死の超越者と白夜の騎士   作:スティレット

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法国の情報整理で余った時間をモモンガさんとブロントさんが思いつきでナザリック内でいろんな事をする回。

6/22追記

一部修正しました。


ナザリック小話的なもん

――いかに休日を過ごさせるか

 

 

「ナザリックはホワイトにする!」

 

 モモンガさんのその決意の下、守護者統括から一般メイドに至るまで休みと言う概念が発生した。だがしかし、「アインズ・ウール・ゴウンに忠誠を尽くす」と言う理念で塗りつぶされている下僕共は当然休日返上しようとし、次善の策として休んだ奴は俺とモモンガさんによる過去のエピソードとかが聞ける権利を与えてみた。

 

「さて、やってきただよ「第一回ポロリもあるよ! モモンガとブロントのナザリックエピソード集」」

 

 前もって軽いノリでって言っておいたから盛大に拍手される。

 

「提供はモモンガと――」

 

「ブロントでお送りしますん」

 

「どっちだよ」

 

 聞き逃すまいと静かになる休みの下僕達。俺達は下僕も含めて玉座前のレメゲトンで椅子に座りながら進行している。椅子は休みじゃないメイドに出してもらった。

 

「やっぱ第一回となるとあれかな」

 

「なんでしょうブロントさん?」

 

「俺達の出会いを話すべきか」

 

「そうですね・・・・・・ここナザリックに居を構える前、アインズ・ウール・ゴウンに俺とブロントさんが加入する前の話をしておいてもいいでしょう」

 

「うみゅ」

 

「――そうですね。ブロントさんと出会ったのは、俺がまだスケルトン・メイジだった頃でしたね」

 

「んだな。汚い創造主が「異形種なら強すぎる気がするし殺してもいいよ」なんてふざけた事抜かしてたけど、ふる快に思った俺は何の罪も無い異形種を殺して回っちぇいる人間種を率先して殺すようになった。つまりプレイヤーって呼ばれていたのは以前話したと思うけど、そのプレイヤーを殺すことをプレイヤーキル。PKと略されていた。そのPKをさらに殺す奴がプレイヤーキラーキラー。略称PKKだべ。アインズ・ウール・ゴウンもPKKがどうこうって事で結成したギルドだが、そこら辺は次回だな」

 

「人間種でそのPKKを行っていたのがブロントさんだ。当時俺は異形種故に狩場に出てはそこら辺のモンスターと一緒に討伐対象として殺されることに飽き飽きしていてな。この世界に降臨するのはもうやめようかと思っていた」

 

「そこで俺がモモンガさんを見つけただよ。スケルトンが沸かない場所に骨が一人で獲物を狩っているからつい声をかけてな。「PTどうですか?」ってね」

 

「俺はこの世界に降臨したばかりでろくな知り合いも居なかったから正直戸惑いが大きかった。「こいつそんな素振りしているけど結局俺を殺すんじゃないか」とな」

 

「だから俺が一番最初に盾をした訳。いざとなったらゾンビけしかけて逃げてもいいって事で話し合ってだな」

 

「最初は戸惑っていたけど、降臨する度にブロントさんが狩りに誘ってくれてな。――つまりそういうのを求めてたわけだ。仲間と一緒に色々なところを旅すると言う事を」

 

「だども、まあ・・・・・・PKがなくなった訳じゃなかった」

 

「・・・・・・どうなったのでしょう?」

 

 メイドの一人が続きを促す。

 

「最初は俺とモモンガさんと適当に作ったアンデッドで固まって狩っていたんだが、3人以上で同じくらいのレベルの相手となるとアンデッドのレベルが低くて不利だっただよ。だから狩場に行く前にモモンガさんとアンデッドで固まって、俺は一人でモモンガさんに尾行とか付いていないか確認しながら距離を離して着いて行った」

 

「実際のところ、何回か襲われてだな。敵の背を見ているブロントさんが後ろから強襲して敵を減らしていたのだ。ダークエルフのブロントさんが襲い掛かってくると敵も見事に慌ててな・・・・・・あれは愉快だった」

 

「後は俺とモモンガさんと作ったアンデッドで袋にしただよ」

 

「まあ、ブロントさんの顔が売れてからは即座に立て直す連中も出てきてな。捨て駒のアンデッドを足止めに使い、それでも追ってきた奴等だけを俺とブロントさんで叩いたりもした。後は罠を設置した場所まで誘導したりな。状況に応じてモンスターを狩るより人間種を狩る事の方が多かった場合もあった」

 

「あれはあれで美味しかった時もあったべ」

 

「そうして俺がアインズ・ウール・ゴウンに入るまではブロントさんと二人で戦っていた。アインズ・ウール・ゴウン自体はたっち・みーさんとかが前衛を勤めていたんだがな。当時ブロントさんは人間種だったからアインズ・ウール・ゴウンには加入出来なかった。ブロントさんは後から加入したが、「異形種のみで構成した」アインズ・ウール・ゴウンの中でも数少ない例外なのだよ」

 

「さて、今回で次の話までしちぇしまいそうだから今回はここまで」

 

『お話下さりありがとうございます。モモンガ様! ブロント様!』

 

 下僕が一斉に頭を下げた。

 

「おう、お前等休日は好きにしていいけどゆっくりすろよ」

 

「ブロントさんと同意見だ」

 

『かしこまりました! 至高の御方々!』

 

 話題が無くなって来たら雑談に切り替えるかぬ。

 

 

 

――喧嘩チームDRAK~ダーク~

 

 

 異世界転移の際こちらに一緒に来ているかもしれにい喧嘩チームDRAK~ダーク~を探すためにこないだ捕まえたスレイン法国の連中から1名、エルダーリッチを作ってもらい、送り出すことにした。

 

「では、モモンガ様、ブロント様。行って参ります」

 

「うみゅ、よろしく頼むんだが?」

 

 リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンのような繰り返し使えるアイテムだと、イザという時正体不明の相手に渡ったら困るので帰還手段はスクロールを渡している。

 

 

 六時間後。

 

 

「ただいま戻りました」

 

 エルダーリッチが戻ってきた。意外に早かったな。

 

「どうだった?」

 

「それが・・・・・・喧嘩チーム~ダーク~に進入出来たのですが、中は生物非生物問わず時が止まっているようでした」

 

「そこから外に出られたか?」

 

「いえ、扉が開かなかったので外には出られませんでした」

 

「ほむ、モモンガさんはどう思う?」

 

「転移、時が止まった場所、となると・・・・・・まだ転移してきていない?」

 

「そうだな。俺は次元の狭間とか世界と世界の間とかそんなところに居ると思う」

 

「しかしそうなるとこいつが活動出来た理由が分かりません」

 

「ノータイムで別の身体になっている時点で理屈はよくわからんだよ。位相がずれてるとか自分の中で納得出来ればそれでいい」

 

「そんなもんですか」

 

「だべ」

 

「となると・・・・・・グラットンソードが破壊されたら喧嘩チームDRAK~ダーク~も・・・・・・」

 

「極論を言うとそうだが、永劫の蛇の腕輪とかも材料に含まれているからそう簡単に壊れたら神話級は全部アウトと言う理屈になるだよ」

 

「そうですね・・・・・・」

 

「まあ、気にしても仕方がない。ご苦労。お前はシャルティアのところで仕事を割り振ってもらえ」

 

「はっ!」

 

「んじゃまあモモンガさん。この件は保留と言う事で」

 

「分かりました。ブロントさん」

 

 俺も喧嘩チームDRAK~ダーク~に居たらやばかったかもしれんな。

 

 

 

 

 

――クルシミマスツリー

 

 

「魔王の台詞と言ったら「我が腕の中で息絶えるがよい」でしょう」

 

「拠点で待ち構えるなら「Welcome to the underground large grave of Nazarick.」からの「How do you like me now?」だろ」

 

「なんで英語なんです?」

 

「昔大統領になって欲しいぶっちぎり一位の奴が言った言葉をすこしいじった」

 

 モモンガさんとチェスをしながらそれっぽく魔王談義をしていると、アルベドが玉座の間に来た。

 

「モモンガ様、ブロント様、ナザリック近郊の森にて強力な樹木の魔物が確認されたとの事です」

 

「ほう、どの程度だ?」

 

「相性もありますが、先日作成されましたデス・ナイトでは10体居ても歯が立たないかと」

 

「それは・・・・・・やはりこの世界は油断ならんな」

 

「うみゅ。近場にこんなのが居たのならラスボスはもっと強いはず。その一方でスレイン法国の連中がのほほんと工作しているのはおかしいだよ」

 

「どうしましょうか?ブロントさん」

 

「なんかこないだのニューロニストからの報告でスレイン法国に傾城傾国ってのがあるらしいしうかつに守護者出して世界級のやばいのが出てきたら犬死にするからな。自動POPする雑魚で消耗戦を仕掛けるべきじゃにいか?」

 

「そうしましょうか」

 

「では、そのように取り計らいます」

 

「あ、そうだアルベド」

 

「なんでしょうブロント様?」

 

「その樹木倒したらナザリックに持って来いって伝えろ」

 

「かしこまりました」

 

「それ、どうするんです?」

 

「いあ、ラスボスと言えば昔トレント系の奴が居ただよ。挿し木すれば面白いのが育つかもしれにいと思ってな」

 

「ガーデニングですか」

 

「んだ。他にもサボテンとかいろんな種類の奴にも試してみるだよ」

 

「あまりマッドな事はしないで下さいね」

 

「善処する」

 

 こんなやり取りもあって、魔樹ザイトルクワエは後ほど俺の部屋で盆栽として育てられるのだった。一応ジョディとかビビアンとかキャシーとか言う名前も付けたがすくすくと育ち、しばらくすると一部がナザリック内を徘徊するようになったとか。




て○子の部屋みたいなノリで。鍛錬以外は情報待ちで暇しているので話しかけると喜ぶ。

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