の蛇の腕輪、そして、カロリックストーンを作るために必要な金属がギルドによっては保管されていたので、情報待ち中の在庫整理でそれらが発掘され、永劫の蛇の腕輪は3つしか無かった為、今度俺とリ・エスティーゼ王国の都市、エ・ランテルに行く時に付いて来るお供に持たせることになった。モモンガさんはモモンガ玉があるし。各階層守護者にはとりあえずカロリックストーンを持たせ、それで何を作るかはみんなでゆっくり話し合う方向で決定した。まあ、俺の分のカロリックストーンは地底湖に沈めてあるロト専用ゼータⅡの強化にでも使うんだけどな。アルベドだけ何故かギンヌンガガプを持っていたのでアルベドにはデータクリスタルでモモンガさんには内緒で等身大モモンガさんフィギュア(作成協力:図書館のオーバーロードのみんな。監修:シャルティア)を渡しておいた。ご満悦だったので後日メイドに様子を聞いたらその日の夜アルベドの部屋からモモンガさんを激しく呼ぶ声が聞こえたらしいが、それはどうでもいいだろう。

 

 それと、自我を持ったパンドラズ・アクターを俺も見たかったんだが、モモンガさんに断固拒否されてしまったので転移してくる以前にお遊びで作ったモーゼルM712Ver.red9を代わりに渡しておいてくれと頼んだ。モモンガさんは軍服は強いと豪語するだけあって、むしろモモンガさんが欲しそうにしてたけど所詮衣装装備だし、急所に当てなきゃ1発で人間1人殺せない装備なんてデータクリスタルの容量的にそこまで難しくないのでモモンガさんには装備ペナルティでも当たるよう命中率向上を組み込んだルガーP08を作ってやる約束をした。モモンガさんが弾の口径とかが分からなかったらシズ辺りでも付けておけばいいだろう。

 

 で、俺はエ・ランテルに行く前に俺の作ったNPC共の様子を見に、ナザリック各地を散策している。

 

「おいィ!? 俺が来たんだがー!」

 

 現在第五層の氷河エリア。ここに課金モンスターのベヒーモスを放牧している。

 

『Gyaoooo!』

 

 どしんどしんと言う地響きと共にベヒーモスの群れが迫ってくる。でも気分的には大型犬の群れが飼い主に向かって走り寄ってくる程度の事態だ。

 

「おーよしよし、良い子にしてたかお前等。で、キングはどこにいるわけ?」

 

「Grrrrrr」

 

「来たか」

 

 群れのボスにしてベヒーモスの中で唯一職業レベル持ちの「キングベヒんもス」。職業持っている理由は隕石落とすためなので、肉体派に見えてINTもかなり高い。他のベヒーモスも角から電撃を出すが、そっちはただの属性攻撃なので魔法じゃなかったりする。

 

「お前等におみやげ持ってきたからな。まずはキングからな」

 

 目の前にアイテムボックスの中の無限の背負い袋から切り分けてもらったケルベロス肉を出す。これでヘルズバーグを作ると結構なSTR増強の食事効果が見込めるんだが、今回は氷河エリアだし熱そうなものでも食べたくなるだろうとのことでこれを持ってきた。生肉なのに高温を発している。

 

「待て」

 

「Gyuuun...」

 

「・・・・・・良し!」

 

 これ1つ50kg単位で切り分けてもらったから無限の背負い袋には10枚単位でしか肉が入らない。群れは20頭以上居るので3袋くらい肉が入っている。

 

「よーしよし、美味いか?」

 

「Guon!」

 

「そうか、いつもカニ肉だからか」

 

 ここには一緒に陸蟹を放している。元々氷河エリアにベヒーモス放牧しているのもクフィム島をモデルにしているから陸蟹なんだけどな。本当なら巨人族も徘徊してなきゃいけないんだけど、NPCの巨人族はベヒーモスより弱いし食べられたくないのか、この辺には居ない。武器を持ったスケルトンは時折うろうろしているけど、それもカルシウム補給と言わんばかりにそこら辺のベヒーモスが捕食する。まあ、クフィム島からベヒーモスの縄張りと言う別エリアに繋がっているだけで蟹自体もそっちには居ないことになっているんだけどな。

 

「近いうちに外に出してやるからな」

 

『Guooooon!』

 

 こいつ等は喋れないけど頭はいいので言葉を理解している。なんか変な木のモンスターも居たし、森でこいつ等を遊ばせてもいいだろう。

 

 そろそろいいか。

 

 俺は残りの肉を雪原の上に出した。雪が湯気を立て溶けていく。

 

「そろそろいいぞお前等」

 

『Gyaoooo!』

 

 一斉にケルベロス肉に群がるベヒーモス。肉は逃げないんですけどねぇ。

 

 とりあえず騎乗用にこいつ等を出してもいいかモモンガさんに聞くとして、誰を連れて行くか決めないといけにい。

 

 

 

 とりあえず人前に出しても一番無難そうな奴でいいと思い、第六層にやってきた。

 

「おいィ? リューサンおるかー?」

 

「居るのである」

 

 頭上から声。直後に人が振ってきた。

 

「ヴァナを駆ける一陣の風、ブルーゲイル参上」

 

「いあ、リューサンそういうのはいいから」

 

 こいつの名前はリューサン。ジョブは竜騎士。ユグドラシルでは〈飛行〉の魔法も使えるため、ジャンプからの一撃離脱戦法を得意としている。ついでに〈竜召喚〉により戦闘をサポートさせるテイマーの側面も持っている。

 

「久しぶり、ブロントさん。今日はどうしたんだい?」

 

「うみゅ、ナザリックが原因不明の転移に巻き込まれたのは知っているか?それで人間種の中から街に行ける奴を選別しているだよ」

 

 そう、リューサンもダークエルフなのだ。ついでにリューサンと一緒に過ごしているエース三人衆の内2人が居るけど、片方は草生やしすぎてて聞き取りにくいしもう片方は影が薄すぎてレイスとかの死霊系モンスター扱いされかねないので連れて行くのは無理だと思った。

 

「ああ、聞いているよ。大変だったらしいね。しかしオレを誘ってくれるとは・・・・・・そうだ、鍋作るよ! ああ、でも食事効果が高いカレーの方がいいかな? それだと後衛の人に悪いね。やっぱりシチューがいいかな? それともキノコシチューに黒パンと干し肉って言ういかにも冒険者の食事と言った感じの方がいいかな? それとも基本に立ち返って山串と海串とパイにするかい? それだと腹は膨れないか。やっぱりシチューは定番・・・・・・」

 

「落ち着きたまえ」

 

「すごく落ち着いた」

 

 そう、エースとは孤高の者。竜騎士は相棒の竜のみがパーティメンバーと言い、侍と暗黒はさほど得意でもない片手剣を持って延々を球出しを行う。BAされたときペンタスラストで有頂天になった直後に修正喰らっても「いつもの事だよ」と苦笑いで済ませ、侍は「月光でござるw」と草を生やし、暗黒はアタッカーなのにスタン要員として地味に活動する。そんなジョブだったのだ。

 

 そんなリューサンのようなエースがパーティに誘われたら舞い上がってしまうのも無理は無い。性格は紳士なのに。

 

「食事はキノコシチューと黒パンと干し肉でいいから。今回行くのは俺とモモンガさんとリューサンと後1人だから最低2人分あればいいから気にすんな」

 

「了解したのである」

 

「じゃ、闇系の相談があるからこれで」

 

「ああ、オレも荷物をまとめておくよ」

 

 これでアライアンスとか組んだらちょっと不安になるが人選だとこいつが一番マシなはず。いくら強いとは言え常時草生やす奴やモンスターと間違えられる奴、ついでに踊り子とかも連れて行けないからな、街に入るのにビーストテイマーだと面倒ごとが多そうだし。

 

 

 

「って事でこっちはリューサンを連れて行くことになった」

 

「そうですか。リューサンならヘルムで耳が見えないし人格的にも無難ですね」

 

「で、モモンガさんは誰を連れて行こうと思っているわけ?」

 

「人間に見えるのだったらナーベラル辺りでいいかなぁと」

 

「まずはNPCのカルマ傾向を見てから考えるべき。後人間に見える奴だったらセバスかユリ辺りがベターだと思うが」

 

「うっ、そうでした。確かにNPCはカルマ傾向に方針が左右されているみたいですし、その方がいいですか」

 

「でもまあ、NPCの成長を促したいんだったらその選択もありじゃにいか?最初はフォローしなきゃいけないと思うけど、後々人間と接触させる場合も考えたら、ナーベラル辺りが毒吐かない様接触させるのも良いと思う」

 

「そうですね。ただでさえカルマ傾向が悪に傾いていますから、リカバリーの出来る範囲で教育していくのも必要だと思います」

 

「じゃあどうする?」

 

「予定通りナーベラルを連れて行こうかと」

 

「おk、分かった」

 

 オレとモモンガさんはパーティメンバーの編成を考えていた。最初はマーレが浮かんだが、あいつ引きこもりだからな・・・・・・。

 

「ところで、この間見せてもらった甲冑魔道士ですが、白よりは黒いほうがいいかなって思うんですよ」

 

「ほう、男なら黒に染まれって言う名ゼリフもあるしな。いいんじゃにいか。それに俺とリューサンは前衛だし、ナーベラルとモモンガさんで後衛だろ?ほんとならルプスレギナ辺りがバランス良さそうだと思ったんだが、俺が〈大治癒〉使えるしモモンガさんは〈大致死〉当てれば回復するから問題ないか」

 

「〈大致死〉なら自前でも出来ますし、大丈夫ですよ。そもそもそこまで追い詰められる状態に持っていかれると困るんですけどね」

 

「そうだぬ。初心者にいきなりドラゴン倒して来いとかも言わないだろう」

 

「ああ、サラマンダーに蹂躙される帝国兵ですか」

 

「ヨヨの事を思い出させるのはやめろ。ついでにアンヘルもやめろ」

 

 「大人になるって悲しい事なの」じゃねえよ。あいつは絶対に許さない。

 

「サラマンダーはともかく、アーグランド評議国は聞くところによると王国の北の方だからエ・ランテルとは反対方向ですし、気をつけるのは六色聖典のどれかくらいでしょうね。後は神人が出てくれば分かりませんが、国の最大戦力を諜報活動に使うかは疑問です。アレがプレイヤーの子孫だとしたらガチレベルでも100を超えることが無いと思います。そこら辺は出たとこ勝負なのかな?」

 

「んなもんにいちいち気にしてたら冒険は出来ないし、その方針でいいんじゃにいか?」

 

「そうしますか」

 

「で、名前はどうする? 真名で縛る系のスキルがあったら困るし」

 

「俺はモモンにしときます」

 

「それは紛らわしいしナーベラルが間違えそうじゃにいか・・・・・・?まあいいか。俺はブロントをさらに縮めてロトにする」

 

 ブロントさんのさらに過去のログによるとロトと言うコテハンがブロント語と思われるものを使っていたらしい。

 

「ナーベラルはナーべでいいと思いますし、リューサンはどうします?」

 

「本人がブルーゲイルって呼ばれたいらしいからそれに乗っかるか」

 

「分かりました」

 

「モモンガ様、ブロント様。授業のお時間です」

 

 会話が途切れるのを待っていたらしく、アルベドが声をかけてきた。

 

「そうか。もうそんな時間か。楽しみを前にするとつい時間を忘れてしまうな」

 

「今日もよろしく頼むんだが?アルベド」

 

(はぁはぁ、)(モモンガ様とブロント様との女教師プレイ。)(今日はどんなのがいいかしら?)(ここは冒険して教鞭を)(・・・・・・ダメよアルベド!)(至高の御方々は)(私の事を考えて下さり)(わざと間違えてくれているのに)(ご好意に便乗するなんて!)はい、かしこまりました至高の御方々!」

 

 なにやらピンク色のオーラが見えそうになっていたが大丈夫だろうか?多分大丈夫だろう。時間停止でも使ったのか1日ちょいで文字をマスターしてきたアルベドの情熱を無碍にするわけにもいかにいわな。

 

「冒険者ギルドとかあったら代筆じゃあ格好付きませんものね。しっかりやりましょう」

 

「(気合入れるモモンガ様格好可愛い!)」

 

「アルベドがちょっと不穏だがやる事はやらないとな」

 

 これも冒険者のたしなみだ。ちなみに識字率が低くてマジックキャスターが少なさそうなのは考えてはいけない。




義務感では無くやる気が出てくるのが重要。

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