ここは保健室のようだ。あいつとの決闘は私の勝利であったが、私はすぐに寝てしまうほど疲れてしまった。それに、次の試合はキリトとあいつの試合らしいから私は少し休ませてもらうことにした。
あぁ、浮かぶ。辺りを見廻しても何も見えない。手足を動かしてみるとぴちゃぴちゃと音が鳴る。 なるほど、ここは水の上だ。違うかもしれないが今は考えている程頭は回らない。
辺りが暗いが、目が慣れてくると部屋が見えてくる。そこも辺りが暗いが一つだけスポットライトが当たっていた。
私だ。
姿は全く違うがこれは自分だとハッキリわかった。そして、その姿を見て私が一つだけ担当させてもらったアインクラッド第99層のボスであるワタシだ。
攻略法としては胸に刺さった短剣を抜かないと倒せないというめんどくさい設定のボスだ。
何故ここに?
アインクラッドは崩壊して....いないのだ。ALOの方にあるのだから。だから、この娘が居てもおかしくはない。
だからって何で私がここに?
あの娘は私に気づいていないようだ。
ずっと下を向いている。
『サビシイ......サビシイヨ......』
あの娘は初めて私を見た。そうすると辺りが真っ暗になり目が覚めた。
あの夢は....
「大丈夫?チカ」
心配そうにユウキが顔を覗き込んできた。
「うん、大丈夫だよ」
ほんとに大丈夫そうな顔じゃなかったかも知らないが、私は笑顔でそう答えた。
ユウキは納得していないようだったが、うなづいた。
「そう、なら無茶しないでね?」
そうしてるとキリトとあいつの試合が終わったらしい。あとは、私とキリトの試合だけなのだが、それは中止された。
企業から呼び出しがあったからだ。
そんな事で試合が中止されるのかと思ったが、束さんの根回しがあったらしい。それに、私の専用機もボロボロだ。
試合も今日しか出来ないというのもあり、中止となった。
「お義父さん。用件ってなにかな?」
「あぁ、新しいイベントの事なんだけどな」
もう少しでALOでの新イベント「宇宙への邂逅」のベータ版が始まるのだ。
ISのような乗り物に乗り、月を目指すのがベータ版でやる事だ。
月を目指すまでに幾つものボスキャラを倒さないといけないことや、
色々と問題が有り余っていたのである。
「死銃?」
お義父さんからGGOの話が出た。死銃とは、他のVRMMOで出てきた殺人鬼のことらしい。キリトもその話を聞いているらしく、キリトと一緒に死銃の正体を掴んで欲しいらしい。
本当にSAO事件と同じような事が起こっているのなら....
私はGGOというゲームにログインすることにした
次回、GGO編です